シュリンク版Xbox360「Falcon」出荷中?!〜錯綜する情報

HDゲーム機として世界規模でガチで勝負しているPS3。国内ではお話にならない爆死レベルながら、北米での圧倒的存在感でミリオンソフトを連発しているXbox360が、世界的には有利な展開をしているように思われます。

自分も、ニコニコ動画アイマスMADにはまり、WiiやDSの中途半端なネット機能に歯がゆさを感じていたこともあってXboxのネット対戦機能に関心も持っているため、Xbox360本体の購入もまじめに検討はしています。ただ、自作PCでもとにかく静音PCにこだわり、故障の少ない枯れたパーツ・ブランドを中心に組む傾向もある自分なので、Xbox360の爆音ドライブ、30%の脅威の故障率、それでいてリコールせず販売続行という姿勢にドン引きしているというのも、また一つ自分の中の事実としてあります。

そんな自分にとって購入のきっかけになるかな、と思っていたのが、シュリンクLSIを載せて熱対策が施されたという「Falcon」の存在。故障率も下がり、ドライブの爆音も下がってきたなら、すぐにでも購入してもいいかな、と思っているんですよね。

その「Falcon」についてですが、なにかと噂が絶えないのですが、engadgetさんのところで「すでに出荷済み」という情報が報告されています。

シュリンク版Xbox 360「Falcon」ついに出荷開始? - Engadget Japanese

明確なモデルチェンジアナウンスはなし〜シュリンクはCPUのみ?

engadgetさんのところの情報によれば、どうやら明確なアナウンスはなしに、混在された形で出荷されているようですね。ネットでもいくつか報告があるようですが、最近発売されたHalo3エディションであっても新型と旧型が混在した形で出荷されているみたいです。

また、新型についても、どうやらシュリンクされているのはCPUのみで、問題のグラフィックチップはまだシュリンクされていないみたいですね。日経エレクトロニクスが検証したときの考察では、GPUの温度が100度を超えそうになるなど、こっちが問題がありそうだと言われていただけに、根本的な解決にはなっていないのかも知れません。

Xbox 360のどこが壊れやすいのか - 日経エレクトロニクス - Tech-On!

また、ポケットニュースさんのところでは、具体的に新旧の内部比較画像を紹介されています。
ポケットニュース: 65nmシュリンク版XBOX360「Falcon」出荷開始

これを見ると、新型の基盤では、これまで銅製の巨大なCPUヒートシンクがついていたのが、シンプルなアルミ製CPUヒートシンクに変わっている模様。CPUのシュリンクの結果発熱が減ったからヒートシンクが簡略化された、ということなのかもしれませんが、わざわざ放熱効果の低いヒートシンクに変えるというのは、単にコストダウンの一環という感じもしますね。

それ以外の基盤のところを見ても、パターンはそのままで、部分的に新型では空きパターンのあるところなどが見受けられます。こうしてみると、基盤の再設計などは行っておらず、微妙な改良を行っただけという印象が強いですね。

すべて改良版でまとめた明確なパッケージの発売を

Xbox360は現在、日本ではそのソフトのラインナップからは想像できないほどの壮絶な爆死が続いています。週販が1500台前後とかですからね。全体の販売台数でも、1年先行したにもかかわらずまだ50万台くらいですし。この状態に、MSの本体からも「とりあえず重要な市場である欧州に注力」というコメントが出てしまってますしね。

Bloomberg.com: Investment Tools

日本では海外に比べて最初から比較的安い価格設定で、最近の北米の値下げで同じぐらいの水準に落ちてきたような状態。ソフトラインナップもそろってきていることから、MS的には日本でこれ以上売上伸ばすことについてお手上げ状態なのかもしれませんね。

とはいえ、本体50万台程度では、日本をメインターゲットのゲームではなかなかペイできるものではないでしょう。海外ではXbox360PS3でマルチになっているソフトでさえ、日本ではPS3のみの販売でXbox360版は様子見とかも出てきてしまっています。比較的制作しやすい環境、HDゲーム機としては安い価格設定とはいえ、まずはもっと本体を売っていかないと市場が広まらないと思うんですよね。

爆音・高故障率という、日本人が嫌いそうな要素を抱えているのもXbox360が受けづらい一因でもあるでしょう。そうした意味では今回のシュリンク版のように、爆音&故障率をクリアしていく取り組みは非常に重要だと思います。今回のように、裏でこっそり入れ替え、とかやられていても、なかなか消費者には伝わってこないのではないでしょうか?

せめて、ソニーがやっていたように、型番を変えてドライブやシュリンクチップ、ヒートシンクなどが全て改良版でそろったものを、消費者に分かりやすい形で提示すべきでしょう。とりあえず、いい機会としては10/11に発売するEliteでしょうか。上位モデルで47800円と高いので、一般向けではないですが、まずはXbox360を買いたいと思っているが故障率などに尻込みしているユーザー向けに、分かりやすい改良版を用意した方がいいと思います。

とかく日本でのグダグダ具合が目立つMSの戦略。他の陣営もいまいちのばせていないこの時期だからこそ、気合いの入った顧客志向の戦略を見せて欲しいところです。