Xbox360、バリューパック効果で初の週販PS3越え達成

11/1に発売されたXbox360バリューパック。自分も発売日に購入し、同梱のピニャータForza2のゲームとしての面白さに触れ、楽しくプレイしています。

従来の通常版から5000円の値下げ、そして上記バリューパック発売と同日発売されたOnly on Xbox360エースコンバット6、そしてアイドルマスターをはじめとする大量のプラチナコレクションの投入で、ネットや大手量販店では品切れが出るほどの売れ行きを見せていましたが、これまでがこれまでだけにそもそも出荷数が少ないことも予想され、実際の週販がどうなるのか関心を持っていました。

瞬間最大風速ながら、PS3を抜き「据置ゲーム機2位」に

そして今日、その週販の第一報が忍さんのところで公開されました。

Xbox360悲願の最下位脱出!PS3を抜いて据え置き機のNo.2へ、他|忍之閻魔帳

結果は、週販約16000台。PS3が約16000台と概数では一緒ですが、忍さんの記述によると僅差でXbox360が週販で初めて、PS3を上回った模様です。

正直、11/11には廉価版の新型PS3が出て週販が跳ね上がることが確定しているので、本当にこの一瞬しかPS3を抜けるタイミングは無かったんですよね。自分は、あまりに品切れ報告が多いため、「受注が少なく、MSの出荷がそもそも1万台ぐらいなんじゃ」とも思っていたのですが、本当になんとかPS3を上回るだけの出荷がされていたということのようですね。

これだけ僅差だと、メディアクリエイトの集計ではPS3の方が上の可能性も十分ありえます。また、これだけXbox360陣営におけるプラス要素を全て導入してもわずか17000台という厳しい見方も当然あるでしょう。

ただそれでも、これまで全く勝負にもなっていなかったPS3に、一週だけでも勝つことが出来たことは、Xbox360にとっては非常に意義があると言えるのではないでしょうか?このあたり、これまでどれだけXbox360の国内販売が苦しいものだったのかを、以下で振り返ってみたいと思います。

日本では爆死が続いていたXbox360

発売以来日本国内で壮絶なる爆死が続いていたXbox360。旧XBOXの爆死による悪印象、洋ゲーDOAX2などのオタクゲーなどへの偏り、高い故障率、大きな騒音etc.、とかくネガティブなイメージが強いことが苦戦の要因だったように思います。

こうした状況をうけ、とにかくXbox360の販売状況は悲惨でした。忍さんの記事でも、週販5桁に乗ったことが今回を含めてわずか7回。苦戦といわれているPS3でさえ、1万台を割った週がわずかに5週ほどあるだけですからね。以下のサイトを見ると、これまでの週販の経緯を確認して頂けるかと思います。

ゲームデータの部屋WiiとPS3とXBOX360 - 週間ハード販売台数

Xbox360の場合、9月2,3週にはなんと、週販1000台以下と、現役ハードとは思えないほどのどん底を味わっています。ネット上でのユーザーの評価は高くとも、こうした低調な売り上げを見ても、ほとんどの人たちには相手にされていなかったことが分かります。

こうした状況の時期からXbox360のユーザだった人からしてみたら、今回瞬間的とはいえXbox360PS3を週販で抜いたというのは感慨深いものがあるんじゃないでしょうか。

海外では好調を継続

一方でホームである北米などでは未だに好調。キラーソフトHALO3が出て以降の週販ではWiiと本体台数で拮抗、PS3にはダブルスコア以上の大差をつけて圧勝しており、ソフト売上に関してはWiiさえもぶっちぎってミリオン連発など、日本とはずいぶんと異なった傾向を見せています。

Game*Spark - : 北米 Weeklyソフト売り上げランキングTOP20 (27th October 2007) by Kako

欧州でも、今年度の売上ではPS3に負けているようですが、トータルの販売台数としては1200万台を越え、確固たる存在感を示しています。絶好調が続くWiiには1年を立たず抜かれてしまいましたが、同じHDゲーム機であるPS3に対しては1年のアドバンテージを生かして未だ600万台以上の大差を維持しています。

Video Game Chartz d

一応、PS3自体はXbox360とロンチ時期をそろえた場合には、ほぼ同じような販売台数推移になっています。ただ、同じように推移している分差はあまり詰まってきていませんし、発売されるタイトルは海外ではPS3Xbox360のマルチ同発が当たり前の状況。そうした意味では、今後も海外ではいい勝負が出来ていけるように思えます。マルチタイトルではXbox360の方がPCゲームと性質が似ている分、グラフィックなどの面で評価が高いソフトが多いのも、有利な点だと言えるでしょう。

今回の売上増加をどこまで継続できるか

こうした海外での好調さ、そしてPS3だけではHDゲームは開発費をペイできない状況が、国内サードでもマルチ展開を見せるところが増えてきています。これが、Xbox360に追い風になっている感はありますね。苦手としていたバリエーション、和ゲーなども徐々に増えてきていますし、今回の躍進もエースコンバット6の影響が大きいですしね。

ただ、なんだかんだ言ってブランドイメージが高いのはPS3。ゲームに詳しくない人だと、Xbox360の存在すら知らない可能性もありますからね。「同じゲームが出るならPS3の方が安心」というところもあるでしょう。値段的な差がそこまで無いだけに、国内でのPS3の対決では、やはり同じマルチタイトルでもXbox360を先に発売するなどの戦略が必要かもしれません。(今は、逆にCoD4ギターヒーロー3などでPS3の方が先の発売がされている状態ですけど。)

今週に入っても品切れが続くXbox360バリューパック。11/11の新型PS3PS3の販売が跳ね上がるのが明確なだけに、それまでに多く打っておかなければ行けない中での品切れは、非常に痛い機会損失ですね。果たして、11/11を過ぎてもXbox360が勢いを継続できるかどうか。一応、今年の年末はアサシンクリードロストオデッセイと、大作ソフトとしては一番充実しているハードではあるのですが、果たしてXbox360全体をどの程度牽引しますか。


P.S.
メディアクリエイトでも辛うじてPS3を上回ったようですね。

Xbox360  17,673
PS3 17,434

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