クリスマス週の週間ゲームソフトランキング

いよいよ世間は年末。先週はゲーム業界的には一番の山場であるクリスマス前後を挟む時期だったわけですが、そのランキング速報がファミ通から公開されています。

週間ゲームソフト販売ランキング【速報版】 (2009年12月21日〜12月27日) - ファミ通.com

速報版なので具体的本数は出ていませんが、今年の年末商戦もやはり任天堂ハードの強さ健在という結果になりましたね。

New スーパーマリオブラザーズ Wii (通常版) トモダチコレクション

TOP3を任天堂が占めているのですが、1位がNewマリオというのがまずその根強さを感じますが、3位のトモコレの方もすさまじいですね。今年の続編でない新規タイトルNo.1はトモコレで決まりでしょうね。雰囲気としては、どうぶつの森のような勢いを感じるところです。

ゼルダの伝説 大地の汽笛(特典無し) ファイナルファンタジーXIII - PS3

ゼルダは、日本では結構固定ファン向けという印象があったので、クリスマス週で2位というのは個人的には予想外でしたね。初動率が高いとはいえFFXIIIを抑えるとは思いませんでした。FFXIIIが年内200万本達成なるかどうかは、具体的な販売本数次第というところでしょうか。FFXIIIは評判が賛否両論なのと、中古や店頭在庫数で徐々に膨らみ傾向があるので、2週目、3週目の売上はかなり重要になってくるでしょう。

レイトン教授と魔神の笛(特典無し) イナズマイレブン2~脅威の侵略者~ ブリザード イナズマイレブン2~脅威の侵略者~ ファイア 太鼓の達人Wii ドドーンと2代目! (専用太鼓コントローラ「太鼓とバチ」同梱)

その他、Wiiでは太鼓の達人2、DSではレベルファイブの2本がサードソフトとしてランクイン。特に、レベルファイブの躍進が印象的ですね。「任天堂ハードで売ること」が今一番うまくできているサードのような気がします。なまじPS時代の根強いファンを多数抱えていなかったからこそ、逆に新しい流れを上手く作り上げられた感じです。任天堂ハードでは続編だからと言って安易に売れたりはしない傾向にありますが、レイトンなどは強固たるブランドとなった形で、会社としても収益が読みやすくいい傾向でしょう。

親が選択しやすいハードが強いクリスマス商戦 〜 客層選択の難しさ

自分が思うに、クリスマス週の売上は、子供へのプレゼント需要が高い分、「親に選ばれるかどうか」が重要になってくるように思います。そういった意味で、任天堂のハードは家族をターゲットにしたソフト、マーケティングをしている分、毎年この時期の強さにつながっているのでしょう。特に、今の親の世代はファミコン世代なところもおおいでしょうから、親には懐かしさ、子供には親しみやすさ、というあたりでうまく攻められているところがあると思います。

あとは、その中間層でしょうね。中学から大学、独身社会人あたりはゲーム依存率が高いコアな傾向があり、このあたりの固定客をつけるとある程度安定した販売が見込みづらいですから。家族ゲームの場合だと、どうしてもパーティゲーム的なもの、宣伝等で話題になっている流行りもの、というものに飛びつく分、継続的にゲームを貪欲にもとめるということもそれほどなく、また、単純に続編を出しても「同じようなソフトは2つ要らない」ということになることもしばしばあります。メーカーは、常に新しいネタを盛り込み、大量の宣伝を使ってアピールしていく必要がある分、大変なところはあるでしょうね。

年末商戦は任天堂陣営が強さを見せましたが、やはり目新しさなどの点で求心力が落ちてきていること、またハードスペック的にコアなゲームだとPS3などに見劣りすることは、以前課題ではあるでしょう。一方で、PS3などもやはりPS2時代に比べると客層はより狭まっており、海外も見据えないとなかなか大きな成功は望めません。ただ、日本と海外とでは嗜好が違うこともメーカーの悩みのタネでしょうね。現状では、とにかく適材適所でソフトの内容、ハードの選択、宣伝の仕方などを柔軟にやっていくしか無い、というところでしょうか。

一時期のバブル的な盛り上がりが落ち着き、やや停滞気味に見えるゲーム業界。来年、何か新しい動きがあると面白いのですけどね。