社長が訊く「街へいこうよ どうぶつの森」〜新要素も紹介

来週11/20はXbox360では「ラストレムナント」と「オトメディウスG」が発売される日ですが、一方で多くの人に注目されているタイトルとして、「街へいこうよ どうぶつの森」があります。

街へいこうよ どうぶつの森 (「Wii スピーク」同梱)

街へいこうよ どうぶつの森 (「Wii スピーク」同梱)

街へいこうよ どうぶつの森(ソフト単品) - Wii

街へいこうよ どうぶつの森(ソフト単品) - Wii

DS版が爆発的ヒットし、最近ではコナミから丸パクリオマージュしたソフトが出るぐらい有名なタイトルですね。

とんがりボウシと魔法の365にち

とんがりボウシと魔法の365にち

こっちはこっちでDS版での新作を望んでいた人には結構受けは良さそうで、個人的にDS版を2年も継続プレイしていた自分も少し興味はあるところ。一方で、DS版からの変化が乏しいように感じていたWii版は、逆にモチベーションが余り上がってこないようなところもありました。

そんな中、発売まで後一週間となったところで、最近では恒例になった「社長が訊く」のインタビューが掲載されています。

Wii.com JP - 社長が訊く『街へいこうよ どうぶつの森』

この中で、今まで明らかになっていなかったような要素もいくつか紹介されているので、触れてみたいと思います。

WiiConnect24を活用した「疑似MMO」的要素

今回のどうぶつの森で肝となるのは、「WiiConnect24」。Wiiの低消費電力駆動な設計思想の一つでもあり、Wiiの主要要素として発売前から注目された機能ではあったのですが、その後ニュースや天気予報、ニンテンドーチャンネル程度でしか使われず、これらも24時間起動し続けなければいけないのか、という程度のメリットしか感じられませんでした。長時間チャンネルを立ち上げてないと、結局アクセス時にネットから情報を取ってきたりと、結構中途半端な仕様でしたしね。

そんな中、Wii発売前から発表資料などではどうぶつの森のメール機能が使われるなど、ある意味どうぶつの森をかなり意識して用意されたと思われるこのWiiConnect24。インタビューを見ても岩田社長、開発者双方がそれを認識してゲーム作りをしていたようですね。

そのWiiConnect24の活用について、インタビューでは度々「DSでも重く感じた」という言葉が使われています。DSでのおでかけは自分も体験したことがありますが、知り合った人と友達コードを登録し、お互いの住んでいる村に行き合うというものであり、たしかにかなり密なコミュニケーションを要求される形だったように思います。DSどうぶつの森ではクイックマッチみたいな、見知らぬ人と手軽に交流、というのが無いですからね。今回のWii版ではWiiスピークが同梱されることもあり、より密なコミュニケーションツールになってしまうことを懸念していたのですが、思ったよりもちゃんと「1人でのスローライフ」を重視した取り組みがなされているようです。

特に今回意識しているのは「時間の差」をWiiConnect24で調整しようと言うもの。他の多数のプレーヤーが取った行動を、WiiConnect24を通じて情報交換。同じ時間にそこにいなくても、他人が同じ世界にいることを感じられる、そういった工夫がされている感じですね。雰囲気とすれば、DS版が従来のビデオチャットによるコミュニケーション、Wii版がニコニコ動画のコメント機能によるコミュニケーション、という感じでしょうか?

「引っ越し」や「街の共有」という要素

上記のようなWiiConnect24の機能を生かす具体的施策として、このインタビューで紹介されているものの一つが「引っ越し」の要素。これまでにもあった要素で、DS版でも一度訪問した村の住人が引っ越してくることはありましたが、リアルに同期させることはなかなか困難でした。それが、今回はWiiConnect24により裏で時間をかけて同期させることが出来るので、よりしっかりとした住人の引っ越し、情報の引き継ぎが行われるようです(時間差がどの程度になるのかは分かりませんが)。

その他、街の機能もこのWiiConnect24を活用したものになるようですね。世界中のプレーヤーが、共通の街にアクセスするという概念で、ここは場所・時間的にも共有される形。いらないものの売買をオークション形式で行え、入札を時間差で実施して後で結果がメールで送られてくるとか、風船屋登場時期が皆共通とか、そういった時間差と同時性をうまく融合させたコミュニティを目指しているようです。

気になる「個人情報流出」への対策

一方、こうしたWiiConnect24を使った裏側での積極的情報共有というのは、最近話題の「個人情報流出」についてちょっと気になるところもあります。最近だと、セガがGoogleMapを使ってやらかした例もありましたからね。

セガ、Googleマップでバイト希望者の個人情報流出 - ITmedia News

こうした、ネットを通じたコミュニケーションを主眼に置いたサービスだと、意図しないところで個人情報が流出してしまう危険性があります。どうぶつの森で、果たしてどこまでの情報が裏で流れるのかわかりませんが、思わぬ形で個人情報漏洩にならないような注意が欲しいですね。まずは任天堂側でしっかりと危険性を吟味し、どういったパターンで個人情報漏洩の危険があるかケーススタディしていただき、それを元にどういった情報を入力してはいけないのか、しっかりとしたアナウンスをとって頂きたいところ。また、あらかじめ分かっているなら、ゲーム中でそういった情報を入れさせない工夫なども取り込まれているといいのですが。

DS版の拡張+ネットワーク

以上、WiiConnect24がらみについて触れてみましたが、それ以外でも歩いた道の部分の草がはげてけもの道が出来る機能や、アイテムの後から追加配信可能性、メーカーコラボアイテムの実現など、DS版の機能に+αした部分もいろいろあります。ただ、とたけけコンサートの場所とか町役場とか、基本的な世界観はDS版と共通になっている感じですね。雰囲気としてはDS版の拡張に、街機能の追加、そしてWiiConnect24を使った情報共有といったところでしょうか。

とりあえず、「スローライフ」がテーマのこのソフト。WiiFitとのディスク入れ替えが面倒ではありますが、毎日プレイするのが楽しいようなゲームになっているといいなと思います。