新型PSP、9/20発売 〜 専用ワンセグチューナーも

携帯ゲーム機戦争と騒がれながら、同時期発売のニンテンドーDSに大差をつけられているPSP。ただ、PS3に比べればソフトもそろってきており、据置のPS2がしぼみ後継のPS3が伸び悩む中、PS好きゲーマーの受け皿としてゲーム機としても何気に伸びてきています。

PSPの問題点としては、長く耳障りなロード、でかくて重い本体などがあったわけですが、その2点を解消した新型が先日のE3で紹介されていました。そして本日開催された「PLAYSTATION PREMIERE 2007」という報道向けイベントで、日本での発売やカラーラインナップ、オプション品などが発表されました。

SCEJ、「PLAYSTATION PREMIERE 2007」開催 新型PSPはカラバリ6色で9月20日発売新型専用ワンセグチューナーなど発表【速報版】
ITmedia +D Games:新型「PSP-2000」9月20日に発売。ワンセグチューナーも登場

豊富なカラーバリエーションで同時発売〜ただし発売は2ヶ月後

発売日は9/20と、まだ2ヶ月も先。値段は19800円と、現在の20790円から約1000円の値下げとなりますね。そして今回はなんと、一気に6種類のカラーバリエーションでの発売。その色も、旧PSPのどぎついおもちゃのような色から、おしゃれでさっぱりとして色合いになっており、好感が持てますね。

もっとも、好みの問題だとは思いますが、個人的にはいかにも「プレイステーション」という見た目がいまいちな感じはします。どうせ新型にするなら、もっと思い切ったデザイン変更をしてもよかったのに、と思うんですけどね。まあ、新型で大きくデザインを変えない、というのはiPodの一部モデルを真似ているのかもしれませんが。

DSより先にワンセグチューナー発売 〜 ただし新型PSPのみ

さて、今回の発表で一番のサプライズだったのは、ワンセグチューナーの発売でしょうか。外付けで6800円。まあぼちぼちの価格というところでしょう。ニンテンドーDSの方が先にアナウンスしていたワンセグ機能ですが、結果的にPSPの方が早く発売しそうな感じです。

ただ、自分としてはむしろ遅すぎた発売のように思います。もともと、PSPにはワンセグで使われているコーデック、H.264の再生機能がありました。AAC音声もしかりです。UMDがそもそもH.264でしたしね。そう考えれば、あとはワンセグ受信をしてTSデータをPSPに取り込むことさえ出来れば、簡単にワンセグ再生ができる環境が整っていたように思います。それこそ、DSが最初に発表したときにでも。これは、DSワンセグチューナーが発表された当時にも言及しています(参考)。

それが、ここまで延期した理由として、もしかしたら旧型PSPに何か問題があった可能性はありますね。というのも、今回発表されたワンセグチューナーは、なんと新型PSP専用だからです。新型PSPの差別化要素として専用オプションにした、ということも考えられなくはないですが、すでに国内だけで600万台近く販売されているPSPの所有者の反感をかってまで、あえて取るほどの戦略には思えません。そうなると、やはり旧型では実現できない何かがあったのでは?と考えられるわけです。新型PSPでは内部メモリが増えているようなので、もしかするとこの辺に関係しているのかもしれませんね。

映像出力ケーブル 〜 ただしゲーム出力はD端子orコンポーネントのみ

他には、映像出力用としてD端子ケーブルやコンポーネントケーブル、さらにS端子やAVケーブルも。ただし、新型PSP発表時と同じスペックのままであるなら、以下のような制約事項があるので、注意が必要です。

出力解像度は、UMD/メモリースティック内の映像・静止画の場合、コンテンツによって異なるが最大720×480ピクセルまでをサポート。ゲームソフトの場合は480×272ピクセルで出力する。ただし、ゲームソフトはプログレッシブ出力のみの対応で、使用できるケーブルはD端子もしくはコンポーネントに限られる。また、表示するディスプレイもプログレッシブ表示に対応している必要がある。なお、ウェブ閲覧やPS3ソフトのリモートプレイ時の解像度は612×408ピクセルとなる。

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プログレッシブとインターレースの違いが分からない素人では分かりづらいところでしょうね。SD画質なのに、普通のSDテレビで映らないというのは、混乱を招きそうです。できれば、ファームアップなどでダウンスキャンコンバートに対応するといいんでしょうけど。(むしろ発売時からダウンスキャン対応が望ましいところですが。)

苦境のSCEを支える柱となれるか

以上、新型PSPについて紹介してきましたが、個人的にはPSPをまだ持っておらず、あのでかくて重い本体、そして長いロードと耳障りな音が改善されているであろうことで、興味がある本体ではあります。デザインはいまいち好きになれませんが、色合いとしてはフェリシアブルーなどは結構好きな色合いです。機能的には盛りだくさんで、デジタルガジェットとしての遊びもいろいろ出来そうですしね。欲しいソフトが出てきたら考えてもいい感じです。

あとは、一部のディープなユーザにとっては改造ファームが出てくるかどうかとかが重要な問題になってくるかもしれませんね。まあSCEのことですし、今回もなんかしらセキュリティホールがありそうな予感はしますけど。あと、いまさらメモリースティックPROデュオのみの対応というのも考え直してほしかったところです。

ニンテンドーDSには完敗状態ですが、PS3が伸び悩んでいる以上、SCEにとっては貴重な存在のPSPPS3も年末に向けていろいろタイトルが発表され、反転攻勢を仕掛ける体制をとっています。PSPPS3の相乗効果で、圧倒的勢いを見せる任天堂に対抗することができるか。今年の年末商戦は、SCEの今後を占う上でも非常に重要になってきそうです。


P.S.
上記旧PSPについての感想はイベントや店頭での試遊機、友人のものを自分が試してみた体験に基づいて述べた主観となります。実際に所有されている方とは異なる感想で、一部不快に思われる表現が含まれていることをお詫びいたします。