Apple、新商品発表会を開催〜新iPod Touch,Shuffle,NanoおよびAppleTVを披露

現地9/1 10amに開催された、Appleの新商品説明会。毎年この時期の発表はiPod関連が中心ということで、今回もそこに大きなフォーカスが当てられた発表となりました。

発表の様子は、今回はいつも発表会後の公開となっていた動画をライブで配信。

Apple - Apple Events - Apple Special Event September 2010

Appleが提供するHTTP Live Streamingを使用するため、MacOSXでは10.6のSnow Leopard以上、もしくはiPhoneiPadといったiOS3以上が視聴に必要となります。Leopardですらダメというのはなかなか厳しい。自分はiPadで視聴しました。途中、映像が途切れがちになったり、最後は完全に止まってしまったりもしましたが、全体を通しては概ね快適に視聴できたと思います。

今回の発表会では、基本的にはこれまでの製品の新バージョンが発表されました。iPod ShuffleiPod NanoiPod Touch、そしてAppleTVですね。ソフト面では、バグ修正およびGame Centerが搭載されたiOS4.1が来週リリース、そしてiPadも対応するiOS4.2が11月リリースということが明らかになっています。また、iTunesが新アイコンに変更、PingというSNSサービスも発表されています。以下、簡単に各々について触れていきたいと思います。

一新されたiPod群〜正方形なShuffle&Nano、さらに薄くなったTouch

アップル、操作ボタン復活の第4世代「iPod shuffle」 -AV Watch

iPod shuffleは、第2世代のボタンデザインと、第3世代のボタンレス・音声操作デザインの間の子という形。より小型軽量になり、正方形でキュートな外見でボタンも音声操作も可能なデザインになっています。

アップル、小型化&マルチタッチ液晶の第6世代iPod nano -AV Watch

iPod Nanoが、今回一番目新しい商品でしょうか。クリックパッドがなくなり、マルチタッチ操作に。アイコンもiOS風で、操作もスワイプなどを備え、iPhoneなどに馴染んでいる人には分かりやすい形。二本指で画面を回転できるところなんかは面白いですね。外見のデザインはShuffleとあわせて正方形で、立ち位置的には画面付きのShuffleみたいな感じです。動画撮影機能や再生機能も省かれてしまいましたしね。時計を表示させ、リストバンドを付ければ腕時計のようにもなります。Bluetoothが付いてないのがちょっと残念ですね。腕時計的に装着し、Bluetoothでワイヤレスに音楽が聴ければよかったんですけど。

アップル、720pカメラや高精細液晶の新iPod touch -AV Watch

iPod Touchについては、基本的にはiPhone4の電話なし廉価版、という形。デザインはiPhone4の新デザインを踏襲せず、従来デザインの延長で、さらに薄くなったようになっています。高解像度のRatina DisplayやA4プロセッサという基本部分は踏襲、カメラも背面、前面に搭載し、HD動画撮影やFaceTimeもサポートしてます。ただ、液晶もカメラも若干iPhone4よりはスペックが落ちる模様。ただ、できることは基本同じになるので、ドコモのモバイルルーター経由で使う、ということならiPhone4よりiPod Touchの方がリーズナブルな感じもします。

小型でストリーム特化なAppleTV〜日本での展開は未定

米Apple、99ドルのストリーミングビデオ端末「Apple TV」 -AV Watch

今回の「One more thing..」で登場したのが新AppleTV。本体が大幅に小型化し、ストレージなし、ストリーミング特化の仕様に。その分、値段は$99と非常に安くなっています。機能的にはよくあるセットトップボックなのですが、11nの無線がこの値段で標準搭載、HDにも対応しているというのは、なかなかコストパフォーマンス高そうです。あと、iPadiPhoneの動画を、AirPlayという機能を通じて直接無線経由でTVに再生できる機能もあり、これが個人的には結構インパクトありました。iPhoneで撮った映像を、ぱっとTVに表示というのがワイヤレスでできるというのは、結構いいかもしれません。

その他、NetflixYouTubeにも対応。このあたりは、現行のWiiPS3などでも対応しているところですね。AppleTVはリモコン操作ですが、見た目がiOSなどと親和性が高く見える分、Wiiリモコンみたいなより直感的なデバイスで操作したほうが似合いそうな印象ももちました。

HD映画のレンタルが$4.99、テレビ番組が$2.99ということで、これも比較的妥当な価格帯。ただ、この手の映像配信サービスは、日本ではあまりアップルが入り込めていませんからね。その関係もあって、AppleTVの発売は現状日本では未定の模様。$99でこれだけの機能なら、別に動画配信サービスなしでも悪くなさ気なんですけど。できれば、Appにも対応し、AirVideoなんかが提供されるとさらに便利そうなんですけどね。

CDアイコンが無くなったiTunes10〜アーティストのSNS

ソフト、サービス面で一番大きく変わったのがiTunes10。

アップル、SNS機能やAirPlay機能を追加した「iTunes 10」 -AV Watch

まず、これまで伝統のあったiTunesのアイコンが変わってしまいました。CDからの脱却、ということを印象付ける意味合いもあるんでしょうが、さすがにちょっと違和感もありますね。iOSiTunesアイコンとも違う新デザインとなっています。

その他の大きな要素としては、PingというSNSサービスの導入。雰囲気的にはFacebookによく似ており、Followなどの部分はTwitterっぽいですね。アーティストの気に入りのアルバムや、発言などを参照でき、Followも可能。それを通じてリンクを飛んでアルバムを聞いたり、プレイリストを使ったり、共有したり、そうしたサービスが行われる模様。特に新規性は無い感じはしますが、iTMSが現状世界最大のオンライン音楽ストアとなっていることを考えると、アーティストからの情報発信の場としては、結構影響力が出てきそうです。むしろ、アーティストのマーケティングの側面での利用が最初は積極的に行われるんじゃないでしょうかね。

まとめ

以上、ざっと触れてみましたが、基本的にどれも予測された範囲内ではあり、既存製品の新ラインナップという形なのでそれほどのサプライズ感はありません。iPhoneiPadで音楽も映像も満足している身からすると、特別惹かれる商品もない感じです。AppleTVは、WindowsPCとどの程度親和性があるかどうか。また、そもそも日本で発売されるかどうか、というあたりですかね。Ratina対応のゲームやアプリが今後沢山出てくる、ということなら、iPod Touchも面白いかもしれませんが、来年の6月に出るであろうiPhone5まで待ってもいい気もします。

とはいえ、iPhoneユーザーでなく、従来iPodで音楽を楽しんでいた人にとっては、とくにNanoなんかはビジュアル的にも可愛く、魅力的な感じもします。iPhoneユーザーが増えた分、単体音楽プレーヤーとしては最近Walkmanなどにも押されてきていたりしますし、こうした競争には効果があるかもしれませんね。