PS3 最新ファームウェア2.20公開〜LTHタイプBD-Rも対応

今世代の据置ゲーム機において、国内2番手の位置につけているPS3。HDゲーム機としてはXbox360に圧倒的な数とブランド力の差を見せつけていますが、ロンチ時期の差とアーキテクチャの独自性などから、ソフト数がまだなかなか増えてきていない状況です。

そんな中、PS3で期待されるのはBDプレーヤーとしての需要。次世代DVD戦争が終結し、ゲオやTSUTAYAなどでのBDレンタルも始まると言うことで、レンタルDVDをよく借りてみているHDTV所持の人なんかは、結構惹かれるところも出てきたように思います。

普及が見込まれるLTHタイプBD-Rをサポート

ただ、そんなPS3でネックと言われていたのが有機色素系(LTH)のBD-Rに対応できていなかったこと。コストが安く、今後BD-Rとして主流となっていくと見られるLTHタイプのBD-Rだけに、これに対応していないと将来的にBDレコーダで焼いたBD-RをPS3で見れなくなる、という心配がありました。世界で一番普及しているBDプレーヤーで再生できないとなると、LTHタイプのBD-Rの普及自体にも影響が出る恐れもありました。

低価格化が期待されるLTHタイプのBD-Rが販売開始

一部松下のドライブなどはファームウェアのアップデートでLTHに対応していましたが、ソニーのドライブで同様のアップデートだけで対応できるのか、かなり疑問視されていたのですが、本日公開された最新ファームウェアで、見事LTHに対応した模様です。

SCE、BD-Live対応のPS3用最新ファーム「2.20」を公開

今回のアップデートでは、BDの最新機能であるBD-Liveにも対応。LTH対応と合わせて、BDプレーヤーとして十分に活用できる条件が整ったと言えるでしょう。元々Cellを使ったDVDのアップコンバートなども秀逸と言われていただけに、DVD/BDプレーヤーとしてはかなり価値が高まった感じはしますね。モスキートノイズ除去も追加されたようですし。無料でこれだけAV機能がリッチになっていくというのは、AV機器としてみるとかなり贅沢なハードですよね。

「BDプレーヤー」単独の需要はどの程度?

あとは、こうした「プレーヤー」としての魅力が、どこまで本体の牽引効果につながるか、ですね。PS2の時はちょうどDVD人気が高まってきており、マトリックスのブレイクもあって一気に伸びましたが、今回はすでにBDレコーダの市場も順調に立ち上がってきていますからね。ダビング10もいろいろ問題のある仕様ながら6月から始まることですし、北京オリンピックに合わせてBDレコーダの伸びは今後も予想されます。さらに、HDTVを持って無い人や画質にあまりこだわりの無い人にとっては、DVDプレーヤ・DVD/HDDレコーダもまだまだ現役。

こうなると、PS3の持つ「BDプレーヤー」だけの機能では、TVで映画を視聴する数ある機器の一つ、という感じでそこまで目立たない印象があります。BDレコーダーを持っていればそっちで見られますし、SDTVしか持ってないならBDはほとんど意味無いですからね。

「ゲームの魅力」と合わせたアピールを

なんだかんだ言っても、やはりPS3が本体売り上げを伸ばしていくためには、「ゲーム機としての魅力」で売っていく必要はあるでしょう。メタルギアソリッド4などの注目タイトルに合わせる形なら、BDプレーヤ機能があることで「お得感」を感じられるかもしれませんからね。注目タイトルがちょくちょく出るようになったPS3ですが、まだ売れ行き絶好調と言えるほどの勢いは感じませんので、これから1年間どの程度売れ行きを加速させられるかが問われてきそうです。