「テイルズオブ」シリーズ2009年度ラインナップ発表〜Wiiで新作、PS3にTOV、PSPで対戦ものも

先週、ジャンプのフラゲ記事で既に情報が出ており、いろいろと話題を集めていたテイルズオブシリーズの新展開。その公式な発表が本日行われました。

バンダイナムコ、「テイルズ オブ」2009年度ラインナップ発表会を開催 -GAME Watch

上記発表について、順に取り上げて見たいと思います。

Wiiでマザーシップの新作「テイルズオブグレイセス

まずは、テイルズオブシリーズの新作から。既に昨年の段階で次回マザーシップはWiiという発表がされていましたが、今回その具体的タイトルとキャラデザ、一部スクリーンショットなどが公開されています。

キャラデザはいのまたむつみテイルズオブシリーズ藤島康介の絵柄といのまたむつみの絵柄の2本が大きな柱になっているわけですが、今回はいのまたむつの方だったようですね。ここのところ、DSでいのまたキャラで出ていましたが、その流れを受けてWiiでも登場、という感じでしょうか?

テイルズ オブ ハーツ アニメムービーエディション(特典無し)テイルズ オブ イノセンス(特典無し)テイルズ オブ ザ テンペスト(特典無し)

Wiiでは、昨年「テイルズオブシンフォニア」の外伝的作品として、「ラタトスクの騎士」が出ています。それに続くテイルズオブシリーズ、今回はマザーシップタイトルでの新作と言うことで、ファンには注目を集めそうですね。

テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士 - Wii

テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士 - Wii

グラフィックは、WiiだけあってさすがにXbox360でプレイしたテイルズオブヴェスペリアに比べると劣る感じ。また、キャラの頭身がTOVよりもむしろ高くなっていますね。画質の劣るWiiこそ、ディフォルメキャラの方が合っている気もするのですが、かっこよさの方を面に出した形でしょうか?

ゲーム性も変化しているようで、帯刀状態と抜刀状態で戦闘スタイルが変わったり、敵の周りをまわるように移動できたりするとのこと。ただ、このあたりの戦闘システムはTOVの時も実際やってみるまでよく分からないところもあったので、そのうち体験会などでのプレイやプレイ動画を見てから、と言うところでしょうか。

発売時期は冬とのこと。おそらく年末商戦に間に合わせてくる感じになるんでしょうかね。テイルズオブシリーズ好きには注目のタイトルとなりそうです。

Xbox360版に新キャラ+イベント+ボイス追加版〜PS3テイルズオブヴェスペリア

さて、次は話題騒然のPS3TOVXbox360で昨年8月に発売され、その高い完成度に大勢のテイルズオブファンだけでなく、TOVから初めてテイルズオブシリーズに触れるXbox360ユーザーからも非常に高い評価を受けた作品です。

テイルズ オブ ヴェスペリア - Xbox360

テイルズ オブ ヴェスペリア - Xbox360

自分も発売日に買ってプレイしましたが、非常に満足度の高いタイトルでした。久しぶりに面白いRPGを遊んだ、という感じがした作品ですね。クリア後の感想については、以下のエントリで記載しています。

満足感の高い上質RPG〜「テイルズオブヴェスペリア」クリア後レビュー - わぱのつれづれ日記

さて、このTOV、発売前は機種未定、その後PS3MGS4が出るタイミングでXbox360での発売が発表、JRPGラッシュの先頭を切ってXbox360としては高い売上を記録し、その後も継続的に売れ続けてXbox360を代表するタイトルになっていたわけですが、それが今回PS3に移植されることになったわけです。その分、PS3で出ると思っていて裏切られた形となり、その後の360の攻勢を苦々しく思っていたPS3ユーザーからは、この移植をいろいろな意味で喜んで受け入れているようですね。

特に、その移植にともなう新要素が多いことにも注目されます。一つはパティという新キャラ。声優はぱにぽにベッキー役などで知られる斉藤千和。さらに、追加シーンや追加ボイスもあるということで、いわゆる「完全版」商法となっています。元々の360版の完成度が高かっただけに、360版を既に持っているユーザーでも、PS3を買ってこのTOVをプレイしたいと思う人がいるかもしれませんね。また、既に名作保証がされているだけに、まだプレイしていないPS3ユーザーも多数購入しそうで、大きな売上が見込まれます。

