松野泰己氏が任天堂でWii用RPG開発中?!

昨日のエントリで、風来のシレン3Wiiで出ることを紹介しましたが、他にも本格的ゲームがWiiに出てくる可能性について、N-Wii.netさんのところで面白いエントリを掲載されています。

元スクエニの松野氏とモノリスソフト、Wii向け新作RPGを制作中? | N-Wii.net

元々の記事はイギリスのゲーム雑誌NGamerに載っていたインタビューで、海外のneogafでその転載がされていたものを2chで和訳されたもののようですね。内容としては、松野泰己氏と任天堂の関わり方、という感じですね。

松野氏の近況〜任天堂モノリスRPG開発?

松野氏といえば、クエストでのオウガバトルシリーズで有名で、とにかくコアなファンを持っていることでも知られます。FFXIIでも最初から関わっていましたが途中で降板、退社していてメディア露出がほとんどない状態となり、いろいろと噂されていた人物でもあります。

松野泰己 - Wikipedia

しかし、Wiiの発表の際に久しぶりにメディアの前に露出、任天堂と何らかの関連を持っているであろう事は予想されていましたが、今回紹介された記事の内容は、その裏の情報を補完する物としてはしっくり来る感じですね。

面白いのは、松野氏が完全に任天堂所属扱いということ、岩田社長自身が任天堂独自RPGを欲していたと言うこと、そして松野氏用の開発スタッフとしてモノリスを買収したということです。岩田社長がそこまでRPGに対して情熱を注ぎ、松野氏を高く評価、任天堂がこれまであまり行ってこなかった企業買収も、松野氏のためにおこなうというあたりが、なんともスケールの大きい話です。

ただ、たしかにバテンカイトスGC向けに出していたからと言って、わざわざ子会社化までするのはちょっと解せないところもありましたからね。松野氏向けに実力ある開発スタッフを集めたというのであればある程度しっくり来ます。スマブラXの中心人物である桜井氏も、先にスマブラXのタイトルを発表してから桜井氏に仕事依頼するという搦め手を使っていますし、自分のみこんだ人物には大胆な手を使ってくるのも、岩田社長らしいところなのかもしれません。

「ガキ向け」という印象からの脱却を目指して

任天堂というと、どうしても宮本茂氏という天才的開発者がいて、そのカラーに染まっている印象があります。マリオが中心のゲーム、そしてパーティゲームも多いため、家族向けもしくは子ども向けという印象が強いですよね。

そして、特に俗に言う「中二病」ゲームが弱い感じがします。任天堂タイトルとしては、ファイアーエムブレムぐらいでしょうか。実際、爆発的ヒットを見せているDSでも、中高生だけにしぼってみればPSPとそこそこな戦いになっているようですし、任天堂の苦手とするところですよね。この年代はゲームにかける情熱・時間も大きいだけにディープなゲーマーが多くいて、「子どもっぽいもの」を過剰に嫌うこともあります。そのため、任天堂の世間的にもたれている「子ども向け」な印象が、中高向けには大きなマイナス要因にもなっていることでしょう。

DSやWiiが好調な売り上げを見せていても、こうした中高生に嫌われてしまうと、ネットなどでは強烈なネガティブイメージが抱かれてしまう傾向があります。岩田社長も、あくまでゲーム層の拡大に主眼を置きながらも、弱点である部分の補強も重視していたと言うことなんでしょうね。

とりあえず、今年度はWiiで「マリオギャラクシー」、「スマブラX」、「マリカ」、「WiiFit」と強力なタイトルを連発する予定なので弾はそろっている状態ですが、どれもいかにも任天堂というタイトルでもあります。勝ちハードとして死角を減らすためには、様々なジャンルについて有力なソフトをそろえる必要があるでしょう。そうした意味で、任天堂自身が本格RPGタイトルを持つと言うことは、価値は大きいでしょうね。

あとは、松野氏のタイトルがどの程度中高生にうけるような作品になっているか。あまりディープな世界観すぎるとむしろおっさん向けになりかねませんからね。果たしてどういったタイトルが出てくるのか、今後の情報に注目したいと思います。