クリスマス商戦は任天堂の圧勝 〜 Wii 26万台・DS 32万台
クリスマスも終え、いよいよ年の瀬を迎えたわけですが、ゲーム業界においても今年のクリスマスプレゼント商戦は大いに盛り上がったようですね。忍さんのところで、先週(12/17〜23)分の速報が出されています。
任天堂一色のクリスマス商戦。DS「マリオパーティDS」は一気にミリオンへ、他|忍之閻魔帳
こちらのエントリを見ると、とにかく景気のいい数字がずらずらと並んでいて、やはり任天堂の年末商戦は圧倒的だな、と感じさせられますね。
昨年と同等の勢いを維持するDS 〜 マリオパーティDS・ドラクエIVがミリオン確実に
まずDSは本体が約32万台と昨年の37万台とほぼ同等の数字(参考:2006年12月3週)。1年たってもまだこれだけ本体が爆発的に売れ続けるところが、DSの国民機たる勢いを感じさせますね。
ソフトの方でも、マリオパーティDSがミリオン突破。ドラクエIVもミリオン直前まで来ているようです。また先週発売のFFIVも30万発売と出だし好調。ついでにファミ通低評価ながら爆発的伸びを見せたコロコロ連載漫画のゲーム化「ドラベース」が10万本販売で、この激戦の中9位に入る快挙。これも品切れしまくっているということですので、マンガ人気×DS効果恐るべしという感じですね。ドラクエIV、FFIV、ドラベースとサードのタイトルがソフト面で引っ張っているのも、サードにとってもありがたい市場になっている感じです。
大幅な伸びを見せるWii 〜 任天堂主要タイトルも軒並み好調
もう一つの任天堂の柱であるWiiも絶好調。本体は約26万台で、発売直後であった昨年の28万台とほぼ同等の売れ行きを見せています(参考:2006年12月4週)。先週が約17万なので、10万台弱上積みしている形ですね。
ソフトも、特に年末商戦に合わせての新発売があったわけではないのですが、すでに発売済みの任天堂タイトルが好調。WiiFitが出せば出すだけ売れる状態で約21万、累計74万台と1月中にもミリオンが見えてきました。これだけ高いタイトルなのにこれだけのスピードでミリオンを伺うというのは、正直びっくりですね。まあ、自分も約1ヶ月毎日プレイしており、体重の変化を見たりジョギングしたりでゆるーく楽しんでいますので、その楽しさは分かるのですが。WiiSportsだけでずっと引っ張っていたWiiに対して、見事に2段目のロケットとなった形です。どこまで伸びるのかが見物ですね。
マリオギャラクシーやマリオ&ソニックなどがここに来てまた大きく売れ行きを伸ばしています。マリギャラなどは一時は安売りされるほどだったのですが、年末商戦で見事に消化した感じですね。マリオ&ソニックも好調な売れ行きで、一気に10万本上積みして30万本に。ウィーラブゴルフだけではちょっといまいちな感じもするので、正月用に買ってみてもいいかもしれませんね。マリオパーティ8もWiiで3本目のミリオンへ。
こうしてみると、売れているソフトを見てもまさに「家族で楽しめるもの」が中心に売れている感じで、Wiiのコンセプト通りに事が進んでいるようですね。後はDSがすでに多種多様なゲームが出てきてますので、次のステップはそういったソフトをサードに出してもらうこと、そしてユーザにそれらを買ってもらうことですね。元々Wiiのコンセプトも「家族に嫌われない」「とにかく多くの人にまずゲーム機に触れてもらう」という、新たな顧客獲得の入り口という意味合いも強くあります。DSを買ってからたくさんソフトを買うようになった人も多くいるように、Wiiでもどうやって多様なソフト販売につなげるかが、来年以降の課題となるでしょうね。
本体は爆発的に売れるPSP 〜 ソフトはいまいち
さて、後は任天堂以外の機種について。まず、本体売上が好調なのはPSP。週販で約16万台と、PSPロンチと同等の売上を見せています。ただ、問題なのが相変わらずソフトがあまり売れないこと。期待の新作パタポンも約1.5万台と本体売上の10分の1。これだけソフトが売れない理由は、いったい何なんでしょうね?モバイルAV機器としての利用、改造ファームでの利用、旧PSPの買い換え、海外への大量転売などが噂されていますが、果たして真実はどれなのか。クラブニンテンドーのようなサービスをSCEもやっていて管理していると分かりやすいんですけどね。
クリスマス商戦で売上を落とすPS3 〜 GT5Pは2週目約3万本
そして、深刻なのが残り2機種。まずPS3ですが先週の約5.3万台から微減の約5万台。クリスマス直前という例年最大のかき入れ時に売上を落としてしまうというのは、さすがに深刻ですね。昨年の同時期は約9万台なので、値下げをしたにもかかわらず半分程度の売上しか出せていない形です。
たしかに、GT5Pも発売してしまって弾は出し尽くした状態ですが、それはWiiも一緒。WiiFitなどのWii既発タイトルが軒並み伸ばしているのに対してGT5Pは約3万台と、牽引効果を発揮できておらず、結果的にWiiと5倍以上の大差をつけられた感じですね。
PS3は現状ではPSゲーマーおよび一部AVマニアを中心にしか訴求力を見せていませんので、親&子供需要が中心の年末商戦では、この結果も致し方ないというところでしょうか。GT5P、みんゴル、真三國無双5なんかはかなりライト向けのタイトルだと思うのですが、ライト向けには4万円でもまだ高いということなのかもしれません。
とにかく、現状ではまだPSブランドを信じて付いてきている客層もいるので、この層に逃げられないよう、PS時代の有名タイトルをとりあえずコンスタントに発売すること、あとはBDを爆発的に普及させるといった付加要素で攻める感じですかね。
低空飛行維持のXbox360 〜 クリスマス商戦も5桁販売ならず
最後にXbox360ですが、こちらはクリスマス商戦でも1万台を越えられず。恐ろしいほど8000台程度で低目安定しちゃってます。年末商戦に限っては、他の機種と比べたらちょっとお話にならないレベルですね。
充実のXboxLive、そしてそろってきたソフトラインナップと、サービスの質は高いのですが、やはり対象がコアゲーマー限定でライト層への訴求力が著しくないことが日本においては致命的なんでしょうね。ライト層を引き込むには、有名クリエーターの新作ではなく、PSで成功した有名タイトルの独占展開をえげつないほど繰り出すぐらいしないと、どうしようもない気もします。
まあ、発売2年も経過したのでここから大きなイメージ挽回も難しいかもしれません。後はアイマスDLCのように、いかにして多額のお金をゲームに費やしてくれる優良顧客を囲い込むか、でしょうか。オンラインについての仕組みはすでにXboxLiveとして構築済みなだけに、とにかく固定顧客を集めてお金を吸い上げる体勢をつくる事が、ビジネス的には必要となってくると思います。