もっとも、個人的にはこのPS3での完全版は微妙な感情はありますけどね。360版発売の際は、開発環境が360でそろっていたということで360で勝負、という感じでの発売だったのが、どうも360版発売前からPS3での発売も決まっていたっぽいですしね。360版に新キャラのパティを匂わせる表現が入っていることからも、それがうかがえますし。結果的にはPS3での発売をしつこく聞いていたファミ通が正解だった、ということになります。

ただ、TOV自体がいい作品であることには変わりなく、PS3版が出ることでより多くのユーザーが触れられるようになるのはいいことだと思います。独占ソフトだとどうしてもソフト自体へのネガキャンが怒りやすいですが、マルチになれば作品自体への批難は減りますしね。純粋にTOVが多くのファンに喜んで受け入れられるというのは、嬉しいことだと思います。

ストーリーの幅を広げるという意味では、同時に発表された映画についても興味深いです。映画化自体は、すでにキネマ旬報で出た情報でかなり前に明らかになっていました。

テイルズオブヴェスペリアが劇場アニメ化〜2009年公開予定 - わぱのつれづれ日記

今回の「The First Strike」という副題や騎士姿のユーリを見る限りでは、TOVの始まる前のストーリーになる形ですかね。PS3TOVとの連動もうまく行きそうな感じはします。

いずれにせよ、PS3ユーザーとしては初のテイルズオブシリーズ。360版の移植で、ネタバレもあらかたされてしまっている状態ではありますが、TOVの場合はストーリー自体より途中のキャラの描写や戦闘システム、サブシナリオが楽しいゲームだと思うので、情報を知っている人でもそれなりに楽しめるのでは無いでしょうか?夏の発売と言うことで、PS3ユーザーには要注目なタイトルとなりそうです。

歴代キャラが対戦で激突〜PSPテイルズ オブ バーサス

最後は、PSPで発売される対戦型アクションゲーム「テイルズ オブ バーサス」。歴代テイルズオブシリーズのキャラが登場する格闘ゲームとなっており、通常のテイルズオブシリーズとは違う作品となっています。

ただ、PSPでは同様にオールスター的な形態で非常に好調な売れ行きを示した「テイルズオブザワールドレディアントマイソロジー2」があり、また会社は違いますが同じくオールスター格闘としてスクエニの「ディシディアファイナルファンタジー」もPSPで大ヒットを記録しています。

そうした要素を考えると、売れる要素は非常に詰まっているんですよね。中高生に人気のあるPSPだけに、こうした対戦ゲームはまたマクドナルドなどに集まってのゲーム大会などにつながるのかもしれませんね。

「DS・PSP・360・Wii」から「WiiPSPPS3」への展開

以上、ざっとタイトルに触れてきましたが、昨年がDS・PSP・360・Wiiでの展開だったのに対して、今年はWiiPSPPS3へ展開することに。毎年いかに多くテイルズを出しているかが分かりますね。濫発気味と揶揄されるのも分からないではありません。

マザーシップは360からWiiへと移行した形ですね。トップシェアながらPS時代のユーザー取り込みに苦戦しているWiiが、果たしてこのTOGでどの程度の売れ行きを見せるのか、注目されます。また、PS3TOVは後発ということがどの程度の影響となるか。トラスティベルバイオショックなど、PS3でも後発はあまり売上を伸ばせない傾向は出ていますが、今回は名作保証されている定番大作タイトルですからね。結構な伸びは期待されます。また、売れ要素をうまく絡めたPSP版も、結構な売上は期待されますね。

今年度は対象外となったDSと360ですが、どちらもゲーム開発環境としては整っていますし、一定の売上の見込める市場ですので、当然次なる企画は動き出していることでしょう。テイルズオブシリーズバンナムの主力シリーズでもありますので、今後もいろいろな展開が期待されます。

とりあえず、個人的にはTOV好きですので、今年の映画に注目したいと思います。PS3版は、元々のTOVが長いゲームだっただけに、悩ましいところ。本当は360にDLCで追加してくれる方がありがたいのですが、まあかなり追加要素もあるみたいなので、難しいでしょうね。追加要素の内容次第という感じでしょうか。