バンダイナムコのゲームセンター不振〜Wiiが影響?!

WiiSportsに続きWiiFitで大きなムーブメントをおこしているWii。そのWiiが思わぬところで影響を及ぼしているという記事が出ています。

ゲームセンター事業に逆風が吹いている。体を動かして遊べる「Wii(ウィー)」の人気でゲーム施設ならではの魅力が薄れ、ガソリン高で車での来店客も減った。バンダイナムコホールディングスは6日、国内店舗の2割にあたる50―60店を閉鎖すると発表。セガサミーホールディングスも約110店を閉鎖・売却する方針で、今年度中に80店の整理を完了する計画だ。
ゲームセンター苦戦、バンダイナムコが2割閉鎖 - NIKKEI NET(日経ネット)

バンナムのゲームセンターが不振と言うことですが、その理由がなんと「Wii」と「ガソリン高」という分析。たしかに、Wiiリモコンによるモーション入力はゲーセンであった体感型ゲームをある程度一般化して家庭用にしたような印象ではありますが、だからといってダイレクトにバンナムのゲーセン不振と結びつけるのはさすがに乱暴な気がしますよね。

根拠が弱い「Wiiの影響」

自分もちょくちょくゲームセンターには寄ることがあるのですが、バンナムのゲーセンの主体というとクレーンゲーム、カードゲーム、ガンダム、レースゲーム、音ゲーという感じ。客層も大人の人が多く、一人でプレイしている人も多く見かけます。体感ゲームもそれほどないですし、どちらかというと客層は通常のPSゲームとかぶっているような印象がするんですけどね。

それに対して、Wiiは家族でのプレイが主力ですので、30-40代ぐらいの大人と小中学生ぐらいが非常に多くいます。こういったそうは、そもそもゲームセンターにそれほど頻繁に行く層ではないのではないでしょうか?カップルや学生がゲーセンによって盛り上がることはありそうですが、そういった層もWiiに奪われて影響が出る、とまでは言い切れないような気もします。

もしバンナムWiiユーザーやゲーセン来客者に対して直接アンケートなどを採り、Wiiによる影響を把握しているなら話は別ですけどね。そうでないならば、日経が記事の冒頭で書くほどの根拠はないのではないでしょうか?ガソリン高の影響、というのも引っかかるところもありますし。わざわざ車で出かけてまで遊ぶ場所でしたっけ?ゲームセンターって。近場や駅前のゲームセンターに帰宅途中で立ち寄る、といったケースが多いように感じますし。

Wiiとからめた展開は可能?

むしろ、バンナム側はWiiでゲームの楽しさに目覚めた層に向けて、もっと体感的ゲームをゲームセンターで積極的に展開したらどうなんでしょうかね?アイマス筐体を利用して脳トレをゲーセンで展開したこともあるわけですから、WiiSportsなどのより本格版をゲーセンで展開しても面白そうな気がします。狭い家ではやりにくい大きな動きも、ゲーセンならあらかじめスペースを確保しておくことで実現できるかもしれませんし。Wiiでミニマム版、ゲーセンで本格版みたいなものを同時展開する、というのはどうでしょうか。

DSといいいWiiといい、まずは日常的に「楽しい」と感じるものから軽くゲーム機の世界に引っ張り込み、その後マリオなどを中心によりゲーム性の高いものに触れてもらおうというのが、任天堂の基本的スタイル。バンナムWiiでファミリーシリーズを展開し、そうしたより軽いところからのアプローチを行おうとしているのですから、アーケードでもファミリーシリーズを動じ展開してもっと家族で遊べるイメージを作ってもいいような気はするんですけどね。スキーだったらアルペンレーサーという自社の作品でノウハウもあるわけですし。

客層を拡大する努力を

プリクラやUFOキャッチャー全盛の時代と比べ、ゲーセンにライトが多くやってくる時代ではない分、どうしてもコアな金を多く落とす層を対象に商売をしがちです。PS2なんかもそうでしたよね。そうした商売ではたしかにある程度安定した収入は見込めますがどうしても客層の拡大が怒らず、先すぼみになってしまいます。また、客層拡大のチャレンジはより博打要素も高く、費用対効果が全く見合わないケースもどうしても出てくるでしょう。ただ、だからといって客層の拡大がなければ、待っているのは緩やかな死ですしね。テレビゲームと同様、アーケードゲームも貴重なゲーム文化だと思います。セガナムコなど、老舗どころには頑張って欲しいところですね。