任天堂・岩田社長、年初インタビューでWiiの情勢を語る

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。

年明けで今週から仕事始めのところも多い中、年初の挨拶やコメントを出している会社もいろいろあります。そんな中、ロイターで任天堂岩田社長のインタビューが掲載されていますね。

再送:インタビュー: 年末商戦で「Wii」の勢い戻る、市場の見方は変わるだろう=任天堂社長 | マネーニュース | Reuters

特に、昨年失速したと盛んに言われていたWiiに関する内容が多くを占めています。失速状況については、昨年の市場規模調査の結果が如実に語っていますしね。

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Wiiが3割減になったことが大きく影響。PS3が7割増なものの、値下げもあって市場売上という意味ではWiiの落ち込みの方が大きかったようです。

今回の岩田社長のインタビューでは、12月のWiiの売上を特に強調されていますね。12月度の売上としては、Wii本体の売上が日本では過去3年間で最高、海外でも好調な売上となっているようです。要因としては、ソフトと値下げを上げています。値下げ自体は、実施直後はそれほど大きな動きはなかったのですが、年末のホリデー、クリスマス商戦で一気に値下げ効果が効いてきた感じですね。

New スーパーマリオブラザーズ Wii (通常版)

New スーパーマリオブラザーズ Wii (通常版)

また、NewマリオWiiが想像以上の爆発で、昨年だけで約250万本を国内で発売出来ているのも大きい感じがします。PS3の最大のキラーソフトである、FF13を喰うぐらいの勢いでしたからね。(話題的にはいい意味でも悪い意味でもFF13の方が上だったと思いますが。)

自信のコメントの背景は?

インタビューの中で、しきりに「Wiiの勢いが戻った」ということを強調されています。その発言の背景はいったいどういったところにあるのでしょうか。発言内では昨年度との比較を例に上げていますが、それだけではちょっと弱い印象も受けます。「売れているものは周りに勧めやすい。勢いが落ちると勧めにくく、挽回が苦しい」と言ったコメントをしているので、そうした「勢い」が非常に重要だと言うことなんでしょうかね。

ライト層のとりこみ、複数人でのプレーやコミュニケーションを売りにしているのがここ数年の任天堂。販売戦略的にも多数のCMを売ってアピールし、各々のソフトは丁寧に作り、口コミ効果も含めて定番ソフトを長期間売っていくことが多いです。その反面、飽きが来たり勢いが落ちてくると一気に波が引いていくところもありますし、一人向けの従来ゲームや新作が定番ソフトに埋もれてあまり売れないといった面も持っています。

12月は例年任天堂は強いですが、その反動で1〜3月は毎年ソフト不足に苦しむ時期でもあります。実際、現状を見ても1〜3月でめぼしい新作ソフトのラインナップは見当たりません。その中でのこの岩田社長の強気な発言は、自信の表れなのか、強がりなのか。はたまた、大きなネタの仕込みがあるのか。任天堂の目論見としては、1〜3月はNewマリオ、WiiFitPlus、WiiSportsResortなどの定番ソフトでなんとか流れを維持し、来年度は次の材料で再加速をねらうというところなんでしょうかね。

自分的には、Newマリオで生まれた流れ、口コミと言うのがいまいちつかみきれていないところもあります。WiiSportsやWiiFitと違って、ギミックで売っているところは少ないですしね。NewマリオDSの時のように、うまいことマリオユーザーが従来ゲームにも流れてくれると面白いのですけど。据え置きは、「テレビをプレイ時占有してしまう」というのが、従来ゲームだとネックになってきますよね。Wiiはリビングにおかれている率が高いだけに特に。

果たして、新作ソフトが乏しい中でも第4四半期をうまく乗りきれるものかどうか。事態の推移に注目してみたいと思います。