豊富な運動量をほこる「WiiSports:ボクシング」

Wii Sports

昨日のエントリに引き続きWiiSports。発売以来、毎日30〜1時間はプレイしている感じですね。今日はその中でも特に運動要素の高いボクシングについてです。
わぱのつれづれ日記 - Wii体験会in東京会場レポート

これもWii体験会でも一度レビューしている内容ですが、もう少しやり込んだ状態での感想を述べてみたいと思います。

打ち分けの難しいパンチ

がちゃがちゃプレイしているときはいいですが、まずとまどうのがパンチの打ち分けの難しさでしょう。右利きの場合、左ジャブは結構打てるのですが、右のパンチがまともに出ないことがあります。どうも、ゆっくりとぶれながらパンチを出してもうまく認識されずにパンチが出ないことがある模様。瞬間的な加速度でぶれずに打つことが必要になってくるように思えました。
ストレートはまだこれでも出るのですが、フックやアッパーになるとさらに難しくなります。右フックは比較的イメージ通りに打てば出るのですが、それでもボディ打ちばかり。アッパーなんかもあまり出ません。リモコンを縦に持つと顔に、寝かせて持つとボディへ打つようですが、どうも自分はコントローラが寝てしまいがちになるようです。
左手になるとさらに難しい。ボクシングをしていると、『いかに利き腕以外をうまく使えないのか』がよく分かりますね。ジャブは比較的打ちやすいのですが、フックやアッパーをすると、左手では明らかに速度がおち、ぶれてしまいます。このため、そもそもパンチとして認識されないこともしばしば。全てのうちわけをマスターするには、まだまだ時間がかかりそうです。
ただ、言ってしまえば、「WiiSportsの認識する打ち方」にいかにこちらが合わせるか、ということになってしまっている感じはしますね。自分ではちゃんと打っているつもりなのにパンチすら出ないとたしかにいらっと来るところがあります。モーション認識ライブラリ「AiLive」のホワイトペーパーでは、ユーザの動きを学習して精度を上げる、という技術が書かれていましたが、ボクシングもそれに対応して欲しかったところです。チュートリアルみたいなところで、ストレートやフック、アッパーなどを繰り返し打ってもらい、ユーザに具体的な打ち方を覚えてもらうのに併せて、そのユーザの癖も学習していく、みたいな。
とはいえ、こうしたチューニングは、技術的にはできるとは思うのですが、WiiSportsのコンセプトとして「だれもが、何も意識せず触れて楽しいと思える」というところがあると思うのですよね。ですから、そうしたチューニング機能はあえてはずしているとも考えられます。逆に、サードとしてはこうしたところを練り込むことで、より本格的でゲーマーでも楽しめるゲームを作れる気がしますね。

熱いCPU対戦

まず最初にパンチのやりづらさを言っておいてなんなのですが、パンチが難しくとも、対戦プレイは十分に熱いです。米国のYouTubeなどでも多数動画がアップされていましたが、とにかくのめりこみ感について抜群ですね。全てのパンチを打つことができなくても、試合自体は結構戦うことができます。自分の場合、自ずから精度の高い左ジャブと右ボディフックが中心になりますね。
対戦プレイでは、特に相手のパンチをウィービングで交わした後に、一瞬相手がスローモーションになることがあります。この状態だとパンチはクリーンヒットさせられます。無駄にずっとパンチを受け続けるよりも、基本は相手のパンチをよけてからその隙に打ち込む、というのがいい感じです。また、身体を半分ずらして左ジャブ連打も、結構連続で当たってくれて気持ちいいですね。
完全によけず、相手がパンチを打った瞬間にカウンターを打つこともできます。これは、決まると威力はかなりでかいですね。ただ、タイミングが非常にシビアで、カウンターのつもりが逆にカウンターを食らうこともしばしば。慣れるまではなかなか狙って打つことはむずかしそうです。
あと、純粋によけて打ってばかりだと、3ラウンドしかないので判定になることも結構あります。KOを取ろうと思うと、打てるタイミングで積極的に打っていくのも重要です。一発当てた後に追加で数発当てられると、効率的に相手の体力が減らせる感じですね。
とにかく、思い通り打てなくても、かなり熱くなるのは確かだと思います。

