WiiのD端子ケーブルの発売延期？！

PS3やXbox360と違い、720pや1080iといったHDTVまでの解像度には対応していないWii。それでも、一応本体で480pには対応しており、体験会でも多くのゲームは480pで出力されているように見受けられました。自分も以前より小さいながらもHDTVを使っており、WiiのHD非対応は残念でありながらも、せめてD端子で480pで入力できればいいか、とかなり前から自分自身を納得させていたところがあります。

そんな中、発売一週間前を切る段階になって、衝撃のニュースが飛び込んで来ました。

12/2発売予定でした「Wii専用　D端子ケーブル」が
製造上の都合により、急遽延期になりました。
発売日は未定です。
ぐんそうブログ:桃太郎棚卸し

いやぁ、これはショック大きいですね。上記は桃太郎王国というチェーンショップのブログですが、自分も予約していた店に確認したところ、同様の連絡を卸売り業者から受けて取ったそうです。店員の話では、任天堂の公式発表はまだですが、おそらく全国的に延期っぽいとのことでした。上記ブログ以外でも、似たような情報はいろいろと上がっていますしね。

「D端子AVケーブル」の発売が延期に - Nintendo iNSIDE
Rambling Man WiiのD端子
 【楽天市場】【Wii】ケーブル系：いーでじ！！楽天市場ゲーム館
 Wii 専用D端子ケーブル - ハピネット・オンライン

有線LANコネクタが本体同時発売でなかったり、ニュースチャンネルやお天気チャンネルが本体同時サービスでなかったりしたあたりでも、かなりグダグダ感が漂っていましたが、最後の最後で大きなポカをやらかした感じです。SDテレビしか持っていない人には関係のない話かもしれませんが、上記のように、せめて480pでプレイしたいと思っていたHDTVユーザは、かなりショックでしょう。

HDTVにおけるケーブルによる画質の違い

ケーブルによる画質の違いについては、以下の記事が詳しいですね。
不定期連載ゲームグッズ研究所【第8回】

アナログTVの場合、もともとがコンポジット信号なので、コンポジット端子でもS端子でもそれほど大きくは画質は変化しませんが、ゲーム機の場合は元々輝度（Yせ）、色（Cb・Cr）ともにくっきりと分かれた形でレンダリングしています。そのため、輝度と色信号を混ぜてしまうコンポジットと、輝度と色信号を分離して表示するS端子の差は非常に大きいものとなっていました。以下のページなどはそれがよく分かる感じです。
漏れﾀﾁのみんGOL記録室 : ダイレクトオーバーレイ機能
 D端子ではさらに色信号もCb、Crと分けて出力できますが、D1までだとS端子とそれほど大きな差はありませんでした。

ただ、Wiiは本体でD2出力できますからね。D2というのは、720x480、プログレッシブ60fps、通称480pのことです。D1（480i）インターレース60fpsとプログレッシブ60fpsでは、IP変換によっては実質縦方向の解像度が2倍違うことになります。DVDプレーヤなどでD2出力が付いているものがありますけど、映画の場合はせいぜいプログレッシブ24fpsですからね。自分で60fps、プログレッシブの絵が作れるゲーム機とは話が違ってきます。それに、液晶テレビなどは元々プログレッシブ表示なだけに、IP変換（インターレース/プログレッシブ変換）による画質劣化を招かない、というメリットもあります。特に、安いテレビなんかだとこのI/P変換に安いチップを使っていたので、プログレッシブかどうかで画質ががらっと変わる可能性があるでしょう。

Wii発売のワクワク感に水を差された形

上記のような理由から、今回のD端子発売延期というのは、ある意味HDTVユーザを裏切った形になると思います。そもそもゲームキューブですら廉価版ではD端子サポートを打ち切ったぐらいですからね。いくら現状SDTVを持っている人が多いとはいえ、少数派であるHDTVを裏切っていいという話ではありません。特に、今回は一応480pというEDTVレベルまではサポートをうたい、D端子もロンチで発売を発表していただけにタチが悪い感じですね。

