長島☆自演乙、総合王者・青木真也を撃破〜総合ルールRで

自分は高校でプロレスにハマって以来、格闘技はかなり好きで一時期相当見ていたのですが、K-1やPRIDEの暴力団関連のいざこざ、亀田関係の騒動などでかなり冷めてしまって、最近はあまり見なくなってきています。

そんな中、昨年一番注目していた選手が、長島☆自演乙☆雄一郎。コスプレで話題を集めていたときは、単に女装の気味悪い、痛い人というぐらいの認識しか無かったのですが、K-1 MAX日本代表決定トーナメントでのKO連発勝利で初めて試合内容をじっくり見て、そのアグレッシブさ、当て感の良さ、そして誠実な人柄などを知り、一気に好きな選手になった形です。

今回は、大晦日恒例の格闘イベント、Dynamite!に出演。毎回奇抜なマッチメイクが組まれるこのイベントで、相手はなんと総合格闘技DREAMで現在ミドル級王者の青木真也。そのルールが特殊で、1Rがキックルール3分、2Rが総合ルール5分という、前後半でルールが異なる、というものでした。ただ、判定の規定がないことから、逃げに対する有効性があまりなく、2Rは青木の独壇場ということで、青木が断然有利と見られていた試合です。

試合は、1Rは予想通り青木は消極的な戦法。ただ、その消極さが限度を超えており、完全に柔道でいうかけ逃げ状態。絶対当たらない、ドロップキックや回転蹴りをはなって、自分から横になる始末。組み付きなども、総合かと思うような多用っぷりでしたね。特にラウンド最後に相手に背中を見せて逃げながら、ロープ掴んでキックするところは、かっこ悪かったです。

そして迎えた2R。グラウンドに持ち込まれたら負け、怪我が怖いので即タップorタオルという状況で、長島に残されたのはファーストコンタクトでの一撃のみ。しかし、その一撃を見事に当て、なんと総合ルールのラウンドで総合王者を失神KOさせるという快挙を達成しました。

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自演乙やった!番狂わせ青木をKO/リング/デイリースポーツonline

試合後のインタビューや自身のブログなどでも、この2Rのファーストコンタクトを何度も練習したと言っており、ワンツーで相手のタックルを誘ったとも言っていますね。青木も、1Rが消極的だった分、絶対有利な2Rでは積極的に行って即効で決めてしまおうという意図もあったのかもしれませんが、ある意味自演乙にとってのラストチャンスのタイミングを、比較的安易にタックルに行ってしまったのは、やはり油断があったからでしょうか。

結果的に、青木は1Rを観客のブーイングを浴びるほどの消極的なかけ逃げ、そして自分圧倒的有利の総合ルールで、4秒で失神KOという、考えうる最悪の負け方をしたことになります。2Rに圧勝していれば、まだ「単に仕事しただけ」みたいなクールな印象を残せたかもしれませんが、勝負ってのは恐ろしいですね。元々彼は昨年のDynamiteで相手の腕を折り、さらにその後に痛がる相手に中指を立てて挑発するなどの行為もあって、いい感情を持っていない人もいたようですが、ある意味「勧善懲悪」な展開になった今回の試合で、ネットでも大いに祭りになったようです。

ニコニコでも、海外で放映された動画をはじめとして、いくつか動画が上がっていますね。日本の実況で、1Rの行為に業を煮やしていた魔裟斗が、2Rの劇的勝利に興奮している様は、非常に好感がもてました。魔裟斗と自演乙で、趣味的な意味でのキャラはずいぶん異なるのですが、K-1への愛情という部分ではお互い理解し合えている、というところがいい関係だな、と思います。

ちなみに、英語実況の動画の方で、勝利の瞬間に実況の人たちが大いに盛り上がっているのも話題になっていましたが、これはYouTubeに上がっていたときのコメントを見ると、どうやら実況2人が、お互い自演乙と青木に賭けをしており、青木に賭けた側は負けた場合に自演乙の着ているようなピンクのコスプレ衣装と口紅を休憩時に着けさせられる、という勝負をしていたのが背景にあるようです。たしかに、実況を聞いていると、なんとなく2R開始時に一方が「さあ、これから(自分の賭けている)青木の時間だ!」と活き込んでいたタイミングで膝蹴り一発。その後、もう一方のほうが大喜びし、活き込んでいたほうが「ピンクの衣装着なきゃ…」と苦笑している感じが見て取れます。まあ、そういった勝負を抜きにしても、あのKO劇は番狂わせであり、大笑いしていたようですが。

自演乙も、いろいろ劇的な勝利を収め、ファンも増えてきていい感じですね。後は、やはりK-1MAX世界大会での優勝という、そこまで辿りつけるかどうか。頑張って欲しいものです。