PS3 北米で60GB版が100ドル値下げ 〜 価格帯には変化なし

苦戦の伝えられるPS3、その大きな要因として価格が他機種より高いことが上げられており、今週行われるE3でいよいよ値下げ発表が行われるのではという憶測が流れていましたが、本日北米版の展開が正式にアナウンスされました。

米SCEA、PS3の80GBモデルを8月に発売、60GBは値下げ。日本では値下げの予定はなし
ITmedia News:[WSJ] PS3、米国で100ドル値下げ

苦心の跡が伺えるラインナップ設定

形式的にはあくまでモデルの入れ替えが行われた、という感じですね。これまでは499ドルで20GBモデル、599ドルで60GBモデルを売っていたのが、499ドルで60GBモデル、599ドルで80GBモデルが売られるようになった、という感じです。

売れ筋だった60GBに限ってみれば100ドルの値下げということになりますね。ただ、20GBモデルがなくなっているために最低価格が引き下げられた訳ではなく、価格帯が変わっていない分あまり値下げされた印象は受けませんね。そもそも80GBと60GBで100ドルも違うのも解せません。2.5GBのHDDで、バルクだったら60GBと80GBじゃ対して価格差ないんですよね。アキバ価格なら、日立製5200rpmのもので60GBが約6128円、80GBが約6852円で、価格差はわずか700円程度ですし。

CPU、HDD、メモリ相場情報(秋葉原 '07/6 第5週)

80GB版はおまけでMotorStormが付いてくるとしても、とても1万円の価格差を埋めるものには感じられません。となると、考えられるのは「60GB版499ドルがかなり無理した価格であるということ」、そして「売れ筋の上位モデルの価格を据え置くことで、赤字幅を抑えようという意図があること」の2つの意図があるということでしょうか。

80GB版は韓国モデル同様、EEがなくなってPS2互換が減った代わりに、本体製造コストは安くなったバージョンとなっています。一方で、60GB版はEE付きの高コストのままのモデル。単純に100ドル値下げした分、赤字幅は広がってしまうわけです。下手したら、製造コストでは80GB版 < 60GB版でしょうしね。割の合わない60GBよりも、コストカットもして逆ざやも多少抑えられた80GB版の方を売りたいという意志が見え隠れしている感じです。

とはいえ、明確な機能差があり、HDD容量も3倍の差があった20GB版と60GB版の時と違い、今回はPS2互換性は60GB版の方が上、HDD容量は3割増程度の違いですからね。果たしてこれまでのように上位モデルばかりが売れるようになるかというと、ちょっと疑わしい感じはしますが。

価格帯は据え置かれた施策 効果のほどは

上記の通り、60GB版に限って言えば100ドルの値下げで約17%ほどの割引になったわけですが、価格帯は維持されたままの状態となりました。ライバルであるWiiはWiiSportsとセットで249.99ドル。そしてXbox360は120GB版のエリートが479.99ドル、20GBの通常版が399.99ドル、HDDなしのCoreSystemで299.99ドル。こうしてみると、相変わらず最低価格帯の60GBモデルでもWiiの2倍、そしてXbox360最上位モデルよりも20ドル高いにもかかわらずHDD容量は半分と、割高感は解消されていませんね。

PS3には高い処理能力とBDプレーヤを含めた高いAV機器性能があるわけですが、逆に言えばそれに魅力を感じないならゲーム機としては単に高いだけ、という今までの評判は崩せないように感じます。また、「BDプレーヤの普及促進」という意味でも、最低価格帯が変わっていないので、低価格なBD再生という位置づけではあまり変化はありません。20GBに比べ60GB版の方が無線LANやカードリーダが付いているメリットはありましたが、別に両方ともあまり要と機能ではありませんしね。

元々、日本では発売前に東京ゲームショウで20GB版が62790円→49980円と、ちょうど100ドル分ほど電撃的に値下げが行われたのですが、北米では行われていなかったんですよね。E3で誰もが言葉を失った、あの衝撃的価格のまま発売されていたわけです。ですので今回の北米の値下げは、日本で発売前に行われた値下げがこのタイミングで行われた、というような感じになるかと思います。その証拠に、北米での値下げ噂に対して日本でのさらなる値下げはないと、ソニー社長がコメントしてますしね。

ITmedia News:「PS3の値下げなし」とソニー社長

今回の北米の施策、個人的には「メチャクチャ高いゲーム機」から「他よりも割高なゲーム機」になった程度の印象しか受けません。そして、そもそも日本とは関係ない話でもありますしね。はたして、北米でこの値下げがどの程度の効果が出るのか。そして60GB版と80GB版のどちらがよく売れるのか。現地7/9から新価格での発売が始まるようなので、その動向をウォッチしていきたいと思います。


P.S.
北米では20GB版は4月に販売停止になっています。今回の60GB版は、3ヶ月ぶりに「499ドルのPS3」が復活する形ですね。

ソニー、PLAYSTATION 3の20Gバイト版を北米で販売終了--公式に認める:ニュース - CNET Japan