TGS2010 MS基調講演〜和製コアゲーが充実、パンドラ・鉄騎の新作も

いよいよ開催された東京ゲームショウ2010。各社初日ということもありいろいろアピールをしていますが、そんな中でSCEとMSが基調講演をしています。その中で、特にMSの基調講演でいろいろと珍しいタイトルの発表があったので、触れてみたいと思います。

MSの講演は、動画配信などは無し。自分は米Engadetとファミ通のテキスト実況を中心にチェックしていました。

KinectやXbox 360の新情報が続々と!? マイクロソフトの基調講演の模様を実況リポート【TGS2010】 - ファミ通.com
Live from Microsoft's TGS 2010 press event -- Engadget

MSのプレスリリースはこちらになります。
東京ゲームショウ 2010 で日本を代表するクリエイターによるXbox 360® Kinect™ 専用新規 5 タイトルを発表- Xbox.com

事前の発表会で、洋ゲーの日本展開やFF13日本版の発表などを行って閉まっていたので、今回は和ゲー中心の発表。ただ、Kinectがらみもあって新作、専用、そして懐かしいタイトルなどが続々と発表され、結構ワクワクしながら情報を見ていましたね。

セガユーザー、XBOXユーザーにとって熱く、濃いラインナップ

まず、気持ちが高ぶったのは「ファイアープロレスリング」のXBLA版。アバターでプロレスができるようです。なにより、ファイプロというタイトル自体が懐かしかったですね。子供の頃、PCエンジン版を皆で対戦して楽しんだものです。

そして、つづいて「レイディアントシルバーガン」のXBLA版。こちらもセガサターンの名作シューティングですね。自分はプレイしたことは有りませんが、元セガユーザーとしてはこうした作品が掘り起こされるのはぐっとくるものがあります。

その後はKinectタイトルへ。まずはパラパラッパーの松浦氏の取り組むホラー?タイトル「Haunt」に続いて発表されたのが、パンツァードラグーンの流れをくむ、二木氏の新作「Project Draco」。これも、セガサターンからの流れをくむタイトルで、元セガユーザーには熱いタイトルです。それから須田氏のパンクなアクション「code name D」、そしてRez風のKinectゲーム、チャイルド オブ エデンとこれまたセガ的作品。そしてその現セガの「ライズオブナイトメア」と続いて最後に登場したのが、あのいろんな意味で伝説的なゲーム「鉄騎」の新作、「重鉄騎」の発表です。

鉄騎

鉄騎

これにはネットでも大きな反響があったようですね。鉄騎は初代XBOXで発売されたタイトルで、超巨大専用コントローラとセットで2万円という、いろいろな意味でスケールが桁外れな作品でした。今回、Kinect対応で、さらに国内売上の乏しいXbox360での復活ということもあり、皆仰天してしまった形ですね。ただ、Xbox360ではすでにバーチャロンが専用コントローラを含めて一定の成功を収めており、こうした価格度外視なゲームでも受け入れられるコアな土壌があるという判断がなされたのかもしれません。気になるのは、Kinect対応オンリーなのか、専用コントローラはまた出るのか、XBOX版のコントローラは流用可能か、といったところですかね。

「マニア向けハード」という立ち位置をうまくアピールした講演

これまでXbox360は、JRPGラッシュのときもそうでしたが、なんとか日本でもトップハードになろうと、世間でライトゲーマーに受け入れられているPSタイトルを多数獲得しようとしていました。しかし、それは結果的にはRPGなどお金がかかるタイトルの素材作りに補助金を持って行かれ、さらにその後移植版がPS3で出て客も持って行かれるという、あまり好ましい展開にはなっていませんでした。なにより、JRPGのオフライン中心で楽しむ層と、洋ゲー、オンラインゲーで楽しむ層とのギャップもあり、MSの和ゲー獲得戦略がいまいち根付いていなかったようにも思います。

それに対して、PS3との本体争いに決定的な差がついてしまった今回は、ある意味開き直ったような形になりましたね。おそらく、JRPGラッシュの時に補助していた資金を、今回のようなコアゲーム群に小分けして回した形なのでは、と予想します。対策ソフトでは、DLCの時限付き独占程度しかなかなか難しいでしょうが、規模が小さくなればもう少し有利な契約も取り付けられるということでしょうか。

いずれにせよ、Xbox360は本体販売台数はかなりいまいちながらも、HDゲーム機としてゲーム性能は整い、なおかつゲームもギャルゲからシューティング、今回のマニアゲームといい、独特なソフトがそろっています。また、ライト向けデバイスと思われたKinectについても、日本ではまさかのド直球マニア展開を見せてきたのは驚きです。

Xbox 360 Kinect センサー

Xbox 360 Kinect センサー

Kinectという新しいデバイスの土壌は、クリエーターにとっては想像を刺激されるところなのかもしれませんね。自分も、洋ゲー風のライトゲーだけなら、特にKinectはいらないかな、とも思っていたのですが、こうしたコアゲームでKinect展開を見せられると、新型本体セットでちょっと開拓なってきてしまいますね。

ともかく、プラットホーム戦争がだいたい終わった中で、限られた客層相手にいかに今世代商売していくかは、Xbox360の重要な問題。そうした割り切りから固定客層向け商売に打って出ているのででしょうけど、結果的には元セガユーザーや古いコアゲーマーへ良いアピールになった感じはしますね。