任天堂 イギリスで「マリオパーティ8」をリコール 〜 原因は差別用語か

好調が続き株価もすごいことになっている任天堂。ただそんな任天堂に、イギリスで7/13に発売したばかりの「マリオパーティ8」でリコール騒ぎがあったようです。この件については、すでに公式サイトでアナウンスが出ています。

Mario Party 8 Announcement - NINTENDO

上記アナウンスでは「組み立て時のエラーにより、誤ったバージョンのディスクを含んだパッケージが少量発生したため、全品回収することにした」となっており、具体的にどういったエラーが生じたのかは書いてありませんが、どうやらGameSparkの記事によると、ゲーム内で使われている言葉の一部に、差別用語が含まれていたことが原因ではないかと言われているようです。

Game*Spark - : 原因はたった一つの単語?『マリオパーティ8』がイギリスでリコールの対象に by riot_兄

ゲーム関連では、最近PS3レジスタンスでマンチェスター聖堂を舞台とした銃撃戦があり、イギリスで社会問題にまで発展するなど、度々世間を騒がす問題が起きていましたが(参考)、今度は任天堂がミスを犯してしまったようですね。

原因は一部の差別用語

対象となった言葉は、今のところ「spastic」というもののようです。英辞郎で調べると「痙性麻痺者」という意味があるようですね。

検索文字列 : Spastic - スペースアルク:英辞郎検索結果

日本でも、子どもの頃から何気なしに使っていた言葉が、実は語源を調べると身体障害者を指すものであり、後に放送禁止用語になっている例が多数あります。そうした語源に気が付かず、未だについ使ってしまってしまう人もいるのではないでしょうか?こうした差別用語放送禁止用語は、健常者からすると「なんだそんなこと」と思われる人がいるかもしれませんが、実際に障害者の中でこうした言葉を嫌がる方がいる以上、あえて使わなければならない言葉ではないですよね。他の表現が使えるのならば、出来る限りこうした言葉は避けたほういいでしょう。

任天堂もこうした言葉遣いには注意するほうだと思ったのですが、実際にリコールにつながるほどのミスを犯してしまうとは、ちょっと意外でしたね。まあ、任天堂のアナウンスの日付が7/13と発売日と同日であることから、もしかしたら発売前に直していたつもりだったのに、誤って直す前のバージョンが製品に紛れ込まれて出荷されてしまった、ということなのかもしれません。一応公式アナウンスの書き方はそういうニュアンスですしね。ただ、実際に初回出荷の全てにこの差別用語が含まれているのか、それとも一部だけなのかはよく分かっていません。それに、一部だとしてもそれが混入してしまうような体制もそれはそれで問題がありそうです。

発売前に気づける体制を

ともあれ、素早い対処を行っているあたり、相変わらずこの手の回収対応にお金を惜しまない任天堂らしい対応な感じです。初回出荷分を全品回収し、プレスし直して出荷するのでも、相当な出費はかかりそうですからね。ただ、実際に差別用語が回収理由ならば、そのことをアナウンスにもちゃんと記載すべきだと思うんですけどね。具体的なリコール理由はもうちょっと明確に説明すべきだと思います。

レジスタンスの問題が英国会でも取り上げられるほどの騒ぎになるほど、この手の問題は大きな社会問題にまで発展する危険性を含んでいます。ゲームに対する冷たい目線というのも依然として強く存在しているだけに、今後はできるかぎり発売前にこうした問題を排除できるよう、チェック体制を厳しくしていただきたいものですね。


P.S.
マリオパーティ8は米国でもすでに発売済みですが、こちらは回収対象となっていません。どうやら、spasticという言葉の持つ重みがイギリスとアメリカで異なるようですね。以下のリンクによれば、以前タイガーウッズも同様のミスを行ってしまったそうです。
OFF-MIKE /blog version:0625「口は災いの・・・」06/04/17