TGS2007開幕〜大きなサプライズはなかったSCE平井氏基調講演
本日からいよいよ開催された東京ゲームショウ。今年からビジネスデーの縛りが強くなったようですが、なんだかんだ言っていろいろな方が行っているようですね。
今日の開催に先駆け、昨日のエントリではPS3振動コントローラ復活と、それに付随するサプライズ要素をいろいろ予想してみました。
わぱのつれづれ日記 - PS3に振動付きSIXAXIS登場?!〜東京ゲームショウで発表か
そしていよいよ平井氏の講演が行われた訳ですが、噂通り振動コントローラ「DUALSHOCK3」の発表はあったものの、値下げや新規大型タイトルなどは特になく、大きなサプライズ要素には欠ける講演だったようです。
東京ゲームショウ、「TGSフォーラム2007」基調講演。SCE・平井一夫社長兼CEO、PS3新コントローラ「DUALSHOCK 3」など発表
ITmedia +D Games:平井一夫氏基調講演リポート――原点を見つめ直し、楽しいゲームを提供することが最優先課題 (1/2)
DUALSHOCK3は過去のソフトも多数対応
まず、最大のサプライズ要素として語られた振動機能復活のDUALSHOCK。価格はまだ未定のようです。
SCEJ、PS3用コントローラ「DUALSHOCK 3」発売決定。6軸検出システムに振動機能を追加
振動機能復活を「ユーザーの声に答え技術的課題をなんとか突破した」と答えていますが、ユーザーの声に答えるというのは合っていると思いますが、実際はImmersionとの特許訴訟がそもそもの原因なのは明白なんですけどね。
少し驚いたのは対応予定ソフトの数ですね。今後発売予定ソフトでも多くが対応予定名だけでなく、すでに発売済みのソフトも多く含まれています。
こうした過去のゲームも一気に振動対応にできるというのは、HDD標準搭載のPS3の強みでもありますよね。もっとも、PS3発売時点ですでにImmersionとは和解検討を進めており、最初から過去のゲームにも振動機能は実は入っていたのかも知れませんね。各ソフトメーカー、振動についてはPS2時代にさんざんノウハウを積んでいたわけですし。(もちろん、真相は開発者とかの話を聞かないと分かりませんが。)
11月にDUALSHOCK3同梱&コストダウン版の投入はありうる?
あと、気になるのはリリース時期ですね。即時販売課と思いきや、思ったより遅くて11月。海外では2008年春となっています。現状、別売周辺機器としての販売しか公表されていませんので、もしかしたらこのタイミングで日本、海外それぞれ同梱本体がでるのかもしれませんね。
今回値下げについて明確なアナウンスはなかったですが、海外ではすでにPS2互換低下のコストダウン版が市場投入されています。日本での投入が遅れているのは、おそらく「作りすぎて在庫がある」ということのように思います。ただでさえ逆ざやな以上、出来る限りコストダウン版を早く市場投入する方が当たり前ですからね。それができないというのは、すでに作ってしまった分が結構あり、それが予想より捌けるのが遅れているということではないでしょうか?
年末商戦では、今の週販1万強程度とは比べものにならない台数が売れることでしょう。そうなると、そこでは当然コストダウン版を売りたいところ。そう考えれば、11月という時期は年末商戦にも間に合いますし、ちょうどいい時期のように感じますね。できれば、値下げとDUALSHOCK3同梱もあって欲しいところですが、海外同様HDD増量で値段据え置き、という展開も今回の講演聞いているとありそうですね。
PSPがらみは地味だが魅力的な更新
その他の発表では、PSPがらみが魅力ですね。一つはPS3を介さなくてもPS1のゲームがPSPでプレイできるようになったこと。
SCEJ、「PLAYSTATION Store」がPCでも利用可能に! PSP専用コンテンツをPC経由でダウンロード
PSPは軽くなってロードも高速になった新型PSPが発売され、久しぶりにDSを週販で抜いて一位になったりして好調。高いPS3を買わなくてもPSPを活用できるのは、主要ユーザーの中高生にはうれしいところでしょう。
もう一つはPSPからリモートでPS3の電源をON/OFFできることでしょうか。
この機能により、PS3のホームサーバーとしての使い勝手が上がったほか、外出先でのゲームプレイなんて離れ業もできるようになった訳ですね。もっとも、遅延があるのでアクション性の多い物は難しいでしょうが、ADVやSRPGなんかは出来そうな感じです。会社や大学でこっそり無線LANに繋いでゲームプレイなんてこともやっちゃう人も出てくるかもしれませんね。
現状維持のPS3、忍耐の年末商戦
以上を見ると、PS3は特に大きなサプライズもなく、現状維持ということになりますね。現在の不利な状況で現状維持な訳ですから、この年末商戦はかなり忍耐のいる展開になりそうです。PS3の場合、価格からしても直接かち合うのはXbox360。まずは日本でXbox360に追い上げられないこと。日本でXbox360が日の目をみないままなら、サードのマルチソフトも海外では発売しても日本で未発売、という展開も残されていますので。後、海外で突き放されないことも重要ですが、北米ではXbox360やHALO3がありますし、E3などで高い評価を受けているアサシンクリードもXbox360の発売が決定しているなど、こちらはかなり厳しい戦いとなりそうです。
またWiiについては、正直Wiiからしてみると敵はPS3やXbox360というより、岩田氏や宮本氏の言うとおり「世間の無関心」でしょうね。コアゲーマーの中にはどうしてもWiiの路線が受け入れない人がいるのも当然でしょうし、任天堂もそうした人まで無理に奪ってこようとは考えていないでしょう。とにかく、拡大したユーザーを定着化してお得意様にすること、そしてさらに幅を広げてまだまだ新規ユーザーを増やすことが重要な訳です。結果的に他のプラットホームが衰退すれば、数の論理でDSのようにコアゲーマーも集まってきますが、それはどちらかというと結果的についてくるところではないでしょうか?ですので、PS3から見た場合、基本的には「WiiがDSみたいな異常な年末の伸びを見せないこと」を期待する、という感じでしょうか。
SCE的には、Xbox360に対してはとにかく「HDゲーム機No.1」という争いを、なんとか今回発表された実弾で戦っていくことが必要です。そしてWiiに対しては、できればPSPやPS2などを使って既存ユーザが離れるのを防ぎ、あとはWiiが飽きられて自滅することを待つという感じでしょうか。基本的には耐える形の年末商戦になるようには思いますが、Wii&Xbox360に圧勝されてしまうと真面目にやばいと思うので、来年以降につながるよう頑張る必要があるでしょうね。