2種類の太さがある「Wiiリモコンのストラップ」

12/2に発売されたWii。その売り上げ速報も出てきており、発売二日で35万台を売り上げ、かつタイレシオも約1.8とロンチにしてはかなり高い比率になっているようです。

[NS] 発売2日間のWii販売台数は35万台
2日で35万台以上販売! Wii本体と同時発売タイトルの販売数速報
Wii、発売2日間で約37万2000台を販売! / ファミ通.com


こうした状況を受け、岩田社長も自信を深めた模様で、WiiとDSは食い合うことなく、今後も伸びていく、いう強気なコメントが出ていますね。
Yahoo!ニュース - ロイター - インタビュー:任天堂の07年3月期、業績上振れも=社長

国内で発生してしまった「TV破損」

ただ、Wiiについては「Wiiの抱える訴訟リスク」として何度も取り上げているように、リモコン振りまわしによる物損や、ストラップのすっぽ抜け、ストラップの分断などによるテレビなどの破損、長時間プレイによる手首などへの過度の負担など、訴訟につながりかねないリスクも含有していると自分は思っています。実際に自分がプレイしている限りでは大丈夫な印象ではあるのですが、「やじうまWatch」の12/4の記事でも紹介されているように、すでに日本国内でも子どもがリモコンをすっぽ抜けてとばしてしまい、大型液晶ディスプレイが破損してしまうという事故が起きてしまっています。

私の関連サイト : Wiiリモコンで初日に液晶パネル破損・・・orz

これはストラップが切れたわけではなく、「ストラップしていたけどしっかり締めていなかった」というのが原因のようですが、修理費で20万もかかってしまうという、かなりいたい損害になっています。(ちなみに、この記事のコメント欄は大変なことになっていますが、その翌日の記事「私の関連サイト : ご質問に対するお答え」が非常に冷静なコメントで、とても好感が持てる感じですね。自分だと普通に吠えてそうなのでw。)

はじめてのWiiパック」には強化版ストラップが付属

今回の事件はストラップが切れた訳ではないのですが、別のところから、任天堂がこの「ストラップ切れ」に配慮している事項が指摘されました。それは、自分も昔からよく拝見させていただいているTECHSIDEさんの以下のブログ記事です。
TECHSIDE.blog.BETA: Wiiリモコン用のストラップは2種類アリ

どうやら、Wii本体に付属しているリモコンのストラップと「はじめてのWiiパック」に付属のリモコンについているストラップを比べると、はじWiiのストラップの方が太いというのです。

自分は、すぐには使う予定が無かったので検証してなかったのですが、早速手元の二つのリモコンを比較してみました。結果が以下の写真です。左側がWii本体付属版、右側が「はじめてのWiiパック」付属版になります(写真はクリックすると拡大)。

ストラップ部分だけを比較したのが以下の写真ですね。


写真だと逆に分かりづらいかもしれませんが、確かにはじWiiのリモコンの方がストラップが太いですね。実際に手で触ったり、引っ張ったりしてみると、はじWiiのストラップの頑丈さがよく分かります。「はじめてのWiiパック」を買われた方は自分の手で確認してみるのが一番でしょう。
Wii本体の方のストラップもそう簡単には切れないかんじはするのですが、ストラップを取り外し、その先端部分に指を入れて思いっきり引っ張ったらちぎれそうな印象がします。実際は中にもう一本樹脂製のケーブルが入っているそうなので、そう簡単に切れることは無いんでしょうけど。でも、前にYouTubeに上げられていた以下の分断実証映像も、たしかにあり得なくはない印象です。(そこまで強く振るな、という感じもしますが、熱中してくると我を忘れてしまうのも、Wiiの特徴の1つですからね。)

ちなみに、TECHさんの検証では太さは「Wii本体版0.7mm・はじWii版1.0mm」とありましたが、自分のはかったところ0.6mmと1.0mmでした。また、TECHさんは「はじWii版の方が手首ストラップも長い」とおっしゃっていますが、自分が比較した限りでは同じ長さでした。この部分は伸縮性のある素材なので、両方の張り具合を整えてやると、同じ長さであることが確認できました。

強化した理由およびWii本体付属ストラップの安全性について説明希望

ともかく、現時点で2種類の強度を持つストラップが何も説明もなく混在している、というのは解せない状態です。もし、Wii本体のストラップの強度に不安を感じて、はじめてのWiiの方のストラップ強度を上げたのだとしたら、逆に消費者側もWii本体付属のストラップでは不安に感じてしまいます。

ともかく、「何の説明もなしで2種類の強度のストラップがある状態で、細い方のストラップを常用する」のは、かなり抵抗感を感じてしまいますね。もし、任天堂の方でWii本体のストラップの強度に不安を感じており、はじめてのWiiの方のストラップ強度を上げたのだとしたら、逆に消費者側も「Wii本体付属のストラップは大丈夫なの?」と不安に感じてしまいます。自分だと、できればWii本体のストラップをより強固なバージョンと交換して欲しいぐらいです。無償交換が無理なら、200円ぐらいでもいいので、強化版ストラップをばら売りしてくれないですかね?任天堂ハードの付属品は、部品代+送料で直接取り寄せられることも多いですし。一度、サポートに聞いてみますかね。

とりあえず、一人でプレイする際は丈夫な方のストラップを使用する予定です。ただ、対戦プレイをする際には丈夫なストラップの方のリモコンを相手に使ってもらうでしょうね。不慣れな人の方がすっ飛ばす可能性も高いので。任天堂には、説明なしでこっそり強化版に置き換えていくみたいなことなく、初回版Wii本体付属のストラップでも安心して使えるという、「安全宣言」を責任もって出して欲しいところです。もちろん、口先だけのものはいらないので、岩田社長のいつもの講演などと同様、論理的に一般消費者でも分かりやすいレベルで、科学的データ(負荷荷重など)とあわせたコメントを願いたいです。

少しでも危険性を感じているのなら早めの対処を

もし任天堂Wii本体のストラップにほんの少しでも切断危険性を認識しているのであれば、お金はかかってもさっさと交換対応などを行って欲しいものです。別に本体ごとリコールしろまでは言わないので。たとえば、各店舗に強化版ストラップを別途配布しておき、本体発売時に1つ強化ストラップを付属して販売するように徹底する、すでに購入した人には店頭で交換してもらうようお願いする、と言う方法であれば、個別に送付するのにかかる送料やパッケージングの費用を少なくできるのではないでしょうか?

すでに全世界で100万台を売ってしまった状態で、単にストラップの交換と言っても憶レベルで金がかかるのは確かです。しかし、危険性のあるものを売れば売るほど、あとでかかるコスト、また訴訟リスクなどが高まると思います。とくに、ゲーム開始前、ゲーム中でも繰り返し「ストラップ装着」を警告しているだけに、ストラップは任天堂の安全性保障の最後の砦のはずです。これが切れてしまうようだと、頑張って警告していることが無駄になってしまう可能性があります。
まずは、初回版Wiiを買った人への理論的な安全性の説明、そして危険性が少しでもあるなら大事になる前に「金持ち喧嘩せず」で、余裕の持った安全対策をお願いしたいところです。また、Wii購入者は、くれぐれもストラップのすっぽ抜けなどに十分注意し、熱中してストラップに気持ちが行っていないお子さんがいる場合は親御さんが目を離さないような注意をしながらプレイされることをおすすめします。