「ゴッド・オブ・ウォー コレクション」北米版インプレッション

先日のGDC2010で、SCE製独占タイトルが多数の賞を受賞したPS3

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そのPS3において、また一つSCE製の大型タイトルとして、「GOD OF WAR III」が北米で3/16に発売となりました。各地で深夜販売が結構されたり、ユーザーを招いて無料体験会もあったりと、SCEAも猛プッシュのタイトルとなっています。

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日本では、3/25にGODIIIが発売。またその1週間前の3/18には、PS2で発売されたIとIIをPS3に移植したGODコレクションが発売となります。二つを合わせたパッケージも発売されますね。

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GODコレクションについては、北米では昨年のホリデーシーズン、11/17に発売されています。今回、GODIIIプレイに備えて北米版のGODコレクションを購入し、プレイしてみました。その簡単なインプレッションを述べてみたいと思います。

BD一枚にGODのIとIIが格納。HD解像度で描画&60FPSでプレイ

このGODコレクションなのですが、基本的にはPS2版をそのままPS3でも遊べるようにしたもの、という位置づけではあるのですが、プラスアルファとしてある要素が解像度とフレームレートの向上となっています。解像度については、HD解像度(720P)での描画となっており、ジャギが軽減されるよう2xAAもかけられています。また、フレームレートも30FPSから60FPSへ向上。テクスチャも高解像度化にあわせて鮮明化が図られているようです。具体的な違いは、以下の記事で紹介されていますので御覧ください。

God of War Collection Faceoff: PS2 vs. PS3 - PlayStation 3 Feature at IGN

実際にプレイしてみると非常に綺麗で、動きも非常にスムーズ。元がPS2であると言うイメージをほとんど感じさせません。というか、あまりグラフィックに凝っていないPS3用ゲームよりも綺麗なぐらいです。PS2ソフトでも、元がしっかり作りこんであれば、解像度とFPSを上げるだけでもがらっと見た目が変わってくるな、という好例で、WiiHDなどがもし本当にあるのでしたら、ジャギがなくなるだけでも結構よさげな印象を受けました。

多彩で軽快なアクションの他、劇的な攻撃を可能にするCSアタックも

ゲーム内容としては、PS2ですでに5年前に発売されたソフトですので、ご存じの方はすでにご存知でしょう。自分は今回初プレイでしたので、参考までにその視点で簡単に感想を述べてみたいと思います。(なお、現状プレイしているのはIのみ、中盤の3章を終えたところぐらいでの感想です。)

攻撃については、基本は×ボタンで小攻撃、△ボタンで大攻撃。××△と格闘ゲームのようにつなげることでコンボが出ます。また、メインとなる武器は双剣で、さらに攻撃によって刃が伸びムチのような攻撃もできるようになっています。このため、雑魚との戦いでは多数の雑魚を射程距離の長い攻撃でまとめてなぎ倒すといった、無双的な楽しみもできます。さらにメインの武器のレベルが上がっていくことでボタンの組み合わせによる攻撃方法も多様化。L1ボタンを押しながら×など、結構覚えるのが大変ですが多数のアクションが可能となります。

一方で、もうひとつ特徴的なのが「CSアタック」と呼ばれる攻撃方法。これは、大型の敵やボス敵など、ある程度ダメージを与えた段階でボタンのマークが表示。そのボタンの表示にあわせてタイミングよくボタンを押して行くことで、敵の首をかっきったりする豪快なアクションを行うことが出来ます。たしかに、普通のプレイでは絶対出来ない様な劇的でダイナミックなプレイが出来るのですが、実際にプレイしていると結構ボタンの表示ばかりに目が言ってしまい、そのアクションをじっくり見られないところもあって、一長一短な感じはしました。

その他、ゲーム中でちょくちょく魔法が追加されて行き、雷や石化攻撃、飛び道具といったアクションも加わります。カメラはフリーアングルではありませんが、その時々でプレイしやすいところに自動的に変わってくれ、その調整もよく出来るように感じました。セーブポイントは適度に配置され、そうでなくてもゲームオーバー時には直前のきりの良いところから再開してくれるので、結構親切設計になっています。

ゲーム中は物をつかんで動かしたり、レバー操作したりと、謎解き要素もあり。ただ、GODIに関しては扉をあけるときなどR2ボタン連打といった操作があり、これがPS3コントローラだと非常に苦痛。以前紹介したことのある「アシストパッド3」などをつけてプレイした方がいいかもしれません。(それでもあのふにゃふにゃ感は残りますが。)

PS3用コントローラパッドセット『アシストパッド3(ブラック)』

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エロ&グロありの演出

演出としては、海外の規定でも17際以上推奨のゲームだけに、かなり過激。北米版をプレイしているだけに、兵士がグロテスクに殺されたり、地面に血が散乱、バラバラ死体も転がる、といった描写もあります。また、女性の裸が普通に出てくるのもちょっと驚き。日本だとZ指定でも裸は出てきませんからね。さらにミニゲームでセックスゲーム(CSアタックの操作で、声だけ聞こえる)なんてのも入っており、このあたりは洋ゲー&大人向けゲームと言うところの文化の差を感じるところではあります。個人的にはFallout3で慣れていたので、特に問題はありませんでしたが。

まとめ〜良質ゲーをお買い得な価格でプレイ可能

全般的には、洋ゲーといいながらも典型的な3Dアクションになっており、PS2ゲームをプレイしていた人であればすんなりプレイできると思います。一部過激な演出があるところもありますが、自分がプレイしたのは北米版で、日本版ではPS2の段階から修正が入っていたようですので、あまりに過激なところは抑えられているとも思います。

ゲームが2本、さらにBDでの映像特典も入って海外では$30。日本では定価は5000円ですが、実売は4000円ぐらいでしょうか。それでも、未プレイの人であればお得感の高いパッケージだと思います。日本ではそれほど知名度の高くないGODですが、PS用のSCEソフトとしては世界的タイトルで、実際プレイしてみてもその面白さは十分感じられます。

世界市場の拡大に対して日本市場は相対的に小さくなり、今後ますます洋ゲーは増えてくるでしょう。また、日本メーカーも海外を意識した洋ゲー風ゲームも出てくると思います。GDCを見ていても海外のゲーム開発レベル、革新性は高まっており、「洋ゲー」というだけで食わず嫌いをしていると、せっかくの面白いタイトルを見逃してしまうこともあるでしょう。今後洋ゲーをプレイする際の取っ掛かりの一つとして、このGODコレクションあたりは悪くないかな、とも思います。