次世代ゲーム機の消費電力比較(実測編)

今のところWiiが好調な伸びを見せる次世代ゲーム機戦争。今回はこれまでと違い、同時期に処理性能が大きく異なるハードが出るという面白い展開となっています。
そんな据置型ゲーム機において家庭内で最大の抵抗勢力と思われるのが、家計と実験を握っているお母さん・主婦層。こうした主婦層の方は家計を細かく管理している分、節約などに非常に気を配る印象があるため、自分は前々からゲーム機の消費電力と電気代についても関心を持ち、これまでも何度かエントリに取り上げて来ました。


最初に取り上げたのはこちらのエントリ。
わぱのつれづれ日記 - 各種据置ゲーム機の年間電気代の違い

まだこの時点では発売されている次世代機はXbox360だけだったので、WiiPS3はスペックなどからの推定に基づく内容となっています。Wiiの消費電力がゲーム時50W、待機時5Wと、岩田社長の発言に基づいて計算していた頃ですね。

その次に、海外のkotakuで公開された検証データを元にグラフ修正したのが以下のエントリです。

わぱのつれづれ日記 - Wiiの驚くべき低消費電力

こちらは、Wiiが17Wと非常に低消費電力。あまりに低消費電力過ぎて、ちょっとうさんくさいものを感じながらも、エントリにしていました形ですね。

公開された実測データに基づきグラフ更新

これに対して、今度はもうちょっと本格的に、実際に各次世代機(+PC)の消費電力を比較実験したデータが公開されました。

XBOX 360 vs PS3 (and Wii) - Power Consumption Report - hardCOREware.net

4ページに渡る詳細な内容で、実験条件や計測機器など、条件も詳しく記述されており、信頼性が高そうに見えます。


このデータに基づいて、自分がいつも用いている年間消費電力と電気代の関係の表を更新した物が以下のものになります。(PS2のデータは当初から用いている参考データのままで、実測値ではありません。)

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P.S.
初出の表・グラフが間違っていたので差し替えました(コメントでのご指摘ありがとうございます)。待機時についての1日あたりの電気代が、手動で入力していて変更し忘れていました。申し訳ありません。

ちなみに、コメント欄でも説明して頂きましたが、計算式は以下の通りです。

  • 1時間あたりの電気代(円)
    • ((電力(W) / 1000)× 22 )
      • 電気代計算君』の計算結果に記述されている「全国10電力会社平均単価(1kWh=22円)」を用いています。
  • 1日のプレイ時間による年間電気代(円)
    • ((1時間の電気代(動作時))×(1日のプレイ時間)+(1時間の電気代(待機時))×(24−1日のプレイ時間))×365

結果の分析

結果的には、先日のkotakuのデータとほぼ似た感じですね。Wiiはやはり、ゲームを動かしていても18W程度しか消費しないようです。待機電力はWiiConnect24 ONで約10W。OFFだと1W程度。PS3Xbox360も待機電力は結構小さいですね。

Wiiの場合、結局WiiConnect24ONの状態だとゲーム中でも大気中でもさほど差が無いと言うことになります。1日あたりのゲームプレイ時間が変わっても、グラフはほとんど変化しないので。感じとしては年間2000円で常時起動しているみたいな感じですね。

PS3Xbox360は、ハイスペックPCを上回るぐらいの消費電力ですね。この両者はあまり大差が無いといった感じです。

しかし、こうして見ると、実にWiiのゲーム中の消費電力は他の2機種の1/10なんですよね。そりゃ、性能差があって当たり前だな、とは思いますよね。もっとも、PS3Xbox360も、LSIをどんどんシュリンクしていけば消費電力は下がってくるので、この10倍という差がそのまま性能差ではないことは当たり前のことではありますが。

据置で「小型」「低消費電力」であることの意味

「マシン性能を削ってまで据置機の消費電力減らすなんて馬鹿」、「年間で5000円程度の違いなんてたいしたこと無い」とおっしゃる人はいるでしょうし、それもまた確かに一理あります。一方で、こうして消費電力を小さくしたからこそ、発熱が減り、ああした小型で圧迫感の少ない筐体にできたわけですし、常時無線でネットにつないでもさほど莫大な電力にならずにすんでいるわけです。
筐体の小ささも「据置なのに小さくしても無駄」という批難はあって当然でしょうが、個人的には帰省時に実家に持ち帰るとき、わずかA4型ノート用ケースの大きさで持ち運べるのは、非常に便利に感じましたね。
わぱのつれづれ日記 - Wiiの運搬方法
その気になれば、団体旅行などに持って行って現地で皆で遊ぶ、とかもできそうです。(まあ、DSをみんな持っていた方が適している感じはしますが。)頑張ればあと少しで携帯ゲーム機にできそうです。そのうちWii用携帯型バッテリとか出てきたりするかもしれませんね。

Wiiの真価を発揮するネット対応キラーコンテンツが出てくるか

現状、自分はWiiConnect24投票チャンネルニュースチャンネルなどで堪能していますが、まだゲームでフル活用しているコンテンツは全然そろってませんし、ネット接続自体無線LANが基準と言うことで、ネットにそもそもつないでいない人もかなり大勢いることでしょう。そうした意味では、まだWiiの本体設計の肝である小型・低消費電力は生かし切れていないと思います。XboxLiveやPCでのMMO RPGとかとか異質な構造を持つWiiのネットワーク機能が、今後どう生かされていくのか。それに、Wiiの設計思想に込められた真価を発揮できるかどうかがかかっている気がしますね。
WiiのモーションセンサーについてはとりあえずWiiSportsというキラーをロンチで1つ出しているので、もう一つの重要要素WiiConnect24についても、できる限り早い段階でキラーコンテンツを見せて頂きたいものです。