PS3「ダービータイム オンライン」6/3でサービス終了〜発売から約7ヶ月で

WiiPS3Xbox360と、いずれもオンライン機能が備わっている今世代の据置ゲーム機。そんな中、サービスにかける姿勢は3社で異なっています。ざっくりと言えばWiiPS3は基本無料、Xbox360は対戦は有料という感じですね。

ただ、無料とはいってもどうしても実際にはお金がかかるもの。任天堂の場合は自社のWi-Fiについては広告費と割り切ると公言しているのですが、PS3の場合はそのあたりが不明確だったりします。そんな中、リアルにビジネス的な影響が出てきたものがあるようです。それは「ダービータイム オンライン」というゲーム。

2008年11月に発売されたこちらのソフト、「オンライン専用」とうたわれているゲームなのですが、内容的には余り評判はよろしくありません。クソゲーオブザイヤーでも、ノミネート候補として紹介されていたりしますね。

ダービータイム オンライン - クソゲーオブザイヤーWiki

自分も先日アキバのソフマップに行った際、安売りコーナーに山積みになっていたのを見かけたことがあります。

そんなダービータイムなのですが、この度オンラインサービスが6月を持って終了することがアナウンスされたようです。

発売から4ヶ月の段階で「3ヶ月後に終了」のアナウンス

今回出されたアナウンスは以下のもの。

ダービータイム オンライン』のオンラインサービスは、
2009年5月31日の東京優駿日本ダービー)を最後に、
2009年6月2日(火)をもって終了させていただきます。

2008年11月13日より運営してまいりました当サービスは、
実際の競馬と連動した新しい競馬の楽しみかた、
新しい競馬ゲームのありかたをご提案し、
皆様から大変ご好評いただきました。心より御礼申し上げます。

当サービスをお楽しみいただいておりますお客様には
大変申し訳ございませんが、
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

ダービータイム オンライン』は、
2009年6月3日以降、プレイをすることができませんのでご注意ください。
ダービータイム オンライン |サービス終了のお知らせ

昨年11月の発売で今は3月。まだ発売から4ヶ月しか経っていませんが、あと3ヶ月で終了することになった模様です。

ファースト製オンライン専用タイトルを早期終了する意味

このソフト、一応簡単なオフライン部分もあるようではありますが、基本はオンライン専用のゲーム。そのゲームがオンラインサービス終了と言うことなので、基本的にはゲームプレイも終了ということになりますね。

発売から7ヶ月でプレイできなくなる、というのはどうなのよ、という指摘は当然出ている訳ですが、元々PS3のオンラインサービスは、パッケージの裏に最低保障期間を記してあるのが基本。このダービータイムも、元々パッケージには発売日から半年が最低保障期間と明記されていたようですので、別に詐欺という訳ではありません。(たとえばリトルビックプラネットなら「2008年10月30日から1年以上」と明記されています。)

PS3はネット基本使用料も徴収していないため、ソフトのパッケージ売上が実質的にメーカーがサーバー維持に使える金額となります。このダービータイムは売上本数もあまり好ましいものでは無かったようですので、最低保証期間を反しない範囲で出来る限り早い段階でサービスを打ち切るというのは、ビジネス的収支だけを考えれば自然なことです。

ただ、ポイントはこれがSCE製、ファースト製のソフトであると言うことなんですよね。PS3の基本無料のネットプレイ機能も、「パッケージ代だけ払えばずっと無料で楽しめる」というのであればお得感が高いのですが、あまり短い期間で終了してしまうと「単にオンライン使用料を前払いしただけ」というのがリアルに消費者にも見えてしまいます。SCEからすれば「基本無料」という売り文句が薄れてしまうわけで、あまり好ましい事態では無いと思うのですけれど、収支を無視してサービスを維持できるほどの余裕が無かったということでしょうか?

また、プレーヤー側の立場から見ると、オンラインプレイで得たスコア、アイテムなどは一つのステータスであり、時間を費やしたことの記録に当たるわけです。それが、サービスが終了して実質的な意味が失われてしまうのも、ちょっと悲しい感じはしますね。

PS3のオンラインサービス対応ゲームは、念のため最低保障期間の確認を

Xbox360のように、会員の料金を取って長期的に質の高いサービスを提供するというのも施策の一つではあると思いますが、オフライン中心でプレイする人や月に数回しかオンラインプレイしかしないようなライトな人などでは抵抗感を感じる人もいることでしょう。そうした意味で、PS3のような先払い方式もありだとは思うのですが、無料は無料なりの理由があることは、今回の件でもだいぶ分かりやすい形で示されたように思います。

とりあえず、ファースト自らがPS3上でのビジネスのやり方を示した形ですので、今後のPS3サービスの指標の一つとはなるでしょう。オンライン対応ゲームを購入する人は、パッケージの裏を見て最低保障期間を確認し、その期間で最悪サービスが打ち切られても大丈夫であることを、念のため検討してから購入するのがよさそうですね。先に把握しておけば、最悪今回のように打ち切られても受け入れやすいでしょうから。