「428」PSP&PS3移植決定〜Wii版+αレビュー
Wiiで高い評価を集めたチュンソフト制作の実写ノベルゲーム、「428」。
- 出版社/メーカー: セガ
- 発売日: 2008/12/04
- メディア: Video Game
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実際にプレイした人の評判も非常に良好ではありましたが、ノベルゲームの宿命か、売上は爆発的ヒットとは行かない状態。そんな中、今度はこのソフトがPSPとPS3に移植されることが発表されました。
サウンドノベル最高傑作がプレイステーション3とPSPに登場 『428 〜封鎖された渋谷で〜』 - ファミ通.com
発売元は、Wii版のセガからスパイクへと変わるようです。自分もWii版の428をちょうどプレイしているところだったので、せっかくなので自分のケースを紹介しながら428について語ってみたいと思います。
チュンソフトのサウンドノベルをプレイ
自分の場合、ノベルゲームとしてはリーフの雫、痕、To Heart、TYPE-MOONの月姫やFateは好きで、いずれも全てのシナリオをクリアするまでやりこんだものです。一方で、原点であるチュンソフトのサウンドノベルは、ずっと未プレイ。弟切草やかまいたちの夜、街などが有名なのは知っていたのですが、昔はホラー・グロ系が苦手だったこともあり、手を出していなかったんですよね。街はセガサターンでの注目作でしたが、当時は実写ノベルゲーに興味がなく、スルーしていましたし。
ただ、最近になってニコマス関連でかまいたちの夜のパロがちょくちょくあり、人気があっても元ネタが分からないから楽しめない、ということがあったため、ふとした思いつきから「かまいたちの夜」PS版を中古で買ってプレイしました。
- 出版社/メーカー: チュンソフト
- 発売日: 1998/12/03
- メディア: Video Game
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初プレイはストックエンドで、その最後の方の連続殺人をゾクゾクしながらプレイ。その後、選択肢を順々に後ろにたどっていき、犯人推理などをしてハッピーエンドに行く流れなど、非常に楽しめました。それ以外のシナリオは、オカルトがあったり中途半端にギャグだったりとで、微妙なものもありましたけど。
そして、せっかく「かまいたちの夜」をクリアした、ということで今度は「街」をプレイ。最初は実写のキャラに違和感を覚え、シルエットでのプレイをしようかとも思ったのですが、実際に少しずつ進めていく内にのめり込んでいきました。最初の方は、訳も分からずゲームオーバーになる展開が多く、5人の主人公の話を切換ながら、途中のポイントポイントでザッピングをしていきストーリーを進めていくのが楽しかったですね。特に牛尾と馬部の話が好きでした。桂馬の話もいかにも本編という感じで面白かったですね。犯人は最後の方のあからさまなヒントまで分からなかったです。女たらしの飛沢のシナリオはちょっといらいら、七曜会の話は結構面白かったですが、エンディングがいまいち。作家の市川、傭兵の高峰の話はラストがちょっとアンハッピーだったのが後味がちょっと悪いところもありました。しかし、個人的には「かまいたちの夜」よりも話にバリエーションがあり、楽しめた作品でしたね。
SEGA THE BEST かまいたちの夜2 特別篇 - PSP
- 出版社/メーカー: セガ
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: Video Game
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その後、かまいたちの夜2をPSPでプレイ中ですが、これは思ったよりもつまらない…。ネットで評判があまり高くないのがわかるような感じはしました。
Wii版「428」の感想
そんな流れで、いよいよ「428」も中古で購入してプレイ。同じ渋谷が舞台と言うことで、てっきり街とほぼ同じ展開を想定して他のですが、街が5日間という長い時間で、各々の主人公のからみがそんなに密じゃないのに対して、この「428」は1日を1時間単位で区切ってのストーリー。短い期間で、複数の主人公が密接に絡み合った展開がされていきます。キーワードに対する解説の見られるTIP、さらに関連事項から別の主人公のストーリーに飛ぶことのできるザッピングのシステムは街と共通ですが、プレイ感は結構違いましたね。どっちも面白く、甲乙つけがたいところがありました。「428」のTIPや建物名、また俳優などで街との関連のあるネタがちょこちょこ入っており、思わずにやりとするところがいろいろあったのも面白かったですね。
謎要素として、タマや杖の男については結構簡単に正体が予想がついていたのですが、真犯人については結構意表をつかれて面白かったです。最終章はエンディングに向かうまでの難易度も高く、ゲーム的にも楽しめましたね。おまけシナリオの妹の話も感動しました。アニメもはじまるTYPE-MOONによるおまけカナン編については、まだ冒頭を少しプレイしただけ。やっぱりいきなり型月のアニメが始まると、若干違和感はありますね。アニメ版は、マリアのその後とかが出てくるようなので、それはそれで楽しみですが。
ちなみに、Wiiでのプレイスタイルは、まずリモコン縦持ちでのプレイしたのですが、親指を十字キーとAボタンの間で微妙にずらして操作するのが意外とつかれるため却下。リモコン横持ちも十字キーやボタンが小さくて微妙でした。結局クラブニンテンドープラチナ特典のスーファミクラコンでプレイしていましたが、これが一番しっくり来た形です。軽いのがノベルゲームには何よりいいですね。
手軽に楽しめるPSP版、HD画質で楽しめるPS3版
そして今回、PSPとPS3で登場する428。ゲームとしての面白さは保証済みですが、さすがにWii版やったばかりだと食指は動かない感じですね。ただ、予約特典のDVDはかなり魅力的ではありますが。
ノベルゲームの性質上、好きな時間プレイして、好きなときにやめられるところもあるので、特に相性がいいのはPSP版だと思います。街のPSP版も出ていることですしね。一方、PS3版も画質がHDでクリアになるというのはメリットでしょう。Wii版でも十分綺麗ではありましたが、若干ぼけた印象はしましたので。正直最初からWii、PS3、PSPの3機種で展開されていたらどれを買ったか、というと、自分の場合はPSP版な感じはします。もうちょっと待てば好かったかな、という感じですかね。Wiiならではの恩恵は、とくに感じることもなかったので。
ノベルゲームという特質上、マルチプラットホーム展開は比較的容易だとおもうので、できればユーザーに選択肢を与えるよう、同発にしてほしいところです。最近の和ゲーは、リソース不足なのか戦略がふらついているのか分かりませんが、同じソフトをちょっとずつ差分をつけて他機種に展開することが多くて、なんだかなぁと感じてしまいます。他機種からの移植では、ネタバレとかもあってどうしても新鮮度は落ちてしまいますからね。海外では同発マルチが多いので、日本でもそういった体制に早くなるといいのですが、中小メーカーでは厳しいんですかね。
とりあえず、428は面白かったので、PSP版、PS3版が売れてなんとか実写サウンドノベルゲームの流れが続いてくれるといいな、とは思いますね。