WiiでPS2コントローラを使用 〜 GCコンバータ「マジカルウィー」レビュー

リモコンによる直感操作が売りのWii。移動などでアナログスティックが必要なゲームでは、さらにヌンチャクをつなげてプレイすることが一般的となっています。

一方で、バーチャルコンソールで配給されるソフト、特にスーパーファミコン以降のソフトなどはリモコンだけでは操作しづらいものも多く、こうしたゲーム用に「クラシックコントローラー」という別のコントローラを利用することになります。ただ、このクラコン、リモコンに有線で接続するというなんともいまいちな形態。さらに、PS2DUALSHOCKなどと比べるとグリップがないことでホールド感もあまりよくなく、L,Rボタンもストロークがちょっと深かったりして、個人的にはあまり使いやすいコントローラとは思っていません。

これに対して、VCではゲームキューブのコントローラも使えるため、こちらを使うという手もあります。ただ、ゲームキューブのコントローラも結構独特な形状ですし、できれば使い慣れたPS2コントローラを使えたら、という思いがありました。特に自分はPS2ではワイヤレスコントローラを使っていたので、これが使い回せたらいいのに、と思っていたんですよね。

そんな中、ふと家電量販店をぶらついていたところ、「PS2コントローラをWiiで使える!」という商品が880円で売っていたので、購入してみました。

ふざけたパッケージ〜実際は過去の製品のリパッケージ品

購入した商品は以下のもの。「マジカルウィー」という商品ですね。

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なんか、赤塚不二夫みたいな絵柄で魔法少女が描かれていて、ひどいパッケージですね。このパッケージにした責任者出てこい、という感じですw。

販売元、UGAMEのブログでの商品紹介エントリが以下のもの。

新製品『マジカルウィー』のご案内 UGAMEブログ/ウェブリブログ

こちらによれば、どうやら元々ゲームキューブ用に出していた過去の製品「GCコンバーター」のロゴを変えてリパッケージした形の商品のようです。Wii向けに使えることをアピールするためにパッケージを変えたんでしょうが、何もこんな恥ずかしいパッケージにしなくても、と思うんですけどね。素直に他のWii周辺機器のように白いパッケージにして、目立つ文字で「PS2のコントローラをWiiでも使える!」と書いておいた方が、少なくともレジには持って行きやすかったと思います。

さて、ここからはマジカルウィーを実際に使ってみた感想です

使用したコードレスコントローラ

まず、使用したコントローラですが、できれば標準的なDUALSHOCK2で試してみたかったところですが、あいにく手元に無し。というのも、PS2用には以下のロジクール製ワイヤレスコントローラ、「コードレス コンパクト コントローラ」をメインに使っており、DUALSHOCK2は実家に置いてきてしまっているからなんですよね。

コードレス コンパクト コントローラ (黒)

コードレス コンパクト コントローラ (黒)

ちなみに、このコントローラについてのレビューは以下の記事が詳しいです。

超便利! ワイヤレスコントローラを試す - 不定期連載 ゲームグッズ研究所【第15回】
コードレスコントローラーは本当に便利? コードレスがゲームに福音を - [プレイステーション]All About

このコントローラの自分の感想としては、グリップ感は若干DUALSHOCK2より劣る感じ。小指が若干余る感じなんですよね。あと、○×□△ボタンのストロークが若干大きく、プレイしてたまに×ボタンが手垢で引っかかって戻らなくなることも。一方、アナログスティックは純正よりも堅く、遊びが少ない感じですね。ちょっとバネが強すぎで、微妙な操作がしづらいところもあります。

と、いろいろと純正と比べて使用感が悪い分はあるんですが、ワイヤレスでコントロールできるというメリットは何よりも大きいんですよね。特に、自分はテレビの上の棚にゲーム機を置いているので、ケーブルがあるとTV画面にかぶることもあるので。ワイヤレスの電源は、どれかボタンを押すと自動的にONに。以降はコントローラのレシーバに通電されている間はコントーラの電源も入りっぱなし、接続が切れたり5分以上操作しないと電源が落ちる感じですね。

以下、こうした純正コントローラとの違いをふまえた上で、マジカルウィーを使用した際のレポートはお読みください。

ボタン対応は固定

さて、実際に使用してみた感想です。確認したソフトはWiiでは「実況パワフルプロ野球Wii」、バーチャルコンソールはFC「グラディウスII」です。どっちも、クラコン推奨ソフトですね。

まず、ボタンについてですがPS2コントローラとGCコントローラとの対応は固定となっています。

ボタン対応表

基本的には、GCコントローラの物理的位置と対応している感じですね。A、BボタンがGCではAが右上・Bが右下になりますが、PS2では×、□に対応するため右下がりの傾きになります。PS2ゲームだと○がAボタン、×がBボタンの方が違和感ないんですけどね。GCのLRトリガーも、その上にZボタンがあるために、PS2のL1,R1はZボタンに割り当てられてしまい、L2,R2がLRトリガーへの対応となっています。GCコンバーターとしては正しい関係なのかもしれませんけど、単にクラコン代わりに使おうと思った場合には、できればLRトリガーはL1,R1に割り当てて欲しかったところですね。