「せめてコンポーネントケーブルを買えないか」と店員に頼んでみましたが、すでに予約いっぱいとのこと。まあそりゃこのタイミングじゃそうですよね。本体の予約はどこも締め切り、他の周辺機器も軒並み予約でいっぱいになっていますからね。今更どうこうできる状態じゃありません。11月頭にはD端子を予約していた身としては、なぜ今頃になってからの発売延期なのかと、怒りを禁じ得ません。もっと早く教えてくれれば、コンポーネントケーブルに切り替えたというのに。

とりあえず、はるばる名古屋までWiiを体験にいったり、日々Wii関連の情報を公開して自分の中で盛り上がっていたWiiへのワクワク感に、思いっきり冷や水を浴びせられた感じです。本当、ばかばかしい。人によっては「何を大げさに」という方もいらっしゃるとは思いますが、少なくとも自分にとっては、昨年末に旧DSを家族に買ったすぐ後に、DSLite発売をアナウンスされたのと同じぐらい腹立たしい事態です。せっかくHDTVを持っているのに、なんで発売日にWiiの最高画質を楽しむことができないのか。PS2ですらS端子で楽しんでいるというのに、なんで新たに買うWiiで、それもケーブルの延期というばかばかしい理由で。そもそも、D端子なんていう非常にありふれたものなのに、一体何をトラブル起こしたのか、理由を説明してもらいたいですね。任天堂の発表はこれからあるんでしょうが、「製造上の都合」などというありきたりな説明では、全く納得できませんので。DSLiteで2色成型で手間取ったのとは訳が違うでしょうし。さんざん体験会ではHDTV使ってデモしていたのに、実際に買ったらその画質で楽しめないなんて、ふざけるな、って感じですね。

チャンネルの開始遅れ、Operaも後から、「3秒で起動」も未達、D端子も延期と、これだけグダグダなものを見せられると、余裕をもって設定されたと思われた12/2という発売日も、実はかなりいっぱいいっぱいだった感じです。DSの成功で、何か任天堂には神話めいたものがあった気もしますが、まあ現実はそんなに甘くないというところでしょうか。一応まだ、量販店など一部店舗ではD端子が売り出すことに期待をしていますが、それはそれで、一部店舗優遇ということになって問題な気もしますしね。

少なくとも、自分が予約したところではD端子が発売日に買えないことが確定しましたので、大手量販店でD端子売るなら並ぶかもしれませんし、最悪コンポーネントケーブルを買うためだけにでも並ぶかもしれません。…やれやれ。

P.S.

今回のエントリは、結構過激な口調で書いてありますが、基本的にWiiを発売日に購入するという意志は変わりませんし、Wii体験会を通じてWiiの楽しさは知っているので、Wiiを応援していることには変わりません。このあたりは、Wii体験会レポートなどを読んでいただけると分かるかと。今回のエントリは、Wiiに入れ込むあまり、Wiiを完全版で初日から楽しめない事に対する一ファンの主観的な愚痴だと思っていただいてかまいません。当然、違った印象を持たれている人がいても当たり前のことだと思います。自分のコメントに多くの方を巻き込んでしまい申し訳ありませんでした。

また、コメント欄で指摘をうけましたが、一応D端子が入荷するという情報を掲載されているところもあるようですね。まだ未確定な状態でしょうか。
Ｗｉｉ　最終の数が確定 - ＴＶゲームと仮面ライダーを愛する広場 - 楽天ブログ（Blog）
また、よくよく考えると、コンポーネントケーブルはD端子と違い、アスペクト比の情報を含んでいません。画質は一緒なんですけどね。自分のテレビの場合、アスペクト情報が載っていないと、手動で4:3と16:9をオプションから切り替える必要がありますので、これもちょっと面倒だな、という印象ですね。