T-Mobile「Sidekick」ユーザーデータ全消失〜MS子会社のトラブルが原因か

最近は、iPhoneばかりいろいろいじっているのですが、その中でいろいろ凝っていたのがPCとiPhoneとのデータの同期、データの一元管理というところ。現在、Googleのサービスを中心にネットにデータを置くことでいろいろ試行錯誤していたところだったのですが、そんな中で衝撃的なニュースが飛び込んできました。

米T-Mobile、スマートフォン「Sidekick」の全ユーザーデータ消失 -INTERNET Watch
ネット史上最大の惨事のひとつ発生―Microsoft Danger、T-MobileのスマートフォンSidekickのユーザーデータのすべてを失う

米T-Mobileの販売するSideskickというスマートフォンで、サーバーで管理していたユーザーデータがトラブルにより消失した、というものです。しかも、このSidekick端末は最先端のスマートフォンと言うことで、データをサーバー管理するモデルだった、というのがまた事態を深刻にしているようです。

データ完全消失の可能性も〜対象者には$100を支払

その後、一応多少のデータ復元は可能かもしれない、という状況にはなってきているようですが、それでもデータ完全消失の可能性もあるとのこと。そのユーザーには、$100のキャッシュバックが行われるというアナウンスもされています。

asahi.com（朝日新聞社）：(CNET Japan) 「Sidekick」ユーザーデータ消失問題で進展--T-Mobile、データ回復の可能性を示唆

ただ、データには消失してしまうと取り返しのつかないものもあります。$100という金額ではとても見返りにならない、というユーザーもいるのではないのでしょうか。仕事で使っていたとすると、それこそ人生をつぶしかねない事態も無いとは言い切れません。

ネットサービスの危険を思い知らされる事件

思えば、現状自分も数多くのネットサービスを使っています。たとえばこのはてなダイアリーもそう。他にもはてなアンテナ、ブックマークなどを使っていますし、Fotolifeも画像アップの際に利用しています。たとえば、はてなのサーバーデータが飛んだことを考えるとゾッとしますね。取れる物は、エクスポートで個人的なバックアップを取っておいた方がいいんでしょうね。

また、自分が最近進めていたGoogleでのデータ一括管理についても、こうした事態が実際に起こってしまったのを見ると、いくらGoogleとは言え100%安全、とは言い切れないように感じてしまいます。メールなどは比較的メーラーの設定などでローカルに保存できるものも多いですし、出来る限りローカルにもデータが残るよう、散らして管理することを心がけた方がいいかもしれません。（最も、こうしたトラブルが一方で起こると、同期の際にトラブル側に合わされ、両方一気に駄目になる、と言うことがあるのが怖いところですけど。今回も、事態が収拾するまで同期しないよう、アナウンスされているようですし。）

ともかく、データというものは、人間が時間を費やした結果の詰まった大切なもの。デジタル化され、大量の情報を容易に蓄えられるようになった分、それを安全に保持していくというのは、個人でも企業でもなかなか難しい課題になってきている感じですね。

ゲーム業界も人ごとではない？

また、今回の件はネットワーク化の進むゲーム業界も人ごとでは無いでしょう。今回やらかしたのはMicrosoft子会社なわけですが、MSと言えばXbox360で最も充実したネットサービスを提供しているところ。XboxLiveで、多数のユーザーデータをネットで管理し、実績などもネット経由で管理されています。いわば、ユーザーの費やした時間、記憶がMSサーバーに蓄えられているわけですが、これがもし消失したらと考えると、こちらもゾッとします。

もちろん、こうした大規模サービスのデータバックアップは何重もの安全性を確保するのが普通なのでしょうけれど、実際に今回事件が起こってしまいましたからね。

また、規模が小さい物で言えば、以前GT5のランキングやリプレイが消失する、という事態もありました。

データバックアップ時の手違いが原因、というのがこのときの原因でしたが、今回のエラーも同様のものではないかと言われています。データ漏洩がソーシャルハッキングが主流になってきているのと同様、人がミスを犯してしまうと、強固なシステムを構築していても中から壊されてしまうことがありますからね。

史上最大規模の障害を繰り返したMS〜信頼回復なるか

今回の事件の渦中にあるMSは、Xbox360でハードウェア的に史上最大規模の不具合をやらかしていました。

Xbox360に史上最大規模の不具合〜問われるMSの品質軽視 - わぱのつれづれ日記

今回は子会社とは言えクラウドコンピューティングでの最大規模の災害を起こしてしまった形となります。信頼低下は免れないところでしょう。

GoogleやApple、Sonyと言ったライバルがひしめく中、こうした信頼を落とす事件を続けると、いくらWindowsを持つMSとは言え、会社的にも取り返しのつかないことになってもおかしくない気がしますね。MSのサービスは、好んで使っている人もいますし、仕事などの関係上使わざるを得ない人も多数います。利用者が安心して使えるよう、信頼回復の取り組みを積極的に行って頂きたいものです。