二次創作に関する漫画家・編集部の見解
ゲッサン編集部のコメントも出たことで、だいぶ落ち着いた感のある小学館の著作権騒動。ただ、まだ「急に小学館が決めた」かのように思わせるまとめ記事を見て誤解しているようなリツイートは散見されます。(追記の形でいいので、誤解を招いている部分に解説をいれてもいいように思うのですが…。)
一方、ゲッサンの編集部以外でも、漫画家側・編集者側でコメントを出している方もいます。以下、それらを紹介してみたいと思います。
小学館漫画家側の見解
まずGS美神や絶対可憐チルドレンで知られる椎名高志氏のツイートのまとめ。
Togetter - 「「小学館の画像使用・著作権」についての椎名高志先生のつぶやき」
また以前「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜」、今は週刊少年サンデーで「マギ」を連載中の大高忍氏も、自身の手書きブログの中でコメントしています。
手書きブログ 『諸々についてのお知らせ』 - otakashinobu さんのブログ -
両方共趣旨としては一緒で、「著作権は出版社ではなく、著者側にある」「著者側が申請や承認をしない限り、出版社側が取り締まることはない」という形ですね。大高忍さんの方は、そうした申請を自ら行うこともない、というコメントも出されています。
他には先日の記事でもとりあげたTogetterにまとめられていた「ハヤテのごとく」畑健二郎氏の発言。趣旨はこちらも似た感じ。
とはいえ、今回の騒動の一旦として、畑氏が小学館のこの文章の存在が前からあったことを知らず、勘違いで批判するコメントをしたこともあります(騒がれていたのは畑氏のつぶやき前からですが)。現在、問題の発言は消されているようですが、ただ消すだけで何もコメントなし、というのもいかがなものか、とも思います。結果的には権利者側の立場で誤解により混乱助長につながる発言をしたわけで、つぶやき自体を消してもその痕跡はネットには残ってしまっています。ネットを見ていると、若干こうした対処で「無責任」という印象を持たれてしまっているようにも思います。
その他では、「神のみぞ知るセカイ」の若木民喜もツイッターでコメントしてます。こっちも二次創作歓迎の形ですね。
http://twitter.com/angelfrench/status/52534117174214656
http://twitter.com/angelfrench/status/52535668496281601
http://twitter.com/angelfrench/status/52538615435247616
編集者側の見解
ついでに、少年サンデー編集部も、「今まで以上のアクションを取ることはない」というスタンスを表明してます。
http://twitter.com/shonen_sunday/status/52675981856616448
その他、以下のページはゲッサン編集部のコメントの他、少年画報社編集者でコミケスタッフでもある筆谷芳行氏の見解も載っています。
Togetter - 「小学館著作権騒動と出版社編集長による二次利用スタンス」
という感じで、著作権側は許容派が多い感じですし、編集部としても特別今までと態度は変えてない、という形のようです。
過去にはいろいろ騒動も〜落ち着くところは「うまくやれ」か
ただ、そうは言っても過去に著作権関係で様々な騒動があったことも事実。これについては以下のページがよくまとまっています。
差し止めから賠償、逮捕まで様々。出版社側は出版社側で、知的財産保護という観点もありますので、著作権者の個々人の意向が絶対、という単純な話でもない感じはします。逆に、これらの事件を挙げて何でもかんでもアウト、という話ではないは上記で挙げた漫画家、編集の方々のコメントを見ても分かるかと思います。
と、まあこのようやはりこの案件は踏み込めば踏み込むほど議論が尽きないグレーな領域。結局のところは、筆谷氏の言葉にあるように「うまくやれ」ということに落ち着くのかもしれませんね。