iPadのスピーカー〜一風変わったステレオ内蔵

北米では3G版も発売されたiPad。大きくずっしりくる端末ではありますが、取り扱い易いためカバンなどで気軽に持ち運べますし、特に室内において部屋をまたいで持ち運ぶことも手軽に行われます。

iPadの主な用途として、WebやPDFなどの閲覧というものがありますが、その他大きな機能としてあるのが映像視聴。その映像視聴で重要になるのが音声の再生です。iPadは、そのコンパクトな外見ながら、音量は相当なものが出ます。最大にするとちょっとうるさいぐらい。また、持っているとその音響が手に響いてくる感じもします。

これについて、日経のITproのページにあった分解記事で、面白い考察がされていました。

[iPad分解その7]どーしても気になるスピーカー,そこには意外な秘密が - 「iPad」を分解!:ITpro

ステレオスピーカー搭載〜片方は背面全体に音を放出

こちらの分解記事によると、どうやらiPadはステレオスピーカーを搭載している模様。しかし、実際にはiPadの音量の穴は本体縦向きにした際の右下に3つ集中しています。これについて、音の流れで工夫がなされているようです。

右スピーカー:3つの穴のうち右2つ
左スピーカー:3つの穴のうち左1つ、その他本体内に一つ

上記のように、音の流れが調整されています。これにより、音は右下の穴と背面全体から鳴らされる形になっています。手に伝わる振動の原因はこれだったわけですね。たしかに、音のでる穴を手でふさいでも、音が十分に聞こえてきます。

iPadの場合、かなり柔軟に本体の向きを変えて動画や音声を視聴出来ます。どの回転角度でも適切なステレオ感を出そうとすると、本当は四隅にスピーカーを搭載して、本体傾きに対応して音の出る場所を変える必要があります。ただ、これだと結構コストアップにつながりますし、本体の回転ロック機能とのバランスも難しいところもあります。その解決案として、片方の音声を背面全体からサラウンド気味に音を鳴らしてしまうという対策をしている感じ。面白い対策ですよね。

コストダウンとブランドイメージの両立

Appleの製品は、基本ブランド価値を高める高級感のある作りをしていますが、スペックや部品など、コストダウンもかなり徹底して図っているところもあります。原価を下げつつ、ブランドや付加価値で高く売る。ビジネスとして考えれば重要なことなのですが、ブランドなどは長い積み重ねが必要な分、できる会社は限られています。厳しいご時世ですが、長期的な視点で各社ブランド価値を高めていくことは重要になってくるでしょうね。