家で手軽にフィットネス〜「Wii Fit」ファーストインプレッション

昨日はWiiが発売されて1周年。PS3が1周年にあわせて新型PS3を発売したように、Wiiでも任天堂一押しの新作「Wii Fit」が発売されました。

Wiiフィット (「バランスWiiボード」同梱)

Wiiフィット (「バランスWiiボード」同梱)

自分は最近Wiiのソフトは購入しておらず、11月に入ってXbox360購入後はアイマスForza2ピニャータをぼちぼちプレイしており、WiiFitはスルーするつもりだったのですが、先日の「ファミリースキーがバランスボードに対応」というニュースを受けて、俄然ゲーム周辺嬉々としてのバランスボードに興味がわき急遽購入を決意。本日購入してきました。

以下、Wii Fitのファーストインプレッションを述べてみたいと思います。

購入〜開封

購入は家電量販店にて。特に予約なしでも購入できました。別の店では品切れとなっていたので、このあたりの消化率には多少差があるのかもしれませんね。

で、実際に渡された商品を持った瞬間の感想は「重い!」ということ。Xbox360を店頭購入した際も同様に重いと思ったのですが、WiiFitの場合薄く長い分Xbox360の時よりも若干重心のばらつきがある感じで、その分重さを感じたのかもしれません。

 

本体を開封すると、まず取り出し方の指示が。最初に箱とバランスボードの間に入っているスペーサを取り出し、そのあと箱を横にしてバランスボード本体を取り出す形ですね。スペーサ部分には電池とWiiFitのソフトが入っている形です。

バランスボード本体

バランスボード自体は丁寧に作られている印象。ただ、持った感触はかなりずっしり来ますね。まさに体重計という感じです。裏側に取っ手となるへこみが付いていて持ちやすくはなっていますけど。

 

本体裏側には4隅に丸い、多少ぐらつきのある脚が存在。どうやらこの部分の一つ一つが圧力センサとなっているようです(WiiFit起動後、裏返してこの丸い部分押すだけで反応を示したので)。Wiiリモコンがセンサーバーは実はただのLEDで、リモコン側にセンサ(カメラ)が付いている逆転の発想だったわけですが、この体重計も裏側の方にセンサが付いているのが、またまた逆転の発想という感じですね。

また、裏側には電池を入れるスペースがあり、ここにSYNCボタンが付いています。Wii本体のSYNCとバランスボード側のSYNCを押すことでWii本体にバランスボードを登録。説明書に寄れば、一つのWii本体には一台のバランスボードしか登録できず、バランスボードは4Pとして認識される模様。すでにリモコンが4Pに割り当てられていても解除されるようです。この、一台しか登録できないという仕様は、将来的にバランスボード2枚使って対戦とかは、考えていないと言うことなんでしょうかね?それとも、そのときはまた本体のファームアップで対応するのでしょうか。

Wii Fit起動

さて、バランスボードの設定も終わったのでいよいよWiiFitの起動。といいたいところなのですが、WiiFitのディスクをWii本体にセットしても一向に起動する様子無し。

 

おやっと思ってディスクドライブチャンネル部分をクリックすると、「Wii本体の更新」というメッセージが表示され、強制的に更新開始。OKボタンしか無いダイアログというのは、ちょっとどうかと思いますけど。おそらく、この更新はWiiFitの体重測定用の更新なんでしょう。WiiFitディスク内にファームが入っており、更新はすぐに完了します。

そしてWiiFitを起動すると、まずバランスボードの認識設定。すでに行っていればここはスキップされるでしょう。そしてその後、突然バランスボードのCGがうにょうにょ動きだし、ロボット音声で話し始めます。どうやら「ウィーボ」という名前のようで、彼がWiiFitの代表キャラ扱いのようです。見た目はまんまバランスボードなので、ちょっと気持ち悪いところも。

この後は、ウィーボの案内で初期設定が進みます。まずは本体のカレンダーの確認。ここで「合っていない」を選択した場合は自動的に本体設定メニューにとばされて設定することになります。その後は、Miiの登録。ここまでが基本的な初期設定となります。

