充実した日本語音声&テキスト〜Xbox360「Fallout3」日本版発売

JRPGの連続リリースも一段落し、国内メーカーによる年内の大きな弾は出尽くした感のあるXbox360

一時期はPS3を上回る週販を上げていたのですが、結局はPS3の80GB版発売以降はその分も一気に巻き返され、国内据置ハードとしての位置づけを上げることはきわめて困難な状況となっています。一応、昨年比からすれば売れていますし、ゲーム売り場などの活気もだいぶ出てきた感じはしますが、やはり日本市場単独ではなかなか厳しい市場という感じですね。

一方、海外市場ではWiiほどの勢いは無いもののHDゲーム市場と一定の存在感を確立。海外メーカー製で評価の高いソフトも多数発売されており、他のプラットホームと比べて小さな市場である日本でも、そうしたソフトがローカライズされて楽しむことができるようになっています。

そんな中、世間的に評価が高く個人的に興味を持っていたのが「Fallout3」。

オブリビオンスタッフが開発したゲームで、高い自由度などが各種レビューでも面白そうに紹介されていましたね。

Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」 「Fallout 3」

自分も、現状いろいろとゲームを並行プレイ中で悩んだのですが、結局購入してきました。まだチュートリアルをプレイ中なので、あまり深いレビューはできませんが、簡単に感想を述べてみたいと思います。

チュートリアル部分をプレイ

まずはキャラメイクから。オブビリオンと比べるとまずキャラクターの造形がだいぶ自然になった感じですね。オブビリオンも、PC版はMODを入れればかなり綺麗なキャラにもなりましたが、MODは多数あると相性の問題やらMODの組み合わせ・導入自体で悩んでしまう面も、個人的にはありました。このFallout3では、デフォルトでもある程度自然なキャラになっている印象です。各パーツの調整法は基本的にはオブビリオンの時と同じなので、そのあたりある程度慣れていたところはありますけど。

以降のチュートリアルの操作も、キャラの会話が特にダイアログなどが出ることもなく、自然に日本語音声で話が進んで行くところがなんとも臨場感がありますね。相手が話しているときに、別の方向を向くと声が小さくなって聞きづらくなるのも面白いです。また、会話中での重要なトピックは画面左上にリストとして表示されるのも分かりやすくていいと感じました。途中のパーティのイベントなども、同じところにいるキャラが勝手に会話しており、これが全て日本語にローカライズされています。数人が雑談している隣で、特に話しかけることなく聞き耳を立てることができるのも面白いところです。

戦闘については、一つ射撃の訓練があったところ。最初の練習相手の敵が巨大ゴキブリというのがなかなかすごいところ。操作としてはRTで銃を構え、右スティックで照準定め、RTで打つという比較的オーソドックスな流れですね。RBボタンを押すことでVATSというコマンドバトルのようなものも選べますが、チュートリアルレベルでは特に大きなインパクトは感じませんでした。

とりあずまだ、ここまでのプレイしかしていませんので、今日のところはこの程度の感想としておきます。

規制にまつわるあれこれ

ちなみに、このFallout3は、その残酷な表現を含むところなどからいろいろと日本語版発売にあたり修正や規制が入っています。

12月4日発売予定のXbox 360用ソフト「Fallout 3」日本語版と北米版(オリジナル)の表現および内容の違いについて - ベセスダ

自分は、世間的なゲームバッシング等を考えるとある程度の表現自主規制はあってしかるべきだという認識で、こうした対応が必要になることは仕方がないと思っています。ただ、この中でいろいろと論議を呼んだのが、核爆弾に関連するイベントの削除。ゲーム中の多数含まれる選択肢の内、一部イベントをばっさり発生しなくする、という対策であり、このあたりでいろいろ物議をかもした形ですね。

このイベント削除の対策ですが、実際には「フラグ発生させるキャラを削除」という対策だったわけですが、なにやらアジア版を使って一時的にフラグを発生してしまうと、以降は日本語版でも普通にこのイベントをプレイできてしまうような話も出ています。もっともこのあたりは、後ほどパッチなどでふさがれてしまう可能性もあるかもしれませんけどね。

日本語音声で内容を理解したい人に

以上、全然レビューにもなっていませんが、ざっくりとFallout3の日本語版を紹介してみました。このXbox360版の最大のメリットは、やはり「日本語音声」でしょう。PC版も発売されており、MODなどの充実はおそらくPC版の方が進むと思うのですが、日本語音声はさすがにMODでの対応は難しいところ。そうした意味で、Xbox360版のローカライズは価値があるもののように思いますね。

海外で好調でも、ローカライズや文化の違い、市場規模などを考えれば、日本では発売無しという判断が下されてもおかしくない中、こうした丁寧なローカライズをして発売されるのはありがたいことですね。携帯市場などだと世界トップメーカーNokiaが日本撤退したりと、海外が好調でも安心できないところもある昨今。一ユーザーとしては、苦境の中でもなんとかこうした日本版発売の流れが続いて行って欲しいものです。