FF13インタビュー記事をこっそり改変したファミ通

ゲームマスコミ業界では一番の知名度を持ち、各種マスコミからも引き合いに出されることの多い、ファミ通エンターブレイン。しかし、一方であまりに商業主義が目立ち、一陣営への偏った記事や不可解なレビュー記事、いい加減な社長発言など、悪評も高いメディアとなっています。このあたりは以下のサイトが詳しいですね。

ファミ通捏造まとめ

そんなファミ通から、3週間ほど前の1/17、PS3期待の新作FFXIIIについてのインタビュー記事が掲載されました。

"ファブラ ノヴァ クリスタリス FFXIII"3人のキーマンにインタビュー / ファミ通.com

このインタビュー記事は、「今までのクリスタルはただの石」、「シヴァは変形してバイクになる」といった、これまでのFFファンからしてみれば開いた口がふさがらないような珍文句がちりばめられた、すさまじい内容の物でした。そのため、それまでに紹介されていた「光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士」や「聖府」などと併せて、FF13の設定の奇妙さを煽るネタとして2chなどで大いに話題になっていました。

自分は、もともと10-2であきれていた方なので、同じスタッフがこんな設定を作っていても、「はいはい、勝手にやってて」という程度のもので静観していたのですが、その後事態は驚くべき展開を見せました。

こっそり改変された3週間前の記事

それはなんと、「対象記事の改変」です。しかも、「3週間前に掲載した記事」を、「記事の日付はそのまま」、「一切の訂正に関する記述なく」改変したのです。これについては、上記であげたまとめページでも詳しくとりあつかわれていますね。

過去の記事は以下のウェブ魚拓で確認することができます。

ウェブ魚拓

上記魚拓と今のページを見比べてみても、ぱっと見た感じでは同じなのですが、ネットで話題になっていた「ただの石」の記述が「魔力を持つただの石」になっており、「シヴァがバイク…」のくだりはなんと削除されています。


いやー、さすがはファミ通。すごいことをしてくれますね。ジャーナリズムのかけらもなく、情報発信者としての責任感も倫理も何もない、といった感じです。

記事を修正すること自体が悪いと言っているのではありません。自分も語弊を避けるため修正することはありますので。今回問題なのは上記でも強調したように、記事がすでに3週間も前のものであること、そして修正箇所がネットですでに話題になっていたところであること、さらにその修正を全くアナウンスなしに行ったことにあります。

今回の修正でも、一言『追記(2/5):○○の理由により、掲載当時の記事を一部修正致しました』という文章をつけていれば、そこまで問題は無いと思います。しかし、この一文があるとないのとでは大違い。こういった但し書きが無いと、単に過去の発言をもみ消したようにしか見えないわけですから。

発言に問題があるのであれば、記事掲載後すぐに訂正すればよかったのです。それに、「ただの石」に対する補足はまだ分かるにしても、「シヴァ…」のくだりが削除されていることは、誤植とか編集がまずいと言ったレベルでは無いように感じますね。この発言を消すと言うことは、FF13の設定そのものを見直したと言うことでしょうか?それは、インタビューを取った1/17の内容とはすでに、状況が異なっているのではないでしょうか?状況が異なるものに基づいて過去の発言内容を書き換えるって、そんなことマスコミがしても許されることなんですかね。

記事の修正を促したのがスクエニ側なのか、ファミ通側なのかは分かりませんが、3週間も前の発言を「こっそり」と書き換える行為は、正直あきれてしまいます。(しかも、速攻でばれているので、「こっそり」にもなっていませんし。)

一般的な誠意ある対応例

自分もよく引用させて頂いているNintendo insideさんのところで、以前「世界樹の迷宮」のインタビューが掲載際されていましたが、その中の1つ、以下のインタビューでは、発言の一部が実際の製品使用とは異なっていました。
『世界樹の迷宮』ディレクター 新納一哉氏ロングインタビュー【第四回】 - Nintendo iNSIDE

しかし、上記記事を見ても分かるように、ちゃんとその旨を目立つように、期日付きで追記されています。これが、誠意ある対応というものでしょう。

インタビュー掲載後全く修正しない、ということもよくある話ですが、その発言がその時点で間違っていないのであれば、それはそれで有りな対応でしょう。しかし、「何のアナウンスもなく、発言時と異なる内容でこっそり過去の記事を改変」というのは、そうお目にかかれる話ではないように思います。商業ベースでないメディアですら守れていることを、最大手のファミ通が守れないというのは、本当に情けない限りです。

「広告」の対象者である消費者を重視した対応を

ファミ通は特に前から一部陣営や一部メーカーとべったりで、多数の広告費をもらっているであろう大人の事情はよく分かるのですが、だからといってやり方を間違えてはいけません。
企業が多額の広告費を出してくれるのも、ファミ通が多くの消費者の目を集めている、という実績があるからであって、読者・視聴者がいるから広告主が満足し、商売が成り立っている訳です。広告主の顔色だけうかがい、消費者の気持ちをないがしろにするようでは、いつか本当に手痛いしっぺがえしを食らうと思います。そうならないよう、少しずつでもいいので体質の改善に努めて頂きたいものです。