からだ測定〜メニュー

続いて、身体測定に移ります。まずバランスボードの電源をONにした後、今度は着衣状態の設定をします。プリセットとして「薄着(-1kg)」、「厚着(-2kg)」が用意されており、それ以外は「その他」の部分で服の重さを設定します。続いて、重心のチェック。普通に立った状態で重心がどうなっているかを量ります。自分の場合は若干右後ろに重心が寄っている感じでしたね。こうしたズレに対し、身体によくないといったうんちくをウィーボが語ります。このあたりのノリはまんま脳トレです。そして同時に体重も測定されており、ここでBMIの値が表示されます。これに合わせてMiiの体格も変化するのが面白いですね。体重も一応見ることが出来ます。

この後、最初の測定として、基本バランステストが実施されます。これは左右に二つあるメーターに設定された青ラインに、重心を左右に傾けてぴったり合わせるというもの。これを制限時間内にどれだけ早くセットできるかに挑戦するもの。テスト後には、脳トレ同様「バランス年齢」なるものが表示されます。自分の場合は実年齢+3ぐらいでしたね。今回は事前に生年月日を入れており、その年齢も考慮した判定になっている模様。ですので、極端に実年齢とかけ離れた年齢にはしないようにしているんでしょうね。そしてその後、DSのトレーニングシリーズではおなじみとなったハンコ押し。Wiiだけに、ポインティング+3Dでハンコが押せます。

その後、具体的に直近の目標設定。体重をどれだけ、どのくらいの期間で減らしたいか、といった値を設定するもので、一応無理そうだったら後から随時変更するよう、ウィーボに言われます。この手の健康系はモチベーションを保つのが大変なので、その一つという感じですね。また、体重などのプライバシーに配慮して、パスワード設定も出来ます。Wiiでは極力パスワードという難しい概念は排除していましたが、さすがにここでは必要になったようですね。

これで追加登録メンバーがいないようなら、ようやく最初の設定が終了、メニューが表示されることになります。メニューはカレンダーが表示され、Miiが横にたたずむ形。Miiの顔や身体、脚にポイントするとびっくりしたアクションをとったり、うしろをたまにウィーボが駆け抜けてびっくりしたりと、遊び心を忘れないのは任天堂らしいところですね。

レーニン

測定が終わった後は、自由にトレーニングすることができます。トレーニングを始める前に、男性か女性かトレーナーを選ぶことが出来ます。自分は女性を選択。なかなか美人なトレーナーなのですが、しゃべっていても口パクすらしないのはどうかと。

レーニングは「ヨガ」「筋トレ」「有酸素運動」「バランスゲーム」に分かれています。初日ですので、自分はまだそれぞれ1〜2個プレイした程度ですが、どれもなかなかシンプルながら面白いですね。ヨガや筋トレは、解説を選択するとまずトレーナーが具体的に見本を見せてくれ、どういった動きをすればいいのか教えてくれます。その後、実践をプレイ。トレーナーの向きに合わせて、自分も同様に身体を動かします。トレーナーは向かい合わせと背中の両方を選べるようになっており、向かい合わせの時はちゃんと鏡面のように動いてくれるので、基本的に画面を見ながら手足を合わせて動かせばいい感じです。

レーニング中も、バランスボードでの重心チェックは行われます。特に身体を動かしながらも重心は一定に保たなければいけないトレーニングなどは、画面に制限領域が黄色く表示され、その部分に重心が維持することが必要になります。これが結構むずかしいですね。自分の場合、とくに左足で身体を支えるトレーニングが弱く、鍛える必要がありそうです。トレーニング後は、その重心維持の状態をチェックして点数が付けられ、5段階でランク付けされます。点数の付け方は比較的甘めな印象でしょうか。高齢者がプレイすることなども想定しているからでしょうね。

その他、有酸素運動とバランスゲームは、Miiを使ったゲーム感覚。フラフープは腰を振ってフラフープを回転、途中で追加のフープを投げてくるのでそれを身体を片方に片方に傾けて受け取る形ですね。自分はムキになって腰を振って結構な負荷がかかりました。また、「踏み台リズム」は画面の足跡に合わせてバランスボードに後ろから乗ったり横に降りたりをします。シンプルなDDRという感じでしょうか。横に移動するのがちょっととまどいました。また、ジョギングではバランスボードを利用せず、リモコンをポケットor手でもって実施。画面に表示された島の風景を見ながらその場足踏みするだけなんですが、ちょっとしたランニング感覚を味わえます。欲を言えば、BGMがないので何か好きな曲を自由にかけられるとよかったのですが。

