WiiSportsが実売トリプルミリオン達成〜Wiiの今後の展望

独自路線で好調な売り上げを見せるWii。WiiSportsでロケットダッシュを切り、さらにWii Fitでも再加速。マリオギャラクシーマリオカートWiiなど看板タイトルもそろい、サードからもテイルズオブシリーズや零などのソフトが徐々に集まるなど、次なるステップを見せようとしています。

そんな中、WiiSportsが300万本の販売を達成したというニュースが報じられました。

任天堂:Wiiスポーツが販売300万本突破 ロングセラーで大台に(まんたんウェブ) - 毎日jp(毎日新聞)

今回は、最近出た情報を元に、Wiiの状況について少し所見を述べてみたいと思います。

6月度も据置トップの月間販売を記録

6月は、なんといってもPS3で発売前からキラーと言われていたMGS4が発売。実際、ソフトはその前評判に違わぬ大きな売上を上げていました。ただ、本体牽引としてはWiiを越えるほどまでには至らず、6月度もWiiMGS4という切り札を出したPS3を上回る販売数を見せました。

PS3、国内販売でWiiを追い上げ - ITmedia News

上記記事だと「Wiiとの差を縮めた」と書いてはありますが、これはあくまで5月に6倍ついていた「月販台数」の差と比較して、6月の月販台数が1.7倍差になったという話。結局、総販売台数では、WiiPS3の差はさらに拡大している形です。

6月に縮まった月販台数差についても、7月にはまた広がることが予想されるため、このタイミングでこうした記事が出たのでしょうけれど、さすがに最近の消費者であれば、この程度の「言葉のマジック」は容易に見破ってしまう気はしますね。

トリプルミリオンを達成した「Wii Sports」〜高い看板タイトルの装着率

さて、そんなWiiの好調ですが、特に任天堂のキラーソフトが強く引っ張って行っている状態です。その中で、ロンチで発売され、Wiiの代名詞でもあるWii Sports

Wii Sports

Wii Sports

海外ではWiiと同梱のソフトのため、装着率は100%なわけですが、日本でも今回300万本の販売が報じられ、Wii本体が630万台程度ですので50%近い装着率となっていると言うこと。いかにキラーソフトであるかが分かる感じです。

その他、はじめてのWiiWii Fitも200万本をすでに突破。これらソフトの販売数が非常に高く、Wiiも持っているユーザー傾向としても、若干偏りがあるのでは、という点は懸念されます。

従来ソフトの展開はこれからか

本体台数の割に、PS2時代のソフトがそこまで伸びないのは、客層が異なることもあるでしょう。一極集中で、ユーザー層も偏っていたPS2時代とは単純比較はできないでしょうね。ただし、以前マルガの湖畔さんのところで紹介されていたように、PS2ユーザーは純粋に今世代機の普及比率に沿って徐々に移行している状態です。

各ゲーム機所有者の動向と満足度について - わぱのつれづれ日記

海外でもすでにサードのソフトの比率は上がっていますし、日本でも「Wiiではサードのソフトは売れない」「○○のジャンルはWiiで出しても売れない」と決めつけてしまうのは良くないでしょうね。Wiiで出して売れなかったソフトが、PS3Xbox360で出した方が売れるかというと、そうでも無いでしょうし。

とはいえ、海外でのゲームはいまだ成長を続けていますし、各社Xbox360PS3でのHDゲームノウハウもたまってきているため、そっちはそっちで盛り上がりそうですけどね。Wiiは若干路線が違う感じですが、ポインティングなどは従来ゲームとの相性が良いところもありますし、どの程度絡んでいけますか。

Wii Sportsにつづく「モーション操作」を生かしたソフトは?

ただ、一方で、WiiSportsにつづく、Wiiのモーション操作が売りのゲームがなかなか出てこないことは気になるところです。モーション操作は、確かに直感的でゲームに触れていない人からも親しみ安いところはあるのですが、いかんせんリモコンに付いている加速度センサ程度ですと、取得できる人間の動きには限界があります。また、人間の動きにはかなり癖がありますし、ボタンと違って「いつからが入力開始か」が分かりにくいという欠点もあります。こうした影響か、他のモーション操作のソフトでは、単純なボタン操作+強弱程度の操作だったり、凝ったことをやろうとして認識率が悪くなったりということが生じ、なかなかうまく行っていない感じなんですよね。

一応、デカスポルタはWiiSportsの流れで成功したサードソフトではあります。

DECA SPORTA デカスポルタ Wiiでスポーツ

DECA SPORTA デカスポルタ Wiiでスポーツ"10"種目!

ただ、このソフトも「モーション操作をうまく生かした」ということで評価されているというよりは、WiiSportsの延長として評価されている感じがします。要するに、バリエーションがあまり増えていないんですよね。

こうしたものに対する、任天堂の次なる答えは一応「Wii Music」ということになるでしょう。また、サードからも音楽という意味では「涼宮ハルヒの激動」、「ハッピーダンスコレクション」なんかでいろいろ意欲的な取り組みがなされそうです。

角川書店、Wii「涼宮ハルヒの憂鬱 (仮)」、“ハルヒダンス”を再現する振り付けアクション
ハッピーダンスコレクション

これらのソフトが、どの程度インタラクティブな面白さを発揮できるか、ですね。スポーツの動きを模したWiiSportsなどより、ダンスの方がより「恥ずかしさ」が増します。そのあたりも、一つの消費者にとっての壁になりそうな気もしますね。

独自・従来ゲーム共、次の一手に期待

以上、ざっくり見てきましたが、Wiiに関しては有名どころのタイトルもある程度出てきて、本体普及台数もそれなりにそろった感じ。あとは、Wiiでの独自路線、それから従来ゲームの革新など、どちらも次の効果的な一手が期待されるところですね。
定番マリオタイトルとか、続編連発は正直マンネリ感がぬぐえないので、新規タイトルで出来る限り新しいソフトを見せて欲しいところです。特に、従来ゲームはXbox360でだいぶ満足できているところもあるので、出来る限りWiiならではの新規ゲームの発表がE3などで行われることに期待したいです。