ドラゴンクエスト新作発表?!

新聞に記載されたことで、様々なところで議論が起こっているのが、明日行われるという「ドラゴンクエスト新作発表会」。

[news] 『ドラゴンクエスト』 シリーズ、12日に新作発表会 - ゲーマーホリック

時期が時期だけに、結構関心を持ってしまいますね。順当に考えれば「ドラゴンクエストソード」もしくは「ドラゴンクエストモンスターズJ」の発表会でしょう。DQMJは年末のDSの目玉ソフトですし、DQSもすでに発表済みながら、発売日は未定ですのでそろそろ正式に発表があってもおかしくありません。

ただ、皆が関心があるのはなんと言ってもドラゴンクエスト9でしょう。日本では、これ以上のキラータイトルはありませんからね。毎回作品の間隔が5年ほどある分、「これだけはやりたい」と思っているライトゲーマーも多数いることでしょう。

想定されるパターン

現時点でDQ9を出すのであればPS2かな、とは思います。なんと言ってもDQ8を買っているユーザをそのまま引き継げますからね。200万本は計算できるところでしょう。ただ、次世代機がすでに出そろった今だと、これからさらに発売まで数年かかるようでは、現時点でPS2とするのは微妙な感じもします。PS3PS2互換があるので、PS3が順当に次世代機の王者になるなら、それでもPS2という選択はありかもしれませんが、現状PS3が苦戦している状態を見ると、この段階でPS2と判断するのは、あまり得策とは思えません。

かといって、PS3で出すと言う選択も、同様に難しいところがあるでしょう。PS3DQ9と言えば、日本では過去の例から一気に勝負が決まりかねないほどのインパクトはあるのですが、任天堂への歩み寄りを見せている現時点で突発的にDQ9PS3独占というのは、あまりに政治色が見えすぎて、消費者に引かれる可能性もありますしね。もし現時点でPS3DQ9と発表するのだとしたら、「そこまでやってようやくWiiと五分」という判断をスクエニがしたときぐらいかと思います。

かといって、Wiiで出すかというと、それもまだ難しいと思います。現状勢いがあるのは確かですが、DQ9がまだ出るまで数年かかるのであれば、そのころにWiiがどの程度伸びているか未知数です。そもそも、まだDQSの発売日も決定してない段階で、DQ9Wii版という話にはならないと思います。将来的には無くはないとは思いますが、DQSの結果を見てからでも遅くないとスクエニは考えているのではないでしょうか?それに、この段階でWiiDQ9を出すとしてしまっては、PS3が死んでしまいます。FFXIIIという超大作をPS3に出すことを決めているスクエニとしては、現時点でPS3に死んでもらうことは非常に困るはずです。

となると、考えられることの1つは、「ドラクエの外伝のPS3版」でしょうか。WiiDQSにしても、Wiiでの小手調べ的な感じで出してくる印象もします。少なくとも、Wii体験会での印象では本流と言うほどのオーラは感じませんでしたし。そう考えると、PS3でとりあえず様子見でグラフィックは超絶綺麗だけどボリュームはシンプルなものを出す、という可能性はあるかと思います。

様々なサードの立ち振る舞い

そもそも、スクエニの和田社長はCESA会長。前々から「サード主導のゲーム業界」を目指していたわけです。その感覚からすれば、強力なソフトメーカーである任天堂ハードの圧勝というのは、正直あまり好ましくないでしょう。むしろ、任天堂が出てこれないハードや携帯などをのばしたいという意志はあると思います。このあたりが露骨なのが昔からナムコですよね。ファミコン以降はPCエンジンワンダースワン、そしてPSでの中心的な役割と、対任天堂の姿勢を大きく出してきた印象があります。

次世代ゲーム機では、一時はWiiが高スペック路線から降りたため、サードは純粋にマルチで展開できるXbox360PS3に注力しているように見えました。任天堂ハードが第3位であった前世代では、その判断も当然かもしれません。うまくやれば強力なソフトメーカーである任天堂をニッチな部分に閉じこめることもできるわけですし。PS3Xbox360の高スペックでの開発を備え、サードは数年間をかけて企業統廃合を行い、マルチしやすいようなプラットホームを自社で開発するなど、多額な投資をしてきたわけです。

ただ、DSの快進撃でそうした従来の既定路線にほころびが生じ、その流れにのってWiiも世界的に好調な出足であることから、サードとしても任天堂市場でも勝負できるような開発体制を急遽整えざるをえない状態に見えます。何より、海外の雄EAがそう言った姿勢を見せていますからね。いくら任天堂のハードでは任天堂が強いとは言っても、もっとも売れているハードでソフトを出さない訳にはいきませんからね。既存市場が後退傾向の中、任天堂が広げてくれた新規顧客に売り込まない理由はないでしょう。

バンナムでも、バンダイ部分はたまごっちなどうまく振る舞っている感じはしますね。コナミは早い段階からバランスを取り、カプコンXbox360での海外市場も含めて態勢を整えてヒットを飛ばし、国内DS向けには逆転裁判ロックマンと、うまく自社のソースを振り分けている感じです。MMVなども、最近はバランスよく出して伸びている印象ですね。逆に、PS市場で一気に伸びてきたフロムソフトウェアや、DSでは伸び悩んでいる老舗の光栄などがどういった立ち振る舞いをするのか興味はあるところです。

業界の雄・スクエニの選択は?

上記のような状況ですので、サードの代表格のスクエニがどう振る舞うのかは、非常に注目を集めることでしょう。スクエニも一時はPS偏重を強めていましたが、最近は実を取って任天堂陣営でも多数ソフトを出しています。とはいえ、任天堂以外のプラットホームが死んでもらっても困る。FF、DQと日本市場を支える巨大キラーを抱える、政治力も強い企業だけに、その方針は業界にも大きく影響を与えることでしょう。
明日のDQ9発表されることは個人的にはないと思っていますが、最終的にどういった判断を下すのか、今後も引き続き注目していきたいと思います。