『ガンダム無双』がPS2でSpecial版発売

バンダイの誇る「ガンダム」と、コーエーの誇る「無双シリーズ」の合体として、注目を集めた『ガンダム無双』。

ガンダム無双 - PS3

ガンダム無双 - PS3

このガンダム無双、発売前の発表では久夛良木氏が「第2世代のソフト」と称し、コーエーの襟川氏が「200万本売りたい」と語るなど、非常に気合いの入ったタイトルでした。

バンダイナムコゲームスとコーエー、PS3「ガンダム無双」完成記念試遊会を開催。襟川名誉会長「このソフトでプレイステーション 3を盛り上げていきたい」

実際の売り上げとしても、ソフト関連で伸び悩みを見せているPS3において、堂々サードNo.1の売れ行きを誇っています。PS3初期の本体売り上げを牽引した、PS3を象徴するタイトルと言えるでしょう。

ゲームデータの部屋 WiiとPS3とXbox360

ただ、その販売本数自体は約30本30万本と、タイトルのインパクトの割には寂しい数字。その後販売本数を増やすためかXbox360でもインターナショナル版が発売されましたが、初週1万本以下という惨敗となっていました。

ガンダム無双インターナショナル - Xbox360

ガンダム無双インターナショナル - Xbox360

そんなガンダム無双が次に見せた展開が、ある意味皆の度肝を抜く展開でした。

PS3PS2への逆移植

その展開とは、なんと旧世代のPS2において追加要素を加えてSpecial版発売。最新HDゲーム機から旧SDゲーム機への逆移植が行われたのです。

ガンダム無双 スペシャル

ガンダム無双 スペシャル

たしかに、PS2では未だにガンダム系のゲームが発売の度にスマッシュヒットとなっていますし、無双シリーズについても多くのファンを抱えています。PS3がソフト不足&高価格なため、ガンダム無双に対して興味はあったもののPS2にとどまっていたファンもまだ結構残っていると思われます。そうした層のすくい上げという意味で、PS2でのガンダム無双の発売は十分意味のあることでしょう。

とはいえ、EAのゲームやUbisoftギターヒーロー3、コナミウイイレ2008のように発売時からPS2PS3とで同時展開していたならまだしも、純粋にHDゲームとして発売したものを発売1年してSDゲームとして発売というのは、ちょっと前代未聞な感じですね。モンスターハンターPS2からPSPと性能の低い方への移植ではありますが、こっちは据置→携帯という変化がありますからね。

もっとも、ガンダム無双自体は発売当初から「PS2ゲームの高解像度版」というような評価は受けていましたし、元々PS2と同時展開できるようモデリングなどをしていた可能性もあります。そう言う意味では、ある意味既定路線だったのかもしれませんね。

個人的には、PS2アプコン付き旧PS3でこのPS2版をプレイした映像と、PS3版との比較を見てみたいですね。表示キャラ数の差、モデリングの違いなどがどの程度違いがありますか。

今後も後追いはあり得るか?

しかし、今回の出来事は、国内据置ゲーム機市場がまだまだHDゲームに移行し切れていないことの表れのように感じます。実際、この年末年始で売れた据置ゲーム機はダントツでWiiですし、ソフト売り上げもWiiPS2のSDソフトが上位に来ますからね。すんなりとPS2からPS3への移行が起こると思って看板タイトルをすぐにHDに移行してしまった、サードの読み違いというところでしょうか。

開発がコーエーなだけに、真三國無双5ももしかしたらPS2への逆移植が見られるかもしれませんね。こちらも、まだまだPS2ユーザーに多数のファンが控えてそうなイメージですし。ウイイレ2008も結局PS2版がPS3の倍ほど売れていたことを見ても、国内サードでPS2で人気だったタイトルの続編は、とりあえずPS3が目安の300万台ほど売り上げるまでPS2で展開した方が、ビジネス的には無難かもしれませんね。

もっとも、将来的にHDゲームに移行していくのは必然的な流れではありますので、各社ノウハウは蓄積しておく必要はあるでしょう。いわゆる将来に向けたR&Dと、直近の商売という、ゲーム業界に限らない一般的なメーカーの構図という感じです。携帯ゲーム機での展開も含めて、この辺は経営者の判断によって直近2,3年ほどの業績、そして5年以上後の業績が大きく変わってくるかもしれませんね。