GDC2009にて任天堂岩田社長が基調講演〜Wii SDカード起動やDSゼルダ新作など
現在、米国サンフランシスコで開催されているGame Developers Conference 2009(GDC2009)。ゲーム開発者向けのイベントで、数々のディープなセッションが開催されているわけですが、そんな中で基調講演として任天堂・岩田社長が話をするということで、注目を集めていました。その基調講演が先ほど開催されました。
Joystiq live from Nintendo's GDC 2009 keynote
サプライズ、というほどの内容ではないものの、いくつか重要な発表もされていますね。以下、いくつか注目の項目について取り上げてみたいと思います。
Wiiメニュー 4.0開始〜SDカードメニューの追加、SDHCにも対応
まずは、Wiiについて。これまで内部フラッシュ512MBのみで、他のハードと比べてストレージの容量不足が指摘されていたWii。その解決手段として、SDカードとの間でよりスムーズにデータをやりとりする方法に取り組んでいると言うことは既に発表されていました。今回、これがいよいよ実装されたこと、そしてApple同様の「Today」戦略で新しいWiiメニューの配信が開始されたことが発表されています。
GDC09: Nintendo updates Wii Shop Channel with 'SD Card Channel'
ファームウェアのバージョンは4.0に更新。自分も早速本体を更新して試してみました。配信直後なだけに、非常に更新までに時間がかかりましたね。20分以上要した形です。
更新すると、トップにSDカードのアイコンが追加されています。ここから、SDカード内に保存したチャンネルに簡単にアクセスすることができます。
初めて起動したときには、上記のようなメッセージが表示(ヘルプで参照も可)。セーブデータはあらかじめWii側に置いておく必要があるようですね。ここはちょっと分かりづらいところでしょうか。まあ、基本的にセーブデータは本体側に置くようにしていれば問題ないでしょうが。
メニューからゲームを選択し、「はじめる」を選ぶと、Wii本体に同一のデータがあるときは瞬時に起動、そうでない場合は一旦データが本体メモリにコピーされてから実行されます。このとき画面には「起動しています…」と表示され、読み込みはかなり高速。直感的にはSDカードから直接起動している感覚で使用できますね。少しでも読み書きを早くするため、これを機にClass6の高速SDカードを購入しておいてもいいかもしれませんね。SDHCへの対応も発表されてますので。
Wii本体メモリを介在するため、あまり大きなサイズのゲームは起動できませんが、VCなら十分ですし、Wiiウェアについても元々そこまで大容量のゲームは現状ありません。今後も、SDメモリを持たないユーザーの事も考えると、本体メモリを越える容量のWiiウェアの配信は今後も行われないでしょうからね。SDカードはSDHCにも対応し、現状SDHCの最大容量である32GBにも対応しているようなので、とりあえず今世代のWiiとしてはストレージに関する問題はこれで完了というところでしょうか。できれば、本体メモリを介さない、SDカードからのストリーミング起動も期待したいところではありますが、SDカードの速度などがピンキリであることなどを考えても、技術的には難しい気がしますし。
バーチャルコンソールでアーケードゲームの展開〜スペースハリアーやドルアーガなども
つづいては、バーチャルコンソール。これまで過去のライバル関係を越えて数々のゲーム機のエミュレータが搭載されていましたが、今回いよいよアーケードゲームについてもバーチャルコンソールで遊ぶことが出来るようです。
GDC09: Virtual Console Arcade launches with 4 games available now
まずはドルアーガの塔やギャプラス、スターフォースなどが配信。価格は500〜600Wiiポイントと、ファミコンレベルの価格設定になっています。手頃な価格で合法的にプレイできるのはいいですね。(もっとも、アーケードゲームはスペックがピンキリなので、もう少し配信価格には今後幅が出てくるかもしれませんけど。)
WiiウェアでFF新作、VCでもFFの配信予定
つづいてはファイナルファンタジー関連。まず、WiiウェアでFFの名称を冠した新作「Darklord」なるソフトが登場するようです。
GDC09: A mess of Final Fantasy games for WiiWare and Virtual Console (that's right, Virtual Console)
スクリーンショットを見る限りでは横から見たアクションゲームのようで、キャラはFFCC系。FFとは言ってもかなり亜流な感じはしますね。
一方、FFの過去の作品(おそらくI〜VI)がバーチャルコンソールで配信されることも決定したようです。これらの作品はスクエニとしてはリメイクでまだまだ稼げるタイトルと思われ、実際にかなり出し惜しみがされていたわけですが、いよいよバーチャルコンソールで配信し始めるようですね。リメイクも遊びやすくなったりバランス調整がされていたりしていいことはいいのですが、オリジナルとの微妙な違いが気になったりもしますからね。純粋にオリジナルを遊びたいと思っていた人にとっては待望のニュースでしょう。
これらの詳細は、別途スクエニの発表の中で行われる模様です。
DSゼルダの新作「Legend of Zelda: Spirit Tracks」
そして、次はDSについて。注目のタイトルとして講演の最後で発表されたのがDSゼルダの新作、「Sprit Tracks」です。
GDC09: Train your eyes on 'The Legend of Zelda: Spirit Tracks'
なにやら列車に乗ってプレイするシーンが映されていますね。この部分はガンシューティングみたいに自動移動するなかでタッチ操作で攻撃、という感じなのでしょうか?ゼルダだけに、謎解きやギミックなどもあるでしょうから、どういったゲーム性になるのか興味深いところです。
その他、海外での「うごメモ」、「リズム天国ゴールド」の紹介もされています。つんくの顔が海外でこれだけ大勢の前で出ているのはちょっと吹きそうになりました(笑)。リズム天国はシンプルなゲーム性で日本でも大ヒットしただけに、海外でもヒットが期待されますね。
まとめ
以上、目立つニュースだけざっくりとピックアップした形です。期待されていたWiiでのサプライズタイトルや、ゲームボーイのDSiでの配信などの発表は特になかったものの、元々GDCというゲーム開発者向けイベントという性質から考えればある程度仕方ないところもあるでしょう。まだE3など別のイベントは控えていますしね。
今回の発表は、WiiウェアやSDカードメニューなど、Wiiをより手軽に楽しむことが出来る改善が提供された形で、Wiiユーザであれば誰もが恩恵に与れるもの。Today戦略で即座に体感できるのも良かったですね。バーチャルコンソールやWiiウェアの充実も、手軽に楽しみたいユーザー、少ない開発費で利益を上げたいメーカー双方にとっていい事じゃないでしょうか?SDカード起動も合わせて、XboxLiveアーケードと十分勝負できる環境になったようにも思います。
とりあえず、現実的なところでの改善がみられた今回の発表。あとは、他の陣営で発表されているような大型タイトル、新作などの発表が待たれるところですね。これらは、また別の発表に期待したいと思います。