バランスゲームでは、ヘディングやスキー、スキージャンプなどが遊べます。ヘディングは挑戦しましたが思ったよりも難しいですね。ちょうど自分と重なった真ん中の部分からボールが飛んでくるため、方向に気づいてから急に身体を傾けても間に合わないことが多かったです。かなり反射神経が要求される感じ。スキーは左右の重心で回転、前に傾けると加速ですが、これは逆に思った以上に左右に急激に曲がることができるため関門通過に結構とまどりました。スキージャンプは最初かがんだ状態でスタートし、タイミングを合わせて膝を伸ばしてジャンプ。空中ではバランスに気を付けるだけで大ジャンプでき、比較的簡単でした。

これらトレーニングをプレイすると、そのプレイ時間に応じて「運動貯金」というのが豚型貯金箱に貯められます。これがたまってくると新トレーニングがプレイできるようになる感じですね。これも、一つのトレーニングに対するモチベーションというところでしょうか。どの運動も、簡単な運動ながら宮本氏の言っていたように思ったよりもからだが熱くなってきて、汗がにじんできたりします。具体的な消費カロリー表示などがないのは残念ですが、ある程度の運動量はあったことは身体で実感できる感じですね。

Wiiチャンネルメニューに独自チャンネルも追加可能

WiiFitの特徴的なところとして、共通設定で「チャンネルを追加」を選んでやると、Wiiチャンネルメニューに「WiiFitチャンネル」というものを追加することが出来ます。

 

これはWiiFitのうち、からだ測定部分とメニュー部分とを抽出したような内容になっており、ここだけで毎日のからだ測定&ハンコ押しが出来るようになっています。メニューも組み込まれているので、WiiFitのディスクを挿入すればそのままトレーニングもプレイできます。挿入していないと、挿入を促すメニューが出る形ですね。このあたり、出来る限りシームレスにつながるよう努力している跡がうかがえて好印象です。

まとめ〜「Wii版トレーニング」の丁寧なつくり

以上、ざっと一通りファーストインプレッションとして触れてきましたが、全体を通じて感じたのは、まさに脳トレをはじめとする任天堂レーニングシリーズをWiiに持ってきた感じですね。そして、その一つ一つの要素が実に丁寧に作られています。トレーニング前にバランスを崩しやすそうなものだったら逐次対応した注意メッセージを出したりと、幅広い年齢が使用することを意識した作りになっていますね。各ミニゲームはWiiSportsと同様、ゲーマーが必死にやりこむ、というほどではないとは思いますが、どれもそれなりに完璧にこなすのは難しく、ヨガや筋トレにしても好スコアを取るためには努力が必要になります。このあたりの難易度のさじ加減も任天堂らしいという感じでしょうか。

個人的には、フィットネス系と言うことで内容には期待してなかったのですが、第一印象は思ったよりもよかったですね。重心を使ったアナログなコントロール感覚は確かに斬新で、これまでとは違った感覚を伝えてくれます。また、自分なんかだと左足一本での体重保持などでネックが見られましたので、「実際に身体を鍛えないといい点がとれない」というのも面白い要素のように思います。

ただ、欠点としてはやはりバランスボードがでかいこと。重量もそこそこしますし、WiiFitをプレイするたびに設置し、終わったらしまうという手間が発生すると少々面倒です。また、トレーニングの中には結構なスペースを要求するものもあります。手と足を前後に差し出すもの、ステップで前後左右に移動するものなど、バランスボード一枚の面積ではたりず、それなりの領域が必要になります。狭い部屋やごちゃごちゃと荷物を置いた部屋だったりすると、プレイ中手足が物にあたることもあり、WiiSportsのときと似たようなトラブルはありそうですね。他にもバランスボードの段差で躓いたり、実際にジャンプしてしまったりで怪我の危険なども怖いところ。一応ゲーム中で繰り返し警告はしているんですけどね。このあたりは、からだを動かすことを主とする、Wii潜在的に抱えたリスクなのである程度はどうしようもないでしょうね。あと、WiiSportsと違って複数人同時にプレイできる物が「二人でジョギング」ぐらいしかないのも、WiiSportsに比べると弱いところ。パーティゲームとしてではなく、家族の生活の中の一部として存在する、そんな感じのところをイメージしているのかもしれません。

今年の年末商戦のWiiの目玉であるWiiFit。8800円と値段は高いですが、重心移動による新しい操作感を楽しみたい人、忙しくてジム通いは難しいけど家で少しは身体を動かしたいと思っている人など、結構おすすめなソフトだと思います。果たして、WiiSports以降のエンジン第2弾となれるかどうか、その売り上げ動向にも注目です。