ガンコン3のポインティングの仕組み詳細 〜 Wiiとの比較も

PS3の年末商戦最後の有名タイトルとして登場するのがアーケードからの移植作「タイムクライシス4」。

タイムクライシス4+ガンコン3 - PS3

タイムクライシス4+ガンコン3 - PS3

先日『新型PS3での「タイムクライシス4」2プレイ時の注意点』を紹介しましたが、それ以前にも「ガンコン3はWiiリモコンより高精度」という発言があったため、以下のエントリでガンコン3のポインティングの仕組みについていろいろと考察をしていました。

「『ガンコン3』はWiiより高性能」by タイムクライシス4プロデューサー - わぱのつれづれ日記

そのガンコン3のポインティングについて、上記記事のコメント欄にてすでにバンナムHP上にてポインティングに関する詳細情報が出ていると言うことなので紹介してみたいと思います。

LEDライトはWii同様2カ所設置

ガンコン3のトップページは以下のところ。

ガンコン3

このうち、以下のページでLEDセンサ関連の詳しい情報を知ることができます。

ガンコン3 | ガンコン3の各部の名称と接続方法

こちらを見ると、LEDマーカーが二つでセパレート式になっており、テレビの上端左右に設置する形式のようです。
写真を見る限り各マーカー内に搭載されているLEDは3個で、計6個。先日のエントリでは「6個のLED」というのをマーカーが6個あると解釈し、テレビ4隅に設置することで正確に四辺形を認識すると予想していたわけですが、それは間違っていたようです。というか、Wiiのセンサーバーは左右それぞれ5個のLEDで10個のLEDを搭載しているんですよね。ガンコン3のLEDマーカーはLED搭載数自体はWiiセンサーバーより少ない形です。

【続報:Wii分解】「センサーバー」にはセンサがなかった - デジタル家電 - Tech-On!

Wiiセンサーバーは片側5個のLEDのうち端の2個の向きを外側に向け、斜めからリモコンを向けたときでもLED光を出来る限り感知できるような配慮がされています。一方、ガンコン3のLEDマーカーはそうした工夫が無いかわりに、3つのLEDを三角形に配置することで、この三角形がどうガンコン3から映るかで傾きなどを検知できるようにしているのでしょう。

その他で大きく違うのは、セパレート式か一体型かということですね。ガンコン3のLEDマーカーはセパレート式なので、TV画面の両端を明確に感知するように設置できますが、上記ページを見るだけでもかなり設置が面倒な印象です。Wiiの方は一体型で設置は容易。またテレビの下側に置くことにも対応しています。その代わり、テレビの幅はセンサーバーからだけでは分かりませんね。TVの縦幅が分からないのは、ガンコン3もWiiも共通な感じです。

両者ほとんど同じ方式を使っているだけに、特徴も同様。注意書きのところを見れば分かりますが、いくらバンナム製であっても日光が周りにあると精度が保てなくなることがあるようです。とはいえバンナムも同様の方式をとってきたと言うことは、この方法が液晶テレビ全盛の現在では最適なポインティング実現方法なのかもしれませんね。

Wiiリモコンでもキャリブレーションは可能〜ゼルダの例

さて、Wiiリモコンと同様の仕組みを使っているガンコン3。TVの幅を直接認識できることは一つのメリットで、これによりTV画面からの相対的距離も分かるためガンコン3の左右の傾きを精度よくTV画面幅にトレースさせることができます。

ただ、Wiiでも一工夫を加えればTVの左右の幅を反映させることができます。それどころか、TVの縦幅およびプレーヤーとTVまでの距離もある程度反映できます。これは、知っている人は知っていると思いますがWiiのロンチソフト「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」において実現されていました。

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス - Wii

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス - Wii

以下、トワプリで実装されているキャリブレーションについて簡単に紹介してみます。

設定画面はメニュー画面の「コントローラの調整」から。今見ると、+ボタンで調整に入るという非常に分かりづらいUIですね。

設定は3段階。まずSTEP1では上下のオフセットの調整。一応Wii本体でもTVの上側、下側という意味でオフセットを設定できますが、さらにこのメニューで5段階調整できる形で、TVの縦幅をある程度反映できます。

続いてSTEP2では、TVの横幅の反映。これは、センサーバーが実際にTV画面のどの程度の割合にあたるのかを直接合わせることで、固定長であるセンサーバーからTVの横幅をある程度逆算で求めてしまう感じですね。もっとも、あまり大きなTVだと、リモコンを左右に極端に向けたときにリモコンの撮像からセンサーバーごと映らなくなってしまい、この場合にはこの調整だけでは対応できませんが。

最後のSTEP3では、リモコンとTV画面との距離の調整。これは、どちらかというと本体側の設定と言うよりは「人間側がどの程度の距離でプレイするか」を合わせる形ですね。

簡単さと精度のバランス

以上、ガンコン3の例とゼルダの例を紹介してみましたが、結局のところ結論としては「設定の容易さ」と「ポインティング精度」をどのようにバランスをとるか、ということになるんでしょうね。個人的には、ゼルダキャリブレーション機能などは、Wiiの本体において「高度な設定」みたいな形で本体側で設定させて欲しいぐらいなのですが、幅広い年代が使用することを想定してあえて本体設定は設置位置だけの選択という、簡単なものにしたんでしょうね。一方で、ガンコン3は設置方法自体を煩雑にするかわりにキャリブレーション無しでもある程度の精度を得られるようにした、という感じでしょうか。

ガンシューティング系では圧倒的な効果を見せるポインティング機能だけに、できればXbox360でも同様なデバイスが安価に出てくると個人的には嬉しいですね。