カプコン TGSプライベートイベント〜稲船氏講演
いよいよ東京ゲームショウが16日から開幕。それに合わせて、各社からいろいろなゲームの情報が出て活気づいていますね。
そんな中、カプコンが前日に「CAPCOM × TGS2010」というプレイベントを開催。その中で稲船氏がいろいろと講演を行ったようです。
「カプコンある限りゲームは死なない!」 稲船氏コメント集【CAPCOM × TGS2010】 - ファミ通.com
講演では、昨年に引き続き日本市場の低迷を強調。世界市場に日本のゲーム会社が打って出ることを強調しています。ただ、これらの発言がネットで叩かれていることはかなり気にしているみたいですね。
稲船氏は昔からかなりビジネスライクな判断や強気な発言をすることが多く、それがゲームに情熱を持っているゲーマーや既存ファンの癇に障ることがよくありましたが、やはりそうした批判の声は会社の上の法の立場になっても耳に入ってくるようですね。(正直、煽り目的の批判とかはスルーしたほうがいい気もしますが。)
デビルメイクライシリーズ新作〜キャラデザ一新、海外スタジオ開発
さて、その講演で発表されたタイトル。ひとつはDevil May Cryシリーズの新作。
【動画追加、コメント追加】『デビル メイ クライ』シリーズ最新作が電撃発表【CAPCOM × TGS2010】 - ファミ通.com
キャラデザがかなり違和感ありますね。これで若い日のダンテだというのですから。製作はPS3ヘブンリーソードなどを開発したNinja Theory。賛否ある、というコメントをすでに稲船氏がしているように、これはかなり既存のファンから抵抗を受けそうな感じはします。デッドライジングやバイオハザードのように、元々海外受けしそうなものはともかく、DMCの場合は何だかんだ言ってジャパニメーションの部類に入りそうなものに思うので、あえて洋ゲー風にすることで、海外でも受け入れやすくなるのかどうか、ちょっと疑問が残るところもあります。
サイバーコネクトツー開発「アスラズ ラース」
その他では、バンナムと組んでよくゲームを開発しているサイバーコネクトツーが開発の「アスラズ ラース」。
『ASURA’S WRATH (アスラズ ラース)』カプコンとサイバーコネクトツーの強力タッグ【CAPCOM × TGS2010】 - ファミ通.com
UnrealEngine3を使用、アジアテイストのアクションゲームという感じですかね。ナルティメットシリーズでアクションゲームには定評があるだけに、それをより硬派なイメージにして展開擦る感じでしょうか。こちらも、海外市場を意識していることが感じられます。
フランクさんの登場する「デッドライジング2:CASE WEST」〜XboxLIVEで配信
そして、三つめは海外スタジオ製作のデッドライジング2。
このソフトに関して、すでにプロローグ的位置づけのCASE 0というソフトがXbox LIVEで配信されていますが、今度はエピローグ的ソフトの配信も発表されました。
【動画、コメント追加】『デッドライジング2:CASE WEST』がXbox LIVEで配信決定!【CAPCPM × TGS 2010】 - ファミ通.com
デッドライジング1の人気主人公、フランクさんが登場するということもあってか、プロローグストーリーのCASE 0と同様、XboxLIVEでのみの展開。ある程度MSの補助もあるのかもしれませんが、日本ではPS3が圧倒的シェアを誇る中、こうした展開をするのは、前作の海外での成功など、やはり海外に目を向けた中での戦略ですね。
海外に主眼をおいた開発
上記のように、全般的に今回の稲船氏の講演では、海外を意識したタイトルが目立ちました。カプコンは日本向けにも、モンハン、BASARA、逆転シリーズなどといったコアなファンを抱える人気タイトルは抱えていますが、それだけだとなかなか市場の広がりは見えず、日本ゲーム市場の減退の影響を回避できません。対応策として、日本ではゲームをさらに小規模・マニア向けにして、携帯ゲーム機など開発費の抑えられる中で発売する、というものが増えていました。コナミの小島氏が、「このままでは日本のメーカーは携帯ゲーム専門になってしまう」とインタビューで危惧していたとおりの展開ですね。
一方で、バンナムやスクエニなど大企業は、そうした小規模生産では会社の規模的に社員をまかない切れないため、海外市場に売って出ていました。ただ、文化の違いなどもあり、なかなかうまく行っていませんよね。そんな中、バイオ5やデッドライジング、ロストプラネットなどで他社よりも先行して世界市場で成果を上げていたカプコンが、その続編的な展開でいかに継続して成果を出し続けられるか。ロスプラ2がいまいちな売上となっていることもあり、これらの作品の売上はかなり厳しい目で評価されるでしょうね。
ただ、世界市場に打って出て成功を収めないことには、あとはリストラで社員の数を絞り込み、低コスト開発のマニア向けソフトを日本で売るという流れになり、会社的には成長は望めないでしょう。任天堂がカジュアル層を取り込み、PSMoveやKinectで他の陣営もこの層の獲得を狙っていますが、Wiiでの例を見る限りこの層の興味は流動的で、一局に流されやすい印象があり、サードではなかなか太刀打ち出来ていない状態。日本のゲーム業界の発展のためにも、海外HD路線でも、ぜひ成功の道筋を作っていって欲しいですね。