Xbox 360 Media Briefing 2010が開催〜FFXIIIやKinectの国内発売が発表

世界的にはHDゲーム機として確固たる地位を築きながら、日本ではPS3に対して圧倒的劣勢にあるXbox360。ただ、その割にはシューティングやギャルゲで独自タイトルが揃い、XBLAでコアなゲームが出たり、先行発売ソフトがあったりと、ソフト的には未だいろいろ充実していたりする、不思議なハードだったりします。

そんなXbox360について、この年末商戦に向けたいろいろなソフト、サービスの展開についての発表会が開催されました。

マイクロソフト、年末商戦に向け Kinect™ の国内展開およびXbox 360® の強力なタイトル ラインアップを発表- プレスリリース

以下、ファミ通のテキスト実況レポート。

Xbox 360 Media Briefing 2010実況リポート - ファミ通.com

以下のサイトは英語でのテキスト実況ですが、実際の発表会の写真をいろいろ見ることもできます。

Xbox 360 Media Briefing 2010 Live Blog (andriasang.com, 09.08.2010)

Xbox360FFXIII 12/16発売〜英語音声・日本語字幕

まず、ソフトとして話題性が一応大きいと思われるのはXbox360FFXIIIの発売でしょうか。海外ではそもそもPS3版と同発のマルチソフトでしたので、日本での発売も十分可能だったわけですが、PS3版が昨年末に発売し、それ以降もPS3独占の状態がつづいていました。今回、Xbox360で発売されるFFXIIIは基本的に海外で発売されたものそのまま。音声も英語で、日本語字幕が追加された形になっています。バトルにイージーモードが追加されたり、バトルのバランス調整、エンディング後の話が書かれたおまけ冊子が付くなど、よく見る完全版商法ですね。他機種発売から1年、ということで、結局FFXIIIXbox360でよくあった時限付き独占、SO4の逆バージョンという感じでしょうか。ただ、少なくともあれだけ国内PS3独占を強調してきたスクエニ関係者の人は、

ファイナルファンタジーXIII - PS3

ファイナルファンタジーXIII - PS3

さすがに、日本ではPS3版が200万本近く売れており、評価がいまいちだったこともあり、中古がかなりだぶつきをみせているため、Xbox360版は値段設定をPS3版9240円の約半額、4980円にしてあります。そもそも発売の段階でアルティメットヒッツスクエニのベスト版扱いのようですね。プリレンダ映像などは360版の方が画質も劣るわけで、この価格でもどの程度売れるものか、興味はあります。

Call of Duty Black OpsDLC、2012年末までXbox360先行配信〜Mass Effect2日本版も

その他の要素としては、日本でも人気のあるFPSCall of Dutyシリーズの最新作、Black Ops

毎度のようにPS3とのマルチですが、差別化要素としてDLCXbox360版が2012年末まで先行発売するようです。Fallout3とかと似たような感じですかね。ちなみに、今作はまず日本語字幕英語音声のものが発売、その後日本語音声版が発売するようです。もともと字幕の方がこの手の洋ゲーは雰囲気が出るため、あとから日本語音声版を出してどの程度売れるんですかね。

その他、海外でPS3版の発売もアナウンスされたMass Effect2。膨大なテキストのためローカライズが大変な作品ですが、2の発売も決定したようです。日本では発売元がマイクロソフトのまま。前作からのデータ引継ぎもあるようです。マイクロソフト販売となると、PS3版をわざわざEAの代理発売スクエニがやるということはなさそうな感じですね。それ以外では、Gears of War3が今回は日本も含め全世界同時発売とのこと。2では暴力表現などの関係で日本はかなり遅れてしまっただけに、ファンにはうれしいところかもしれません。

Kinectも正式発表〜11月20日発売、単体14800円

また、MSが非常に力を入れている新デバイスKinectについても、日本での展開が正式に発表されました。発売は11月20日で、アメリカの11月4日からは約2週遅れ。年末商戦ちょっと前あたりですかね。値段は、単体は14800円。Xbox360 4GB版と同梱で29800円、250GB版と同梱で39800円。海外では単体$149、4GB同梱版で$299で、ほぼ1ドル100円換算ですね。今の円高状況を受けるとちょっと割高な感じもしますが、価格の付け方としては分かりやすいところではあります。最初から250GB同梱版がラインナップされているのもいいですね。

ゲームとしては、20種以上のゲームが入っている「Kinnectアドベンチャー!」が同梱。ロンチで6タイトル、年末年始でさらに4タイトルが予定されています。ロンチにはソニックコナミ製で前評判の高いDANCE REVOLUTIONも含まれています。自分もE3で映像や女性が体験プレイしているのを見ましたが、なかなかヨサゲなソフトでしたね。

映像配信サービス「ZUNEビデオ」も開始〜Kinect操作にも対応

その他では、日本では長らく展開されていなかった動画配信サービスもようやく提供されるようになるようです。配信元にはバンナム、ユニバーサル、パラマウントが参加し、映画やアニメがいろいろ配信される模様。HD映像のストリーミング再生、回線が遅い時はダウンロード再生にも対応するようです。また、独自要素としてはKinectによる操作にも対応。リビングでリモコンなしに映画を視聴とか、ちょっと近未来っぽい感じにはなるかもしれません。

まとめ〜多様性のある発表

以上、ざっと発表内容を見てきましたが、日本で惨敗がつづいているハードとは思えない、なかなか多様性に飛んだ発表内容でしたね。一時期のXbox360の国内での発表は、PS系のタイトルをいかに持ってきたか、といったことに注力していた感がありましたが、今回はKinectを中心として、動画配信や洋ゲータイトルなど、360ならではの内容になっていたように思います。これらを魅力的に感じるかどうかは、日本においては微妙なところもあるのですが、単に和ゲーを並べるだけの発表よりはおもしろかったのでは、と思います。相対的に和ゲーの存在感低下、洋ゲーのポピュラー化が進んできた印象もあります。

この展開でも、正直どの程度巻き返せるかどうかは不明。厳しいビジネスは続くでしょう。ただ、ユーザーからしてみれば、ソフト、サービスが多数提供されますし、和ゲーしか興味ない人以外は結構満足行く展開になる気もします。和ゲー重視な人はすでにPS3買っているでしょうしね。FFXIIIの時間差独占とかこの手のものはうんざりですが、今後も日本で継続的にソフト・サービスの提供を続けていって欲しいものです。