後藤弘茂氏 『WiiFit』について語る

IT、ゲーム関係で自分がよく利用しているimpress watch。そこでは小寺信良氏や本田雅一氏といった名物ライターがいるわけですが、その中でも特にディープな記事を書く人として、後藤弘茂氏が上げられると思います。

後藤氏の専門としては、基本的にはCPUやGPUなどの半導体チップについてだと思われますが、この分野で大きな影響力を持っていたCellやEEなどの影響で、ゲーム機のネタが度々取り上げられることもありました。特に、久夛良木氏についてはかなりの関心を寄せているらしく、バックナンバーを見ても何回も記事に取り上げていますよね。

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コンフィギュレーションが可能なPLAYSTATION 3〜SCEI 久夛良木健氏インタビュー(1) - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
ビジネスモデルを変革するためのPS3の価格戦略〜SCEI 久夛良木健氏インタビュー(2) - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
PS3は「e-Distribution」のためのプラットフォーム〜久夛良木健氏インタビュー(3) - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
Cellの家電搭載を阻む障壁〜SCEI 久夛良木健氏インタビュー(4) - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース

そんな後藤氏でしたが、先日の久夛良木氏退陣を受けてか、しばらくゲームネタがなりを潜めていました。そんな中、久しぶりに先週Xbox360についての話題を取り上げ、今週はWiiについての話となっています。

『Wii Fit』で見えてきたWiiの次のステップ - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース

この後藤氏の記事で、自分が把握していなかった項目も含まれていたので、取り上げてみたいと思います。

WiiFitはチャンネルとして本体へ格納?

後藤氏の記事で特に興味深かったのは以下の点。

Wii Fitは、(4)のWiiチャンネル型のアプリケーションとなる。少なくともBMI値など健康データの測定とその結果表示のプログラムは、Wiiチャンネルとして利用できる。Wiiチャンネル型アプリは、基本的にWii内蔵フラッシュメモリにインストールされる。ディスクを入れることなく、Wiiのランチャー型インターフェイスから、チャンネルとして選択することで利用できる。

これは、Wii Fitの使い方を考えれば当然の流れだ。使う度にディスクを入れ替えるのでは、継続して使ってくれるユーザーが限られるからだ。少なくともBMI測定は、思い立った時に、手軽にチャンネルの中から選んで使えなければ、Wii Fitは成り立たない。

WiiFitWiiバランスボードとセット、という意識が強くあったため、WiiFit部分がチャンネル形式で本体にインストールされるものだというのは全然知りませんでした。たしかに、後藤氏の主張にあるように、毎日ちょっとプレイしたいものなのに、ディスク入れ替えが生じることがあると抵抗感が上がってしまいますからね。とくに、どこでも手軽に短時間プレイできるDSと違い、Wiiは小型軽量であるとはいえなんだかんだ言っても据置ゲーム機。テレビの入力を外部入力にして、Wiiの電源入れて、という作業が発生する分、DSよりは「毎日起動」というのが大変なところも出てきます。このため、毎日使うアプリについては独立してチャンネル化されていることは、少しでもこの据置のデメリットを軽減する意味ではいいことだと思いますね。

ただ、一方でWiiFitがディスクで提供されるとなると、具体的にどうやってチャンネルとしてWii本体に登録するのか、興味深いところもあります。これまで、チャンネルの増加はあくまでショッピングチャンネルを経緯していました。ゲームをパッケージメディアからインストールするような形は見えていなかったんですよね。WiiFitで、内部の小さな機能をDSダウンロード機能みたく切り出して本体にインストールするようであれば、それは画期的な取り組みな訳です。おそらく、ファーム自体のアップデートがされる気がしますね。

はたしてWiiFitの販売形態と価格は?

それ以外の後藤氏の記事は、基本的にはインタフェースが増えることで目新しさを出している任天堂の路線を改めて説明しているだけという感じですね。インタフェースの目新しさだけでは驚きが続かないことは、岩田社長自身も自覚していてコメントにだしていますしね。今後任天堂自身がどういった路線をとってくるのかは、個人的に興味があるところです。

もっとも、とりあえずは新たに発売する周辺機器、Wiiバランスボードの価格、そしてそれを同梱すると思われるWiiFitをどの程度の価格帯で売ってくるのか、その点に注目したところです。また、今回のエントリで上げた、単独チャンネルとしてのインストールなども、今後他のゲームにも影響を与えそうなトピックだけに、詳細が出てくるのを待とうと思います。