Xbo360新型の噂と 日本のゲーム市場についての思い

最近はデビルメイクライ4のマルチ展開、エースコンバット6の発売と追い風の吹いているXbox360。とは言っても国内では1年たってまだ40万台にも届かず、最近は3000台前後と他の陣営に文字通り桁違いの差をつけられている状態です。海外での状況との乖離が激しいですね。

そんなXbox360ですが、新型の噂がかなり前からささやかれており、最近はその頻度も上がってきたようです。今回はこの噂とからめて、ゲーム市場についての自分の最近感じている感想などをつらつらと述べてみたいと思います。

新型Xbox360の噂〜HDMI付きで黒色?!

新型Xbox360の噂についてはゲームホリックさんとGameSparkさんのところが詳しいですね。

[X360] 新型『Xbox360』が遂に登場?HDMI端子、大容量HDDを搭載との噂 - ゲーマーホリック
Game*Spark - : 新型Xbox360、やはり発売か?情報が続々 by Kako
Game*Spark - : ディーン・タカハシ氏が新型Xbox360を肯定 by RIKUSYO

大体の噂をまとめると、筐体が黒、HDMI付き、HDD120GB、発熱改善といった感じですね。値下げなども噂されており、興味深い内容です。Xbox360では、現状発熱が多い、ACアダプタファン付き、故障報告が多い、まだまだ高いといったあたりが懸念点であるので、これらが大幅に改善されれば、もう少しましな勝負ができる気がします。

「ゲーマー向け市場」について

とりあえず、現状のPS3の状況を嘆き、次世代HDゲーム機の行方を見定めている人には関心がもたれる項目かもしれませんね。これまでは日本では圧倒的にPS2が強く、PSを選んでおけば日本のゲームは大半が遊べるという安心感がありましたが、昨今の日本サードの海外志向を見ていると、「日本で売れないなら海外で」という感じで国内ユーザ軽視が進む感じもしますからね。いくら日本で爆死状態のXbox360でも、日本サードが海外主導、国内はそのお下がり的な戦略をとってくるのなら、ソフトがXbox360よりになる可能性もありますからね。

現状、PS2でも数十万のヒット作は出ることには出るのですが、そのヒットタイトルの販売数の上限がかなり定まっています。しかも続編、シリーズ物が大半で、いかに固定ファン相手に商売しているかがはっきりしている状態です。結局こうしたコアな、スクエニ和田社長曰く「張り付いている」ゲーマーは、今のやり方では祖簡単に拡大しないと思うんですよね。どっちかというと、やせてきた土壌でとにかく栽培を繰り返して刈り尽くしているような印象ですので。

こうした傾向に、据置では負け組に陥っていた任天堂は早めに舵を切り、自分たちが勝者になれていないこのゲーマー層以外の部分で市場を探し、拡大し、そして現状勝利している形です。よく「任天堂のせいで、ゲームがライトばっかりになった」みたいな声を聞きますが、任天堂は実際、そっち方面では分が悪く、先も明るくないと思ったからそう舵を切っているわけで、別に戦略としては間違っていないと思うんですよね。

ただ、ある意味SCEやMSにお任せしていたゲーマー市場が、任天堂の想像以上に早く国内ではしぼんでしまっているため、取り残されたゲーマーからのとばっちりを任天堂が受けている感じはします。まあ、確かにライトな路線が儲かりすぎて、サードが悪い癖で「右へならえ」と同じようなソフトばかり作っているので、関係が無いとは言い切れませんが。しかし、結局のところ従来のゲーマー市場はPS陣営が任天堂より優れていたからこそ築けていた市場な訳ですから、その部分の拡大まで任天堂に任せてしまうのは、なんか違う感じはするんですよね。正直、PS時代のゲーマーを満足させられる質・量のソフトを十分任天堂だけで出せていたなら、64やGCでの負けは無かったと思うんですよ。

一応、任天堂は「ゲームを嫌われないものにし、徐々にゲーマーを増やす」という、非常に遠回りで地道なアプローチをとってはいるんですけど、理解されないところも多いですよね。DSの圧勝があってから、なんだか何から何まで任天堂が先頭切ってやらなきゃいけない、という空気があるようにも感じられます。むしろ任天堂が弱いところこそ、サードが勝負していけるところだと思うんですけど、こういった話になるとなぜかサードは「任天堂はゲームらしいゲームが売れない」とか言っちゃうところがありますし。自分たちでそういった層を作っていこうとか、呼び込んでいこうという気概はないもんなんですかね?「そんな企業体力ない」とか言われたら、まあ緩やかな死を迎えるしかないんでしょうけど。

ゲーマー市場拡大を求められるXbox360PS3

Xbox360も、結局のところこの「ゲーマー市場」をもっと盛り上げていかないとどうにもならないと思うんですよね。次世代ゲーム機ではもっとも「従来ゲーム機の延長線」にあるハードだと思いますし。同じ路線での次世代機なら、同じ路線が売れる市場をなんとしても作っていかないと。
PS3も人事ではありません。Xbox360の苦戦ぶりを1年間見ていたはずなのに、「PSなら大丈夫」とでも思っていたのかろくな施策もせず同様の失敗に陥っているところを見ると、なんだかなぁ、と感じてしまうところがあります。AV機能やCPU性能などは素晴らしいのですが、それらも基本的にゲーム機として成功こそ生かされるものです。まあ、AVマニアとかに受けるゲームを出すとか、AV側にゲームの方を合わせていくのなら話は別でしょうけど、AV機器とゲーム機では売り方もかなり異なりますしね。

結局のところ、規模の大きいソフトメーカーが、ただ従来の焼き直しを繰り返して利益を拡大し続けようと言うのが元々無茶な話な訳です。そう言う意味では、日本での一強時代がちょっと長すぎた、という印象ですかね。PS2でよく売れるムービーRPGライトノベル風のゲームを作り続けたいのであれば、元々任天堂が弱い分野なんですから、他のメーカー側で盛り上げていかないと。それができなければ、他の業界同様、企業淘汰が進むだけでしょうし。狭いパイの拡大もせず、ただ多くの企業で食い合いをするだけでは、脱落企業が続出するのも当たり前と言えば当たり前ですし。

日本製ゲームの行方はいかに

自分も正直リアルグロの多い洋ゲーはあまり好きな方ではないので、もうちょっと国内メーカーにも頑張って欲しいんですけどね。「日本人向けのゲームをよりクオリティアップするためにHD化する」のではなく、「HDゲームを作るために海外で洋ゲー風ゲームを出す」というのは、なんか手段と目的が逆転してしまっている印象も受けます。
企業としてはより規模のでかい海外で勝負したいというのも分かるのですが、ゲームは日本発の娯楽TVゲームは日本の誇る娯楽なんですから、日本人の嗜好に合わないようなゲームがあふれるような未来は、できればなってほしくないな、とは思います。海外でも成功している脳トレnintendogsのように、むしろ海外に日本の感性のすごさを見せつけてやるぐらいの気概で頑張って欲しいものです。