ノア三沢光晴、試合中の怪我で死去…

先ほど、ネットを見ていたら、非常にショッキングなニュースが。それは、ノアの三沢光晴が、試合中の怪我で亡くなられたということです。

スポーツナビ|三沢光晴が死亡、試合中に倒れる=ノア

最初見たときは、またいつものネタだろうと思ったのですが、ネットでニュースを見て愕然としました。きっかけはバックドロップの名手、齋藤彰俊の放ったバックドロップを受けて。リング上で気を失い、そのまま意識が戻らなかったそうです。プロレスラーの中でもピカイチの受け身技術を誇り、試合中に何度も大技を受けながらも立ち上がって勝利してきた三沢選手が、まさか試合中の技を受けて亡くなられるとは、本当に思っていませんでした。

プロレスに対しての思い出

自分は、元々学生の頃柔道をしており、その頃友人に勧められて深夜にやっていた全日本プロレスを見始めました。それまでは、幼い頃に見たワールドプロレスリングのショーみたいなプロレスしか印象しかなく、やらせばかりというありがちな偏見があったのですが、全日本プロレスの三冠戦を見てそのイメージは一変しました。新日本プロレスのような飛んだ跳ねたの派手な展開はないですが、一つ一つの技が重く、そして試合終盤は両者へろへろになりながらも大技を繰り返し、体力の限界に近づき上がるその根性に一気に惹かれていったものです。ちょうど柔道をやっていて、体力が無くなってきたときに格闘するつらさは身をもって知っていたので、特にリアルに感じたんですよね。

その当時の全日本の花と言えば、やはり四天王。三沢光晴、小橋健太、川田利明田上明。これに当時若手の秋山、外国人のホーガンハンセンやウィリアムズなども加わり、ラリアットパワーボム、そしてバックドロップと、ただの魅せ技でなく「重さ」を感じる技が飛び交って、大迫力の試合が繰り広げられていました。三冠戦は、毎回テレビの前で叫びながら見ていたものです。

ただ、ジャイアント馬場さんが亡くなられてから、いろいろゴタゴタがあり、四天王のうち川田利明が全日本に残り、三沢光晴が社長となって新団体ノアを設立。四天王好きで全日本プロレスファンの自分としてはちょっと悲しい思い出でもあります。その後、川田選手は他団体にも乗り込み名勝負を演じていましたが、全日本に武藤敬司選手が移ってからは主導権は武藤に。川田選手は今はハッスルを中心に活動されています。一方、ノアの方では小橋や秋山選手らが名勝負を演じていましたが、世間的にはK-1やPRIDEなどが盛り上がりをみせており、ある程度「お約束」の塊であるプロレスは徐々に表舞台から離れていった感じがします。自分も、プロレス自体は好きだったものの、だんだんとK-1やPRIDEの方に関心が移っていっていました。

三沢選手に対しての思い出

三沢選手についての思い出というと、まずはそのクレバーさ。がむしゃらに一本調子な技を出してくる小橋選手などを、ここぞというタイミングで裏をとって大技を決めたりしていましたね。また、受け身が大変にうまく、大技を繰り返し食らってもダメージが少ないのか、終盤でもキレのある動きを見せていました。スタミナが尋常じゃないというのも、全日本の「最後まで立っていた方が勝ち」的なプロレスでは絶大な強さを魅せていましたね。技としても隙の少なく大ダメージを与えられるエルボー、高いボディープレス、そしてタイガードライバータイガースープレックス、エメラルドフロージョンというオリジナルの大技。強さと華麗さを備えた、素晴らしいレスラーでした。

全日本時代は、自分は小橋建太川田利明のファンだったので、三沢選手は大きな壁という感じでしたね。根性むき出しで咆吼しながら向かってくる小橋、川田を、涼しい顔をしながら向かい打ち、きついエルボーをぶち込む…。そういった印象を持っています。それだけに、今回まさかプロレスの試合で亡くなられてしまう、というのは本当にショックでしたね。橋本選手が死んだときもショックでしたが、今回の方が衝撃は大きいです。

これからいろいろ厳しいことも想定

ここ数年、小橋選手がガンで長期離脱し、寂しい思いをしていましたが、まさかここに来ての三沢選手の突然の死には、まだ正直現実として受け止められていません。元々、プロレスは試合間隔の短い巡業をし、身体をこわさないためにも受け身や首の強化が非常に重要視されているのですが、迫力を出すためにどうしても投げっぱなしや危険な角度の投げ技などを多用せざるを得なくなっていました。一般人だったら一発で首を折って即死だろう、という技を、プロならではの強靱な肉体と卓越した受け身テクニックで耐えていたのがプロレスラーなんですよね。今回、ノアの社長の三沢選手が、プロレスの技により亡くなられたと言うことで、普段プロレスに興味の無い人からも、「危険なスポーツ」としてのバッシングが強くなるように思います。また、ただでさえ人気にかげりが見える中で、社長を突然失ってしまったノアも、これから厳しい展開が待っている気がします。なんとか頑張って欲しいものですね。

とにかく、今回の件は本当にショックであり、残念でなりません。心からお悔やみ申し上げます。三沢光晴選手のご冥福をお祈りします。