戦場のヴァルキュリア2がPSPで登場

サクラ大戦のチームが中心で開発し、PS3において高い評価を受けている「戦場のヴァルキュリア」。

戦場のヴァルキュリア PLAYSTATION 3 the Best

戦場のヴァルキュリア PLAYSTATION 3 the Best

DLCを積極的に展開したり、アニメ化もされたりといろいろな展開を見せていましたが、その続編がいよいよ発表となりました。

『戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校』人気シミュレーションRPGの続編がPSPで - ファミ通.com

そのプラットホームは、PS3ではなくPSP。これには結構意表をつかれましたね。ただ、考えてみればPSPGoも控えており、GTSPやアサシンクリードといった大型タイトルもPSP版を発表、その他和ゲーとしてもメタルギアソリッドの本編はPSPぼくのなつやすみ4もPS3からPSPと、ゾクゾクとPSPへタイトルを移してきただけに、ある意味妥当な展開と言えるのかもしれません。

日本限定の市場で勝負しないといけないゲームの苦しさ

特に、日本でしか売れないようなアニメ調ゲームについては、市場規模的にも開発コスト的にも、PSPというのはいいプラットホームになってきていると思います。PS3などでも、PS2の延長ぐらいのグラフィックならそれなりのコストで出来るかもしれませんが、PS2PSPよりもユーザが少ない割には開発コストが下がるわけでもありません。ようするに、うまみが少ないんですよね。JRPGなどがスクエニクラスのソフトでも海外で通用しないことが分かってしまった以上、アニメ調和製ゲームは日本という特殊な狭い市場でなんとか生きていくしかありません。HDゲームで大金を投じるのであれば、やはり世界で通じるゲームにしたいですからね。

和ゲー好きでHDゲーム機でハイクオリティのアニメ調ゲームをやりたかった人には残念な展開かもしれませんが、これもまた時代の流れでしょう。結局、PS2時代のゲームで、今のところゲーム性そのものを引き上げられているゲームが少ないということなんでしょう。HDにしても、確かにやってみれば違いが分かるのですが、それはまさに「違いが分かるファン」にしか通じません。PS2時代よりも厳選されたファン、悪く言えば狭い層にしかうけないわけです。他の娯楽でも、そうしたマニア向けの商売という物はあるのですが、違いの分かるファン向けには、その分ハイクオリティのものを「高価格」で提供することが主です。ただ、ゲーム業界の場合は違いの分かるファンであっても学生や若者などが中心で、相場観もかなりできあがっていることからなかなか高価格商法がとれません。アニメ調ゲームでも、なんとか限定版、おまけ戦法で客単価を上げようとしていますが、同じ事はPSPでもできますし、そっちの方がもうけがあるわけですしね。開発期間も短くすみますし。ゲーム1本1万〜2万で販売できれば、もうちょっとソフトもHDゲーム機にゲームが集まってくるかもしれませんが。

日本メーカーが伸びていくブレークスルーに期待

HDゲーム機では、今のところスムーズなオンライン対戦という光る要素がありますが、開発費が増えた分を補えるほどの客層の拡大が見込まれていません。海外市場は広がっていても、日本メーカーが苦手なFPS・現実志向グラフィックが主流ですしね。Wiiでもうちょっと新規ユーザーに従来ゲームが受ければよかったのですが、それも苦戦している状況。このままでは和ゲーを据置で勝負していくのはどんどん「おいしくない市場」になっていく可能性があります。何かブレークスルーとなるゲームが今世代でも欲しいところですね。そうでなければ、和ゲーは携帯ゲーム機、洋ゲー大作がHDゲーム機という棲み分けになってくるのかもしれません。

任天堂は、こうした状況をあらかじめ危惧していて、みずから異なる客層向けにアプローチし、そのギャンブルに成功しました。これはこれで一つのブレークスルーではありますが、サードが安易にのっかることもまた難しい市場。任天堂路線もかげりは見えてきていますが、任天堂路線がしぼんだからといって、従来ゲーム路線が延びるわけではないんですよね。従来ゲーム好きでも、あまりに代わり映えしないゲーム、続編ばかりでは飽きてしまいます。スクエニみたいに海外メーカーを買収してでも海外市場を狙うという手もありますが、どこでもできることではありません。携帯ゲーム機で従来ゲームを繰り返すのも一つではあるでしょうが、できれば積極的にチャレンジして、新しいゲームという物を見せていってほしいですね。