任天堂からWii/DSに対応した低価格無線ルータ「ニンテンドーWi-Fiネットワークアダプタ」登場

ゲーム業界で一人勝ち状態を続ける任天堂WiiやDSというと、その独特なインタフェースが第一に注目されますが、どちらも無線LANに対応しており、ネットワークについてもいろいろゲーム以外のアプローチも積極的に取り入れ、技術オタクで無い人でも楽しめる、「リビングでのオンラインエンターテイメント」の実現に尽力している感があります。

そんな中、やはり障害となるのはネットワーク環境。自分も無線LANルータを持っているのですが、いかんせん設定は面倒で専門用語が多いですし、値段も1万前後とそこそこするものが多いです。こうしたものに対して、バッファローNECが提供する機能を利用し、ボタンだけで簡単に接続設定をできることを発売当初から推奨してきました。最近ではフレッツ光と連携したトータルサービスなども行っており、「サービス」部分の充実でもビジネス展開を行っていましたね。

今回、そんな任天堂の取り組みが、さらに強化される模様です。それは、低価格な無線ルータ「ニンテンドーWi-Fiネットワークアダプタ」の発売です。

任天堂、Wii/ニンテンドーDS用無線LANルータ「ニンテンドーWi-Fiネットワークアダプタ」
ニンテンドーWi-Fiネットワークアダプタ

5800円でWii/DS/PCを同時接続可能〜独自のマルチセキュリティ機能も

今回のこの無線ルータ、見た目は非常にシンプル。Wiiに合わせて白色で、デザインも無印良品かと思わせるほどシンプルです。ネットワークのポートも、インターネット側の端子1つ、LAN側の端子が1つと、こちらも最小限となっています。

ただ、機能的にはなかなか良くできています。まず、元々の各家のインターネットアダプタがルータ機能を持つかどうかで接続方法が変わるのですが、この無線ルータはどちらも対応。これはまあ今時基本機能なのですが、面白いのは「マルチセキュリティ機能」です。これは、専門用語を使えば暗号化形式WEPとWPA-PSKに同時に対応可能、というものです。

暗号方式としてはWPA>WEPという安全度な訳ですが、WiiはWPAとWEP両対応なのに対してDSがWEPのみ対応というのが、これまで非常に悩ましいところでした。というのも通常の無線ルータだと暗号化形式は1つしか選べないことが多く、せっかくWiiがWPAに対応していてもDSもネットに繋ぐ関係上、WEPに設定せざるを得ないところもあったんですよね。こうしてしまうと、PCまでWEPで繋ぐ羽目になりますので、結果的にノートPCでの通信がWEP暗号ということで若干安全度が下がり、これを気にする人もいたことでしょう。というか、自分もWEPにしているので気になっていたところです。

これに対して、このネットワークアダプタは、二つのSSIDを持ち、各々に異なる暗号化形式を割り当てられます。これにより、DSだけは1つ目のSSIDでWEP形式、WiiとノートPCは2つ目のSSIDでWPA方式という繋ぎ方が出来るわけです。WEPでも通常の使用では特に問題はないとは思いますが、せっかくならより安全な通信を実現したい、という人には望ましい機能でしょう。

安価に安心オンライン接続〜はじめはオンライン販売のみ

これ以外にも、公開されているマニュアルを見る限り、PPPoEやUPnPなど、ルータとしての基本的な機能は付いています(ポートマッピングがちょっと見あたらないですけど)。仕様的に見ても、おそらくバッファローOEM製品だと思われますね。

とりあえず当初はこれまでのネット関連商品と同様、オンライン販売のみとなります。

任天堂オンライン販売 ニンテンドーWi-Fi ネットワークアダプタ

発売は9/18からで、すでに注文受付は開始されています。値段も5800円(+送料450円)と安価で、WiiとDSで気軽に無線ネットワークを実現したい、という人にはなかなかいい製品ではないでしょうか?価格帯や位置づけ的には以下の製品と似ていますが、下のはルータ機能がないですからね。

ニンテンドーDS・Wii・PSP・PLAYSTATION3専用無線LANアクセスポイント | WCA-G

BUFFALO Wi-Fi Gamers 無線LANアクセスポイント WCA-G

BUFFALO Wi-Fi Gamers 無線LANアクセスポイント WCA-G

PC接続もサポート外ではありますが使えそうですし、PSPの接続などにも使えるかもしれません(さすがにXLink Kai代わりにはならないでしょうけど)。安価なブロードバンドルータが欲しい人も視野に入ってきそうな製品です。

WiiとDSを持っている、ノートPCも使っている、だけどインターネットはノートPCに有線直差し。WiiやDSのネット接続は興味はあるけど、よく分からないしお金も結構かかるからやっていない…。そういった人がまさにターゲットになりそうな製品ですね。楽しいけれど敷居の高いコンシューマ機器でのオンラインプレイ。任天堂の客層拡大への取り組みはまだまだ続きそうです。