PS2に週間売上台数を抜かれたPS3

決算報告でも苦戦が公式に報告されていたPS3。年末年始の谷間を過ぎ、毎年ゲーム機がもっとも落ち込むこの時期に、厳しい販売台数の結果が出たようです。

PS2 20,995
PS3 19,996

週間ソフト・セルスルーランキング

前もVideogame ChartではPS2が上位に来ていましたが(URL)、今週はPSPが発売後かなりの間守ってきた2万台の壁を割ってしまった感じですね。まあ、ソフトもろくになく、値段も高いのですから、PSP程度には売れているというのは、ある意味頑張っているのかもしれません。発売が1年以上早いのにPS3の1/3しか売れていないXbox360が「健闘している」と言われることが多いのですから、PS3は「大いに健闘している」と言っていいのかも。(まあ、前機種が圧倒的勝者だったのと圧倒的敗者だったという違いがあるんですけどね。)

PS2の次はPS2

ちなみに、今回のPS2PS3の逆転現象を見るに、PS2のゲームを新たに遊びたいと思う人、また古いPS2が壊れてしまった人の多くはPS2を買っている、と言うことなんでしょうね。まあ、古いPS2に比べれば薄型PS2は単純にスペースの削減につながりますし、値段もPS3よりずっと安く、振動機能やメモリカードなどの互換も(一部に問題があるとはいえ)高い訳ですから、メリットは大きいですよね。

偉大な先代に苦しむ次世代

もう一つ、単純な理由として「あまりにPS2勝利者すぎた」ということもあるでしょう。なんと言ってもその過去のソフトの量は膨大ですからね。中古でもかなりの数が出ていますし、新品でもベストプライスでお買い得な値段で質の高いソフトがいろいろ選べます。単に「ゲームで楽しみたい」というだけで割り切ってしまうのなら、薄型PS2でもいいんですよね。DVDプレーヤとしてもコンパクトですし。

ちょうど、北米でもかなり長い間GBAがDSの販売台数を度々上回っていたことがありました。これは北米では貧富の差が激しい、と言うこともあったでしょうが、今回のPS2PS3の構図と同様、「GBAの方が安く、ソフトも豊富」という構造があったことも一因でしょう。結局はDSは脳トレなど独自のソフトを出し、DSLiteという改良版本体を出すことでGBAを完全に上回った感じですよね。

そうして見ると、やはりPS3もグラフィックだけでない、明確にこれまでと違うゲームを出すことが非常に重要なんでしょう。そして、その片鱗を見せられるソフトを十分用意せず本体だけ販売してしまったことが、今回のような本体販売低迷を招いているようにも思います。なかなかすごいソフトは作れないとは思いますが、その場しのぎではない早急の対処が必要ですね。

DSの次世代は?

一方、任天堂任天堂で、この先(5年ぐらい?)迎えるDSの世代交代では結構苦労しそうです。順当に考えればDSとの互換性を保つため2画面+タッチスクリーンは保持する必要が出てしまうわけで、岩田社長の唱える「サプライズ」を生むことはいろいろ難しいわけです。ある意味縛りが発生してしまうわけですからね。この縛りの中で、さらに驚くような物を作る必要があるわけで、結構大変そうです。単にDSの高機能版でも市場では喜ばれるとは思いますが、今のDSより新規顧客を獲得したいのであれば、何らかの工夫が必要になるでしょう。
大変だとは思いますが、すでに次を考えていることでしょうし、面白いアイデアを期待したいですね。個人的には安易に高性能化したものではなく、+α、キラー要素を用意しておいて欲しいところです。