世界樹の迷宮『早期購入者特典ミニサントラCD』レビュー
ライト向けが爆売れを続けているDS。その中で、これまでと毛色の違う非常に濃いタイトルとして注目を集めていた『世界樹の迷宮』。ファミ通インタビューでその開発思想が語られて以来、自分も注目をしていた作品です。特に、ゲームブック風、古代祐三などのキーワードが自分的にはクリティカルヒットで、そのあたりは以下のエントリで熱く語っております。
わぱのつれづれ日記 - ここまでこだわればアリ?!「世界樹の迷宮」
その後も、Wii体験会でも実際にプレーし、その体験プレイでの感想を以下に記しています。
今回は、まず「早期購入者特典」からレビューしてみたいと思います。(いきなりそれかよw、といわれそうですが、古代祐三サウンド大好きの自分は、ある意味ゲーム以上に重要ですので。)
日向悠二氏の魅力満載なブックレット
まずは外観は、プラスチックのケースではなく、ブック形式。そして、まず開いてすぐにCDと共にちょっとしたマンガがw。これが非常に面白くて吹きましたw。
「こんなのクリアできません〜!」とメディック(メディ娘)が、古くさいだの面倒だの絵柄が軟派などと、インターネットなどでちょくちょく批判されていた内容を代弁。それに対してパラディン(師匠)が「懐古主義に堕落した愚かなマゾゲーでない」として言った言い訳が以下のもの。
「あ、脳トレ! 大人のためのなんとか!」
「現代人の失った創造力を再び養う数々の不親切!これなら売れるしやる気も出るだろう!」
不親切なことをよりよって脳トレにたとえますかw。そしてそれに対するメディ娘の返しもなかなか秀逸です。
「なるほど、攻略本はゲームブック仕立てなんですね!」
「師匠、それを懐古主義というんです!」
やばい、ゲームブック仕立ての攻略本、めちゃ欲しいです。是非とも一部でいいので特別企画として攻略本にゲームブックを入れて欲しい!懐古主義、誠に結構ですw。ちなみに、実際にプレイしてみるとこうした自虐部分も結構よくできているんですけどね。
まあ、そんな感じではっちゃけた自虐的なネタで、すっかり自分はつかまされましたねw。ちなみに、こうしたマンガは公式ブログの「日向世界樹通信」のコーナーで多数公開されているのでご覧ください。DRAGONマガジンっぽいノリが楽しめます。
世界樹の迷宮Blog - 日向世界樹通信
ちなみに、自分は『世界樹の迷宮』を『セカキュー』と訳すのを、このマンガで初めて知りました。なんか、別の国産映画みたいですねw。
そのほかも古代祐三氏のコメントもしびれます。
「CDで聞けるFM音は全てPC88FH実機からのサンプリング」
「DSバージョンは往年のテクニックを駆使して、小さいスピーカーでも豊かなサウンドを聞けるようにした」
イースなどで一世を風靡した古代サウンドは、その古代氏がFM音源を駆使して作り上げた音色など、曲調だけでなくそのテクニカルな部分も含めて評価されていたものです。そうした部分をちゃんと意識して制作しているあたり、やはり「分かっているなぁ」という印象でしたね。
そのほか、新納一哉氏のインタビューの他、イラストが数点。ブックレットは8ページですが、CD部分はCDをはずすと女ソードマンの水着水浴びシーンと、誠にアキバ仕様な出来になっていますねw。
懐古サウンド炸裂の古代サウンド集
さて、肝心のCDの曲について。曲目などの紹介は、同じく公式ブログの方で詳しく紹介されています。
世界樹の迷宮Blog » 早期購入者特典
まず最初の2曲はPCMということで、生音に近い雰囲気。1曲目『ダンジョン試作曲』はピアノの力強いリズムが感じられます。また2曲目の『戦闘試作曲』は若干スーパーファミコンっぽい音色のイメージも受けますね。
3曲目『ダンジョン試作曲』は実際ゲーム中でも使われている最初のダンジョンの曲。FM音源+PCMということで、懐かしいながらも綺麗な音色をしっとり聞かせてくれるいい曲ですね。
4曲目『ダンジョン実験曲』はFM音源のみということで、特に途中から入る旋律部分がいかにもFM音源という感じがして懐古炸裂です。まるでファルコムのGMを聞いているようですね。
そして、5曲目からは古代祐三の特徴的なズンダラ節が全開になってきます!5曲目の『バトル曲アウトリテイク』なんて、もう入りからして、これぞファルコム!という感じの入り方で身が震えましたね。
そしてさらに6曲目『バトル曲アウトリテイクII』はもう最高!まるでイースI、ザ・スキームの頃のように、こてこてな古代サウンドで、これぞ自分が求めていた古代サウンド、って感じです。曲も2分38秒も収録されており、聴き応えもばっちりですし。
そして、最後の7曲目は『オープニングフルバージョン』。実際のゲームで使われているオープニングは神秘的で静かな曲なのですが、このフルバージョンでは、その旋律の後に再びノリのよいサウンドがつながってきます。これも、曲自体は短いですがかっこよくていい旋律です。なぜゲーム中に使われなかったのか、もったいない曲ですね。まあ、確かにオープニングはそう長く聞くものでは無いかもしれませんけどね。
上記の通り、イース・ソーサリアンなど古代サウンドでゲームミュージックにハマリにはまった自分としてはたまらない音楽集でしたね。特に、6曲目は相当おすすめです。音楽はこうした文章ではなかなか良さを使えにくいので、できれば多くの人に聞いて頂きたいものです。