Xbox360用ハンドルコントローラでも不具合

お盆は任天堂が怒濤の不具合三連発、またゲーム以外でもノキア向け乾電池で松下が巨額の回収騒ぎと、何かと不具合が連続している最近ですが、デジタル機器としては異例の不良率を誇るXbox360で今度はハンドルコントローラに不具合があったようです。

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症状としては、ACアダプタを繋いでいると異常な発熱、もしくは発煙が生じる可能性があるというもの。電池駆動でなら問題ないと言うことですが、電池ではフォースフィードバック(FFB)が聞かないと言うことので、FFBがらみ、電源供給関連の不具合なのかもしれませんね。ただ、まだ原因の詳細は不明と言うことで、とりあえず注意喚起という意味では先日のフォーエバーブルー不具合と似たような対応ですね。今後、交換や修理対応などがおそらく行われていくのでしょう。

一般マスコミが一斉に報道

さて、今回の不具合ですが、事例的には本体の豪快な不具合に比べれば、規模としては小さい問題のように感じます。ただ、その割には各種一般マスコミが一斉に報道していますね。自分のよく見るBSニュースなどでも、ヘッドラインニュースとして繰り返し報道されていましたし、テレビでこの報道を見た人も多いでしょう。

Xboxコントローラーに不具合・発熱の恐れ - NIKKEI NET
Xbox別売りコントローラー、発熱や発煙の恐れ : 経済ニュース : 経済・マネー : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
asahi.com:Xboxの別売りコントローラーに不具合 発煙の恐れ - 社会

対象製品数としては、全世界的には23万台と結構な数ですが、日本ではわずか6000台。この程度の個数ながら、各種マスコミが報じているというのは、やはり案件が最近タイムリーな「発熱・発煙」という、安全性に直結するものだからでしょうか。以前、任天堂のDS用アダプタで発熱不具合があったときも、全国ニュースで流れていましたしね。危険性を広く知らしめて事故を未然に防ぐという意味でも、こうした報道の仕方はある程度理解できます。

Yahoo!ニュース - TBS系 - 任天堂「DS」用アダプターに過熱の恐れ

とはいえ、Xbox360知名度のなさや販売個数の少なさなどを考えると、ちょっと報道しすぎな感もないではありません。このあたりは、やはりマイクロソフトに対するイメージの悪さ、あとはマスコミに大量に広告費をばらまいている任天堂ソニーとの違いなんかが影響しているかもしれませんね。マイクロソフトアメリカの会社であるということも起因している可能性もあります。

不具合の連続に対してシビアな日本消費者

とはいえ、先日の本体の不具合のインパクトが大きかっただけに、今回の不具合は「またか」というイメージが大きいのも確かでしょう。

特に、日本ではこうした不具合・不祥事を連発する、ということに対して非常にシビアな見方がされます。一度失敗したら、同じような問題を繰り返さないだろう、というのが消費者がメーカーに対して持つ一般の意識なんですよね。最近の高度な技術では、なかなか不具合を出さないのは難しいわけですが、消費者がそれに併せて基準をゆるめたりはしないんですよね。これまで高評価だった任天堂ですら、連発するとさすがに文句を言われてしまうわけですし。

そして、マイクロソフトの場合、そもそもWindowsセキュリティホール連発で、相当日本人の意識として「品質意識が甘い」という認識が持たれていることでしょう。その中で、ハードウェアでも先日の本体不具合、そしてそれからまだ間もないのに今回のハンドル不具合ですから、そりゃイメージが悪くなると言うものです。

悪印象を払拭する対策は?

個人的には、最近Xbox360にかなり興味を持っており、チップシュリンク版などの情報をウォッチしたりしているのですが、正直こうした不具合連発に対してはうんざりさせられますね。任天堂のソフト不具合連発で、「まともにデバグしてないんじゃ?」という印象を持ったのと同様、MSに対しても「まともにハードの品質管理してないんじゃ?」という印象を持ってしまいます。仕事の仕方が、なんか雑な印象を感じてしまうんですよね。むしろ、PS3の方が未だ重大な不具合を出しておらず、品質については優秀なイメージがあります。なんだかんだ言って、世界的なハードメーカーですしね。品質に関してのノウハウも充実しているのでしょう。

世界的にはすでにWiiに抜かれてしまったらしいXbox360ですが(参考:N-Styles)、HDゲーム機としてはすでに1000万台も突破し、マルチソフトではXbox360版の方が高画質な物が多いなど、確固たる地位を築きつつあります。日本サードのソフトも徐々にマルチ展開が増えてきていますし、HDゲームについての選択肢としては悪くないとは思うのですが、日本での現在のお寒い状態、そしてたまに話題に上ればネガティブニュースという状況では、なかなか厳しいですよね。

とりあえず、シュリンク版の発売に合わせる形でもいいので、もうちょっとマイクロソフトには、日本での製品イメージアップに頑張ってもらいたいところです。奇をてらった受け狙いのマーケティングよりは、どちらかというと高品質・高性能といった堅実な意味でのアピールも行う必要があるように思います。もちろんそれだけでは存在感の無さがフォローできないので、なんらかの話題ソフトも必要でしょう。Wiiが外伝的位置づけのDQSでそれなりに盛り上がったように、Xbox360ブルードラゴンみたいな亜流ではなく、できればスクエニドラクエを外伝でもいいので出してもらえるといいんでしょうけどね。オタクゲームと洋ゲーという極端なラインナップでなく、日本人に普遍的にイメージのよい有名タイトルをとりあえず持ってくることも重要に感じます。MSのやる気に期待したいところです。