センサーのないWiiの「センサーバー」

Wiiの特徴的コントローラで行える操作で、モーションセンサーと同じぐらいの重要度を占めているのがポインティング操作。DSのタッチペン同様、メニューなどの直感的操作を助けるものですね。そして、このポインティングの精度を高めるものという位置づけであるのが、「センサーバー」というものです。ただ、「センサーバー」という名前が付いている割には、その仕組みにはいろいろと不明な点も多くありました。

自分のセンサーバーについての予測

自分も最初は、てっきり両端にカメラが仕込んであって、三角測量の原理で距離などを測っているのかと思っていました。ただでさえWiiリモコンはコスト増要因が多いので、カメラまであったらさらに高くなる、という認識だったので。

しかし、その後のいくつかの情報を照らし合わせていくと、どうもセンサーバーではなくリモコン側にカメラがあるっぽいという認識になってきました。最初に強く感じたのは、以下のWiiインタビューの記事のときでしょうか。

わぱのつれづれ日記 - 精一杯邪魔にならない努力をしたセンサーバー 〜Wiiインタビュー最終回

センサーバーを電池ボックスつけて無線化することも考えた、というあたりで、かなり「センサーバー=送信」という認識が高まった形ですね。さらに、IGNのWii設定メニューの動画にあった2つの光点のところを見て、ほぼ確信した形です。

「センサーバー=送信」という仮定を用いると、Wiiリモコンとテレビの距離の認識、向きの認識なども説明できるんですよね。それら自分の分析は以下のエントリに詳しく記しています。

わぱのつれづれ日記 - Wii体験会レポート(ハード編) 『Wiiリモコン ポインティング』

センサーバー分解記事

そんな中、とうとうセンサーバーの分解が行われ、詳しい内容が明らかになった模様です。分解したのはすでに多数のWii分解記事を載せている日経Tech-Onです。

【続報:Wii分解】「センサーバー」にはセンサがなかった - デジタル家電 - Tech-On!

こちらの記事を見ていただくと分かるように、センサーバーの仕組みは非常にシンプル。単に、左右に5つずつLEDが仕込まれているだけです。自分は、てっきり点滅ぐらいはさせるのかと思っていたのですが、それすら無かった模様。本当に、単に電源供給のためだけに使っているようです。一応、片側5つのLEDのうち、端の2つは若干離れた向きに着けているので、このあたりはちょっと工夫がある気がしますが。

センサーバーの代用

上記のように、センサーバーのケーブルは単に電源供給に過ぎませんので、ちょっと工夫すればすぐにワイヤレス化が実現できそうですね。周辺機器として、すぐに電池式のセンサーバーが出てきそうな気もします。とはいえ、前のWiiインタビューにあったように、毎回手動でセンサーバーの電源をONするような形だと面倒だと思うので、Wiiと連動して電源供給される有線式も非常に理にはかなっているとは思いますが。

ただ、すでにネットではいろいろなものでセンサーバーを代用している動画が公開されていたりします。まずは自作のLEDセンサーバー。

つづいて、キャンドル2本で代用した例を2つ。

こうしてみると、単純に赤外線を点発光するものをセンサーバーにあわせた間隔で設置しておけば代用品は誰でも作れそうですね。Wiiが発売されたら、いろいろタメしてみるのも面白そうです。というか、ファミ通あたりで記事にしそうな予感もしますが。


ともかく、センサーバーの仕組みが判明したので、ちょっとすっきりした形ですね。センサーバーの有線部分が邪魔だとか、使うときだけセンサーバーを置いて、後はしまっておくという人には、電池式の無線センサーバーの需要もある程度ある気がします。是非ともHORIあたりにさくっと出して欲しいな、と思います。