Microsoft、Windows Phone7向けのXbox Liveの詳細を発表〜ロンチタイトルも

日本では以前より携帯でのカジュアルなゲームが大きな広がりを見せていましたが、機種ごとやキャリアごとの差が激しく、共通したプラットホームがないというのが、ひとつ普遍性を損なう要因ともなっていました。一方で、最近ではiPhoneのAppStore、Androidマーケットなど、スマートフォンが世界的にヒットする中、ゲームにおいても機種間のばらつきがだいぶ抑えられるようになり、ゲームプラットホームとして大きな存在感を占めるようになっていました。

そうした中、スマートフォンの分野ではある意味老舗ながら、逆にPocketPCの頃の古い流れが捨てられず、現在のスマートフォン隆盛の流れに取り残された感があるのがMicrosoft。先日は、コミュニケーションに特化した独自端末KINがおおごけしたのも記憶に新しいところです。そんなMicrosoftが、エンターテイメント方面に仕様を一新して挑むWindows Phone 7。そのWP7のひとつの武器としてMSが打ち出しているのが、XboxLiveです。

Windows Phone 7のロンチに向けてXboxLive詳細発表

そのXboxLiveのWP7ロンチに向けたタイトルラインナップや詳細が明らかになったようです。

Xbox Live launch titles for Windows Phone 7 finally revealed, we've got the full preview -- Engadget

上記のEngadetのページで、いろいろWP7上でのXboxLiveのデモが公開されていますね。ゲームに付いてはマルチタッチに対応し、iPhoneですでにおなじみの形でゲームがプレイで来ています。メニュー画面にはXbox360の方のアバターもそのまま3Dで表示できる形。ゲーム機の中ではもっとも優れたネットコミュニケーション&対戦環境を整えているだけに、その交流環境を持ち込めるというのはひとつの武器になるかもしれません。傾きセンサーにアバターが対応したりもしていますね。また、XboxLiveの大きな特徴である実績も対応しているようです。

ゲームタイトルとしては、記事後半のShow Press Releaseを見ると多数のタイトルを見ることができます。ただ、よく知らない、わからないタイトルも多いですね。有名なタイトルを冠したものとしては、Halo Waypoint、Castlevania、Crackdown 2(ライオットアクト)、Guitar Hero 5ぐらいでしょうか。おそらく、すでにiPhone向けに提供されているアプリの移植なども入ってきているようにも思います。

スマートフォンのソフト市場に食い込めるか?

以上、発表内容をざっと見てみましたが、基本的にはすでにあるiPhoneAndroidのマルチタッチアプリ市場+XboxLiveという印象。そのXboxLiveに準ずる機能も、すでにApple側にGameCenterという形で模倣されているため、大きな違いはアバターXbox360の方との連携ぐらいでしょうか?すでに巨大なコミュニティが出来上がっている据え置き版のXboxLiveの環境は確かに強力ではあるのですが、問題はスマートフォン市場の方ですよね。

そもそも、複数人とのコミュニケーションやゲーム対戦などを楽しむには、お互いがWP7の電話を持っている必要があります。これがいかにも厳しい。エンターテイメント系のスマートフォン市場で、iPhoneが圧倒的な存在感を誇り、その対抗勢力としてはAndroidがぐんぐん対応端末、ユーザーを増やしています。WP7はUIなどの仕切りなおしをする分、WP6.5までの資産もあまり流用できないところがあるでしょう。こうなると、本体普及率という点で圧倒的に劣ることは否めません。

MSとしては、Xbox360での有力なゲームのスピンオフを独占提供、その他ゲームでも据え置きゲームと手軽に連携できるなどの要素を用意する必要はあるでしょう。ただ、それをやったからと言ってあまりうまくいかないことは、過去にもゲームキューブGBAの例などで明らかになっています。巨大化していくスマートフォンのゲーム市場において、WP7はなんとかAndroidとの2番手争いができるかどうか、その辺りがまず鍵になってきそうな気がします。あとは、WP7そのものについて、いかに魅力的な端末を揃えることができるか、でしょうね。

一方で、ソフトメーカーとしては、スマートフォンがどの陣営もある程度リッチな3D機能を積み、マルチタッチや傾きセンサーといった部分で共通性が出てきました。ソフトのマルチプラットホーム展開とかはしやすくなったでしょうね。携帯ゲーム機が普及したのは、固定のスペックで多数のタイトルが提供される、ということがひとつの大きなポイントだっただけに、スマートフォンでも性能の差は多少あれど仕様の共通性が非常に高まってきました。十字キー+ボタンという操作の快適性を超えるのはなかなか大変なので、完全にそれらを置き換えるのは難しいとは思いますが、いつも持ち歩き手軽に操作できる端末として、よりタッチ操作スマートフォンでのゲーム市場は広がりを見せていきそうです。