ただ、実際にパワプロWiiで使用してみたかんじですが、○×△□についてはこの割り振りで正しいらしく、守備の際の送球はPS2版と同じ操作感でプレイできます。また、バッティング時の強振も、もともとWii版はZボタンでも強振になるように設定されていたので、R1で強振に切り替えることができて違和感はありません。かなりいい感じですね。アナログスティックでのバッティングも、PS2版との違和感はありませんでした。

一方、サクセスモードをプレイすると、LRボタンの違和感が発生します。パワプロではメニュー画面でのタブ切換がLRなのですが、これをL2,R2で行う必要があります。これだけなら慣れればなんとかなりそうなのですが、この反応がいまいち。もともとGCコントローラはLRがトリガー形状でアナログな入力感が強かったためか、PS2コントローラだとしっかり押し込まないとボタンが反応してくれないんですよね。軽くL2,R2を押しただけだと無反応なんですよね。これはかなりの違和感でした。メッセージスキップ時のように、ボタンを押しっぱなしにする操作ではそれほど違和感は無いのですが、タブ切換のように何回かボタンを押す操作では、一回一回グッと押し込まないと行けないため、リズム感がなくなります。この辺はちょっと残念なところでしたね。

また、バーチャルコンソールでの利用ですが、こちらは上述のA,Bボタンが×□に対応していることの違和感が多少あります。ただ、それ以外はクラコンよりも手になじんでいる分、操作しやすいですね。アナログスティックで移動操作もできるため、シューティングゲームにはファミコンであってもいい感じです。

振動機能も対応、常時通電が一部で問題に

次に特徴的なのは、「振動機能」に対応していることですね。GCでもワイヤレスコントローラとして「ウェーブバード」というものが存在します。

しかしこのウェーブバード、振動機能がついていないんですよね。それに対して、今回利用したコードレスコンパクトコントローラは、振動機能対応。ワイヤレスで振動も対応というのは、現状ではPS2コントローラ+コンバータというのが一番いい解なのかもしれませんね。クラコンも振動機能がついてないですし。

一方で、このコードレスコンパクトコントローラに固有の問題なのですが、非常に大きな問題が生じました。それは、「コントローラの電源が切れない」ということ。最初に書いたように、自分の利用するコードレスコントローラは、電源ON/OFF用の特別なボタンはなく、本体の電源が落ちると自動で切れる作りになっています。ただ、Wiiの場合WiiConnect24をONにしていると、どうやらGCコントローラポートに通電されっぱなし見たいなんですよね。このため、常にコントローラと接続されたままで、電源が切れません。5分間操作しないとスリープという機能も、なぜかうまく機能しないようです。PS2だとモードボタンを押してデジタルにすればコントローラ側の電源ランプが消えましたが、マジカルウィーはデジタル非対応なので、この電源ランプが5分たってもつきっぱなしでした。

このため、コードレスコンパクトコントローラの電源を落とすには、以下のどれかの方法をとる必要が生じます。

  • WiiConnect24の設定で「スタンバイ時に利用しない」にする
  • Wiiの電源を落とす(電源ボタン長押しで赤ランプにする)
  • マジカルウィーorレシーバーを抜く
  • コントローラの電池を抜く

とりあえず、自分はWiiConnect24のスタンバイ時使用をOFFにしました。こうすると、ランプは赤ランプになりますね。最近Wiiチャンネルもほとんど利用してませんし、WiiConnect24使ったゲームもしてませんからね。任天堂からのお知らせも、別にネットでチェックできますし、そちらの方が早いことも多いですからね。(というか、WiiWiiConnect24のためにわざわざGCコントローラポートに電気流さなくてもいいのに、と思うんですけどね。無駄な電気使っているというか。まあ、この手の「部分的に電源を落とす」というのは設計が難しいそうですけどね。)

もっとも、これは自分の使っているコードレスコンパクトコントローラ固有の問題なので、手動で電源OFFできるタイプのワイヤレスコントローラなら大丈夫だと思いますし、純正DUALSHOCK2ならそもそも起きない問題だと思いますが。

まとめ 〜 一度試してみる価値はあり

以上いろいろレビューしてみましたが、個人的な感想としては価格が1000円以下と安いこともあり、PS2コントローラを持っている人には一度試してみる価値があるかな、と思います。とくに、自分のようにGCを持っておらず、PS2からWiiに移行したような人には、使い慣れているコントローラが使える意義は大きいのではないでしょうか?

もっとも、上記で述べたように、ボタン割り当ての違和感、LRの反応の悪さ、コードレスコントローラの自動スリープ不具合など、問題点はあるので、この辺をどうとらえるかですね。今後、Wiiリモコンに接続するPS2コントローラコンバータとか出てくると、完全クラコン置き換えも出来ておもしろそうな気もするんですけど。この手のコントローラビジネスがWiiでももうちょっと盛んになってくるといいですね。