かなり難しいトレーニン

ボクシングのトレーニングは以下の3つになります。

  • サンドバッグ
    • とにかくサンドバッグを打ってどんどん吹き飛ばす
  • 球よけ
    • トレーナーの投げるテニスボールをウェービングでかわす
  • ミット打ち
    • トレーナーの構えるミットを的確に打つ

まず、サンドバッグについては、これは結構威力重視ですね。弱いジャブを繰り返し当てるよりは、素早く振ったフックやアッパーを的確に入れていく方が圧倒的に効率がいいですね。実際の試合でも、おそらく速度とパンチの種類で威力が異なっているのでしょう。ただ、下手にフックやアッパーできめられないと、サンドバッグが揺れて当てにくくなるという弊害も。ある程度ストレートでダメージを与えた後、フックやアッパーで決める、という流れがよさげです。また、たまにサンドバッグが左右にずれているときがあるので、このときはウェービングで身体をずらしてパンチを打つことも必要です。
球よけは、トレーナーが異なるリズム、異なる方向、異なる球数で投げてくるのでなかなか難しいです。右、左と完全に交互に投げてくるときはいいのですが、たまにリズムを変えられるとぼろぼろ来たりします。また、左右をまとめて投げてくるときもあり、これは適当なよけ方ではうまくよけられません。相手の投げるときに寄っている方向を見切り、その逆に身体を瞬時に傾ける必要があるので、かなり難しい印象です。ちなみに、このトレーニングではウェービングしかつかわないので、基本はリモコンとヌンチャクを身体の前でそろえ、手首でくいっと動かす感じでプレイできちゃいます。それにプラスして、ベッドの上で身体を左右に揺らす感じですかね。
ミット打ちもまた難しい。最初、やたら「ミットの上にパンチが行ってしまう」というのが頻発してしまいました。ミットは胸の高さあたりに構えられているのが基本なので、若干パンチをあごのあたりから胸のあたりに打ち下ろす感じで打つといい感じに当たってくれます。また、ミットを左右のどっちで打つかも難しいところ。ウェービングすれば一応どっちの手でも打てることは打てるのですが、ミットの位置が微妙に左右にずらされるので、打ちやすさもそれに応じて変わってきます。基本的には、対角線的にパンチを打った方が当たりやすい気はしますね。画面左のミットは右手で、右側のミットは左手で打つ感じで。ただ、ミットの位置のずれが大きいときには適宜打つ手を変える必要があります。たまにミットを両手だすことがあるのですが、そのときワンツーが綺麗にきまると気持ちいいですね。

難しいが面白い、ボクササイズも可能なゲーム

以上、自分が体験していて思ったことをつらつらと書いてきましたが、なんだかんだ言ってWiiSportsでも一番たくさんプレイしているゲームですね。自分はボクシングも主にベッドに座ってプレイしています。主に手だけを動かすわけですが、常に手を浮かせたまま前後運動を繰り広げるので、これはかなりの負荷になります。まじめに、腕の肘から先の筋肉が筋肉痛になっちゃいますね。一時間以上のプレイだとつらくなってくる印象です。トレーニングの球よけなどは、上半身の移動に腹筋も結構使用します。まじめに、毎日やるだけで結構なカロリーを消費できそうな印象です。なんちゃってボクササイズが可能な印象です。
とりあえずのがちゃがちゃプレイでもある程度楽しめますし、打ち方をマスターしてストイックなプレイもできます。パーティ用としても、やりこみゲームとしても、なかなかいい感じじゃないでしょうかね。パンチの認識がいまいち腑に落ちないところもあるので、あとはチューニング機能やパンチ練習をチュートリアル的に教えてくれるモードがあるともっとよかった印象です。はじめの一歩などのゲームで、その辺もしっかり作り込んだゲームが出るといいんですけどね。ともかく、Wiiでのボクシングゲームの可能性を見せてくれる、いいゲームだと思いました。