任天堂、バーチャルコンソール新作配信でミス

Wiiの中で懐古ユーザに喜ばれているバーチャルコンソール(VC)。そのVCで昨日新規タイトルが配信されました。

[Wii] 『バーチャルコンソール』 「かまいたちの夜」など3タイトルを追加 - ゲーマーホリック

追加されたのはスーファミの「かまいたちの夜」と「真・女神転生」、PCエンジンの「BE BALL」となります。ところが、この3本のソフトのうち、「かまいたちの夜」と「真・女神転生」で項目が入れ替わっており、異なるソフトがダウンロードされてしまうという不具合が発生してしまったようです。

誤配信の概要と対策

具体的な症状としては、『「かまいたちの夜」をダウンロードしたはずが、「真・女神転生」がダウンロードされる(あるいはその逆)』というもの。以下の画像の2項目が、実際には逆に表示されていたということですね。履歴的には実際落とされた方が残っているようです。

この件に関してはすでに対策が施されており、Wiiショッピングチャンネルのトップページでアナウンスが出ています。

アナウンス内容は以下の通り。テキストに書き起こしたものを併せて記しておきます。


真・女神転生」「かまいたちの夜」のダウンロードに関して

2月13日14:00〜15:30に配信を致しました「真・女神転生」および「かまいたちの夜」に関しまして、ダウンロードされるソフトが入れ替わっておりました。

この時間帯の対象ソフトのダウンロードに関しましては、弊社側にて履歴確認後、該当する方へは消費されたWiiポイントをダウンロードされたWii本体へお戻し致します。

なお、上記時間帯に正しくソフトがダウンロードされなかった方は、大変お手数ですが、再度ご希望のタイトルのダウンロードを行っていただきますようお願い申し上げます。

当該ソフトのリリースに不手際が発生しましたこと、謹んでお詫び申し上げます。

※現在「真・女神転生」および「かまいたちの夜」は、正常にダウンロードできております。

とりあえず、履歴を確認後、ポイントは戻される、と言うもののようですね。Wiiポイントという電子マネーだからこそ少ない手間でできる感じですね。
ただ「正しくダウンロードできなかった人は再度ダウンロード」という表現がちょっと微妙な感じです。普通に考えれば、「かまいたち」と「女神転生」の片方を落とした人は、正しくダウンロードできなかった履歴が削除されてポイント返却されソフトはダウンロードし直し、両方落とした人は結果的に同じ事なので対処無し、ということでしょう。ただ、間違って落とした物は「正しくダウンロードされている」と解釈することもできて、その場合は間違った分はただでプレイできることになるんですかね?このあたりは、履歴がプレイ権を管理しているだけに、履歴修正がどうなるかによる感じですね。詳しくは実際にトラブルにはまった人が救済されれば分かるのでしょうが、もうちょっと分かりやすい表現を使うべきだったように思います。

お粗末なチェック体勢

任天堂の対応はかなり迅速なものでしたが、ミスのレベルとしては正直、相当お粗末なものと言わざるを得ません。ネットで毎日多数のショップを売っている店でも極たまにしかミスを犯さないのに対して、任天堂のショッピングチャンネルはせいぜい2週間に1度、数本のソフトが追加される程度。この程度のコンテンツ追加でこれほど根本的なミスが発生するなんて、一体どんなチェック体勢を取っているんだろう、と思ってしまいますね。わずか三本、公式に配信する前に確認するだけでいいのに、それすらしなかったということでしょうか?オンラインショッピングに対する意識の低さを感じ、ちょっと不安感を覚えます。

実質的な被害が少ないとはいえ、実際にこの誤配信で惑わされ、目的のソフトを遊べなかったり、電話で任天堂とやりとりさせられたりと、不快な思いをしたユーザもいるはずです。程度の問題ではなく、「オンラインショッピング企業としてやっちゃいけない初歩的ミス」のたぐいだと思いますね。特に、コンテンツ数が少ないだけに。

問題発生から1時間程度で配信停止、さらに7時間程度でアナウンスという手際の良さは、さすが任天堂という感じはしますが、やっているミスが低レベルで、任天堂のチェック体勢の質を疑わせるものなので、とてもほめられたものではないでしょう。先日はインターネットチャンネル配信開始のメールで曜日を間違っているという、これまた低レベルなミスを犯していただけに(参考エントリ)、あれから改善対策をしなかったのかと首をかしげたくなる展開です。

公式HPでのアナウンスを

また、アナウンスがWiiショッピングチャンネルだけというのも頂けません。Wiiを持っている自分ですら、ここでアナウンスされてもほとんど気が付きません。最低限ソフトをダウンロードした人にはWiiConnect24でメール配信すべきでしょうし、ミスのレベルが低いだけに、ちゃんとしたアナウンスを公式HPで出すべきでしょう。

不二家といい、リンナイといい、昨今はとかくこの手のミスに対しては誠実な、即時の情報公開が求められています。任天堂はその辺では優等生な訳ですから、気を抜いて間違った対応をしないようにして頂きたいですね。あと、こうした低レベルなミスを犯さない、2重・3重のチェック体勢を確立し、再発防止策をしっかり取って頂きたいものです。


P.S.
その後の対応としては、結局「両ソフトのダウンロードに費やしたポイントは返却、履歴はそのまま」というものになったようです。つまり、入れ違ってダウンロードしたソフトはただで手に入れられた形になりますね。2本ともダウンロードしていた人は、両方ただで手に入ったことになります。
これは、対応としてはよい方だと言えるでしょう。不具合が生じたのは平日の昼間の開始直後。つまり、かなり待ちこがれていてダウンロードした人で、そうしたコアな層に迷惑を掛けたわけですから、単に0リセットするのではなく、+αのお詫びをするのがよい対応だと思いますので。
とはいえ、今後同様の間違いを犯すと、「今落とせばただで手に入る!」と思った人たちが殺到する可能性があるので、任天堂は十分注意した方がいいでしょう。規模は違いますが丸紅PC事件みたいな前例もありますしね。ヒューマンエラー発生してもそれが外部に出て行かないよう、速やかにチェック体勢の見直しをして頂きたいものです。