米国でXbox360 Eliteが$299.99に値下げ〜HDMIケーブルは無し

少し取り上げるのが遅れてしまいましたが、薄型PS3でHDD増量かつ薄型になったのを受けて、米MSがXbox360 Eliteの値下げを行いました。

Xbox 360値下げ Eliteが300ドル、通常版が250ドルに - ITmedia News

8/28からの実施なので、既にこの値段で売られている感じですね。現行のPS3 80GBも新型発表の影響で299ドルで売られているので、店頭でも同じ値段でPS3Xbox360が売られている形です。

ただ、個人的には結構この値下げの仕方には微妙な印象があります。

HDMIケーブル無し&コンポジットケーブルに変更

まず、HDMIケーブルを同梱しないだけではなく、アナログケーブルの方もコンポジットにしてしまったこと。いわば、PS3が昔からやっていたこととあわせた形ではあるのですが、HDゲーム機なのにデフォルトでHD画質を味わうケーブルが入っていない、というのはどうなのだろうと思います。AVケーブルって、詳しくない人はほとんど付属のケーブルしか使わないんですよね。そうなると、これまでよりも明らかにXbox360Eliteをコンポジットで接続してしまう人は増えてしまうでしょう。

解像度が落ちてもなめらかさや光の表現などはWiiなどに比べたら段違いではあるのですが、「ケーブル変えたら段違いによくなるのに!」という状況が増えるのは、AVオタ的にはちょっと歯がゆいところです。(まあ、D端子ケーブルとHDMIケーブルを同梱というのは確かにかぶっていますし、割高なのは確かですけど。人によってはD端子ケーブルなんてもういらない、という人もいるでしょうし。)

通常版を廃止、Eliteを通常版へ

また、もう一点気になるのが「通常版を廃止し、Eliteを残す」という施策。こちらも、これまで通常版が60GBでケーブルがD端子、値段はEliteより100ドル安かった影響で、Eliteの存在価値が薄れていたのは確かですが、通常版のHDD容量増加でなく、Eliteの通常化で来たのはちょっと意外でした。というのも、Xbox360のこれまでのラインナップからして、白色の本体が主で、黒色のEliteは特別仕様、という印象があったんですよね。今回、通常版をディスコンすることで、白色→安いモデル、黒色→通常モデルとなったわけで、黒が逆に主役になった形に。HDDが無いアーケードを主役に位置づけるのは、ネットサービスなどを拡充指定校としているMS戦略的にも変ですしね。もっとも、WiiPS3がモデルは1モデルでカラバリだけという形なのに対して、Xbox360は微妙な付属品違いでラインナップが多すぎて分かりにくかったのは確かですけどね。

間に合わせ的な対応の印象

上記のように、個人的には今回の施策は、PS3の新型&値下げに対して、MSが最小の手間で場当たり的に対応したもののように感じます。夏商戦とホリデーシーズンの谷間という時期、特に大きな目玉ソフトもない段階での新型PS3&値下げということになっただけに、こうした間に合わせ的な対応だったのでしょうか?

この後、Xbox360の方も新型を投入し、HDD無しのアーケード、HDDありのスタンダードとして整理し直すのならいいのですが、噂によると250GB搭載のSuper Eliteなんてのも出てくる可能性もあります。北米ではPS3よりも人気のあるXbox360ではありますが、今回のEliteの値下げでも同じ値段で新型PS3の方が薄く、BD再生可能、HDD同容量で静かと、比較論ではあまり魅力的ではありません。高価格モデルを付属品省いて安くしただけなので新鮮味もありません。この施策で、果たしてどの程度新型PS3の勢いを削ぐことが出来るかどうか。